監修:管理栄養士 高岡 由貴先生
食品添加物とは?
食品添加物は、食品の製造や保存などに使用されます。食品添加物を加えることで、品質や味を一定に保ち、長く保存することが可能です。食品添加物の種類、含まれている食品について紹介します。
食品を加工・保存するために使われるもの
食品添加物は、食品の製造過程や加工・保存をするために使われる、香料、着色料、甘味料、保存料などのこと。食品添加物が加わることで、品質や味を一定に保ち、長く保存することが可能となります。
食品添加物の種類
日本で使用が認められている食品添加物には、指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物があり、829種類の添加物があります。あくまで食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
<代表的な食品添加物>
種類 | 目的と効果 | 食品添加物例 |
甘味料 | 食品に甘味を与える | アスパルテーム キシリトール など
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着色料 | 食品を着色して色調を調節する | アナトー色素 ウコン色素 など
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発色剤 | ハムやソーセージなどの色調 風味を改善する
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亜硝酸ナトリウム 硝酸ナトリウム など
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保存料 | 細菌やカビなどの発育を抑制する 食品の保存性を良くする
食中毒を予防する
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ソルビン酸 しらこたん白抽出物
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酸化防止剤 | 油脂などの酸化を防いで保存性を良くする | エリソルビン酸 カテキン など
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調味料 | 食品の味を整え、うま味を与える | アミノ酸 核酸 など
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食品添加物の表示義務
2015年に施行された食品表示法では、製品のラベルに原材料名と添加物がわかるように区分して表示されることが義務になりました。ただし、用途名を表示するだけで、具体的な物質名を記載しなくても良い添加物もあります。
■一括表示が認められている添加物
酸味料・香料・乳化剤・調味料・膨張剤・pH調整剤・イーストフード・チュイーインガム軟化剤・かんすい・苦味料・光沢剤・酵素など
添加物が含まれている食品
添加物は、保存性を高めたり、色を鮮やかにみせたりするため、加工食品に多く使われています。また、調味料類にも使われているものが多くあります。
■添加物が使われている食品の一例
- ソーセージ、ハム、ベーコンなど肉の加工品
- お弁当、サンドイッチ、おにぎり、漬物、かまぼこ、赤い色のお菓子、ソース、お菓子、飲料 など
- めんつゆ、ウスターソース、ドレッシング、顆粒だし など
危険な食品添加物の理由と種類
添加物はあくまで安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や使用の基準を定めたうえで使用が認められています。私たちの毎日の食生活を豊かにしてくれますが、高頻度に過剰に摂取すると特に体の小さい子どもには影響を与えるものもあります。ここでは、高頻度に過剰に摂取することはおすすめできない添加物について紹介します。
添加物が危険と言われている理由
添加物を摂り過ぎると、味覚の不調や腸内環境の悪化によるアレルギーなどのリスクが高まると言われています。また、添加物を加えると旨味や風味がアップしますが、素材本来の味や薄味などがわかりづらくなる懸念もあります。
特に子どもの頃から食べ続けると、濃い味を好むようになり偏食につながることも。さらに、生活習慣病につながる可能性も高まります。
危険な添加物の種類
日本では厚生労働省が認めた安全性のある添加物だけが使われています。普段の食生活で食べる程度なら問題ありませんが、摂り過ぎるのを避けた方が良いものもあるため注意しましょう。
添加物 | 含まれる食品 |
亜硝酸ナトリウム | ハムやソーセージなど肉加工品に多く含まれている |
グルタミン酸ナトリウム | 旨味調味料に含まれている |
