【管理栄養士監修】納豆の離乳食はいつから?調理ポイント、おすすめレシピを紹介
 監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

病院・特別養護老人ホーム・精神障害者生活訓練施設にて勤務。 現在はフリーの管理栄養士として活動。 コロナ禍に息子を出産し、離乳食の難しさに直面。同じように悩むお母さんの役に立ちたいとインスタグラムで発信を始めた。 現在フォロワー数7.1万人。(2025年2月時点) 偏食改善アドバイザーの資格を取得し、離乳食や偏食に悩むお母さんたちに向けてカウンセリングや講座を行っている。

※本記事に関する監修者への問い合わせはお控えください。
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納豆を離乳食に使えるのはいつから?

納豆パックから箸で納豆をつまむ様子
納豆を離乳食で使えるのは、基本的には離乳食中期(生後7~8ヵ月頃)からです。粉末タイプやしっかりすり潰した納豆なら初期からでも食べさせられますが、風味や食感が独特なので、やはり離乳食に慣れてきた中期以降がおすすめです。
大豆を発酵して作る納豆は栄養価が高く、たんぱく質やカルシウムなどを豊富に含む離乳食にぴったりの食材。離乳食の間は納豆に付属しているタレや調味料はなるべく使わず、食材そのものの味を楽しんでもらいましょう。

離乳食で納豆を使う3つのメリット

大豆と藁に包まれた納豆
栄養豊富で食べやすく、調理も簡単な納豆は、赤ちゃんにも調理する人にも嬉しい食材です。納豆を離乳食に取り入れるメリットを紹介します。

①不足しがちな栄養素が豊富

大豆製品である納豆は、植物性の良質なたんぱく質を含んでいます。さらに発酵することにより、もともとの大豆よりも栄養価が高いのが特徴です。ビタミンやミネラルの他、生後9ヵ月頃に不足しやすい鉄分やカルシウムも豊富。納豆菌には腸内の善玉菌を増やす働きもあるため、腸内環境を整えるのにも役立ちます。

②消化・吸収が良く調理が簡単

大豆自体は消化が良くないとされていますが、潰した納豆は消化・吸収に優れています。細かく刻むだけで使えるので調理が簡単なところもポイント。ひきわり納豆ならはじめから刻まれていて、薄皮も取り除かれているのでさらに手間を減らせます。

③粘り気のあるなめらかな食感

納豆のネバネバとした独特の粘り気は、赤ちゃんに好まれやすい食感です。野菜など他の食材と和えるとなめらかに、スープに加えるととろみがついてより食べやすくなります。

【月齢別】離乳食での納豆の与え方

離乳食を食べようとする赤ちゃん
初めて赤ちゃんに与えるときは、しっかり加熱してからみじん切りにしたものを、ベビースプーン1さじ程度のごく少量から始めましょう。問題なければ、下記のように進めていきます。
時期 大きさ 目安量
離乳食中期(生後7~8ヵ月頃) 加熱してみじん切り〜荒く潰す 10~15g
離乳後期(生後9~11ヵ月頃) 粒を半分に切る、ひきわりならそのままでも 18g程度
離乳完了期(生後12~18ヵ月頃) 粒でもそのまま与えられる 20g程度
離乳食中期・後期はひきわり納豆がおすすめです。粒納豆は薄皮がついているため、消化の負担になる可能性があります。粒でも調理せずに与えられるのは完了期以降です。

離乳食で納豆を使うときの下ごしらえ・保存方法

やかんでお湯を沸かす様子
離乳食ではなるべく下ごしらえと加熱をしてから与えるようにしましょう。納豆の調理のポイントと、保存方法を紹介します。

下ごしらえのポイント

刻んだり薄皮をとったりする手間を少なくしたいなら、ひきわり納豆にすると良いでしょう。ネバネバを嫌がるようであれば、お湯をためたザルの中で納豆を洗い、粘り気を落とすと食べてくれやすくなります。

加熱のポイント

離乳食中期の間は、食べやすくするために加熱して粘り気をとるのがおすすめです。加熱の仕方は、ザルや茶こしに納豆を入れ、上から熱湯をかけるだけ。電子レンジを使いたい場合は、納豆に大さじ1ほどの水を加え、ラップをかけて30秒ほど加熱します。
離乳食後期以降になると加熱は必須ではないものの、加熱するとやわらかくなるメリットもあります。赤ちゃんが飲み込みづらそうなら、引き続き加熱してあげると良いでしょう。

冷凍保存のコツ

納豆は冷凍保存も可能です。離乳食で使うには1パックは多すぎるので、1回分ずつ小分けにして冷凍しておくと便利です。
<納豆の冷凍保存方法>
  1. パックから出した納豆をラップで包み、フリーザーバッグに入れて冷凍保存(パックのままラップに包み、フリーザーバッグに入れても可)
  2. 凍らせた納豆を包丁でカットし、それぞれラップで包みフリーザーバッグに入れて冷凍保存
納豆は凍らせると糸を引きにくくなり、刻みやすくなります。冷凍したものを赤ちゃんに与える際は、電子レンジで全体がしっかりと温まるまで加熱しましょう。

【月齢別】納豆を使った離乳食のおすすめレシピ

ここでは、月齢別の納豆を使ったおすすめレシピを紹介します。いつもの離乳食にひと手間加えるだけの簡単レシピです。

離乳食中期(生後7~8ヵ月):納豆のおかゆ

納豆入りのおかゆ
中期の基本である7倍がゆに納豆を加えたアレンジレシピ。余った7倍がゆで手軽に作れます。凍らせておいた7倍がゆを使うときは、電子レンジや鍋で解凍してから使いましょう。
<材料:1食分>
  • 7倍がゆ 50g~80g
  • ひきわり納豆 10g
<作り方>
  1. 鍋に7倍がゆと納豆を入れてよく混ぜる
  2. ひと煮立ちしたら火を止める
  3. フタをして蒸らしながら粗熱をとる
赤ちゃんの好みに合わせて細かく刻んだキャベツや、裏ごししたにんじんなどの野菜を加えるのもおすすめです。

離乳食後期(生後9~11ヵ月):ご飯で作る鮭と納豆のおやき

ピンクのお皿に盛られたおやき
納豆ご飯をおやきにしたアレンジレシピです。鮭や野菜を混ぜることでさらに栄養満点に。納豆のネバネバを抑えられるので、納豆が苦手な子も食べやすいでしょう。
<材料:1食分>
  • やわらかく炊いたご飯 90g
  • ひきわり納豆 15g
  • 鮭フレーク 小さじ1
  • ほうれん草(葉のみ) 2枚
  • 片栗粉 小さじ1
<作り方>
  1. ほうれん草は茹でてみじん切りにする
  2. 材料をすべてボウルに入れ、よく混ぜ合わせる
  3. 一口分ずつスプーンですくい、丸く成形してフライパンに並べる
  