アステルパーム | 低カロリー飲料や菓子など含まれている |
コチニール色素 | 昆虫由来の赤色の色素で飲料やお菓子などに含まれている |
カラメル色素 | 茶色のソース類や菓子などに含まれる (Iは安全性が高い)
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食品添加物を避け、上手に付き合っていく3つの方法
添加物はさまざまな食品に使われているため、すべてを無くすことは難しく、気にし過ぎるとストレスになる場合もあります。ちょっとした工夫で添加物を減らせるので、危険な食品添加物を避けながら上手に付き合っていきましょう。
①同じ食品でもパッケージ欄を見比べて選ぶ
食品添加物は、食品のパッケージ欄で確認しましょう。
■食品添加物の表示方法
- 原材料名、添加物をそれぞれ事項名で分ける
- 「/」で分ける
- 改行して分ける
- 別欄に表示する など
「/」の場合、「/」から前が原材料、「/」からうしろが添加物です。また、添加物と原材料名は、重量の多い順に表示されています。特に体の小さい子どもには毎日食品添加物を与えないようにしてください。同じ食品でも使っている添加物が違うこともあるので、見比べて選びましょう。
②手づくりを心がける
昆布やかつお節からだしをとる、漬物を自分で漬けるなど、できるだけ手づくりをするのも添加物を減らす方法です。だし汁にしょう油やみりん、酒を加えて煮立たせるとめんつゆに。オリーブオイルに酢と塩を混ぜ、おろしショウガやしょう油など好みの材料を加えると手づくりドレッシングになります。
また、手づくりは添加物を減らせるだけではなく、本来の味や薄味に慣れることができ、味覚を保てます。子どもが好きなハムやベーコンなどは、サッとゆでたり、湯通ししたりなどのひと手間で添加物を減らすことも可能です。
③無添加商品を選ぶ
添加物が入っている多くの調味料も、選び方に気を付けなければなりません。卓上塩には旨み成分、低カロリーの砂糖には合成甘味料が入っていることが多いため、きび砂糖やてんさい糖、醸造酢などや無添加のものを選ぶのがおすすめです。
ただし無添加と表記されていても、原材料名に他の添加物が使われている場合もあるため、気になる場合は原材料名を確認しながら選ぶようにしましょう。
コープのおすすめ無添加商品
食事は毎日摂るものだから、少しでも添加物を減らしたいですよね。コープでは、無添加の調味料や食品も多く扱っています。最後に、コープの無添加商品を厳選して紹介します。
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塩分を使用していない国産の料理酒。好みの塩加減で調理できるので、料理本来の味や香りを楽しめます。また、処分が簡単なパックを使用しています。
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CO・OP&はごろも 素材そのまま シーチキンマイルド オイル無添加は、オイル不使用の水煮タイプです。かつおそのものから抽出したエキスと、じっくり煮出したかつお節のだしを使っているので、オイルを使っていなくても、うま味を存分に味わえます。
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信州産ストレートトマトジュース食塩無添加 190g
旬の夏に収穫された長野県産のトマトを使った贅沢なCO・OP 信州産ストレートトマトジュース食塩無添加。搾りたてをそのままパックしたストレートタイプなので、トマト本来の味を楽しめます。飲むのはもちろん、料理にも使えて便利です。
トマトの旨みを収縮したCO・OP 信州産ストレートトマトジュース食塩無添加 190gはこちら
添加物はひと手間かけて減らそう
ほとんどの加工食品には食品添加物が含まれていますが、それぞれに役割があります。危険なイメージが強いですが、彩りを鮮やかにしたり、保存性やうま味を高めたりするのも添加物です。ちょっとしたひと手間で添加物を減らすこともできるので、正しい知識をもって上手に付き合いましょう。
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また食品メーカーでは食育推進事業を担当し、講師業を勤める。
現在はフリーの管理栄養士として活動し、レシピ開発•食事カウンセリング•商品開発•記事監修・執筆等を行う。
日本抗加齢医学会に所属し、日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ・薬膳アドバイザー・ローフードマイスター・ダイエット検定1級・薬事法管理者など様々な資格を保有。乳幼児から成人までを対象に幅広い層に対しての栄養指導を得意とする。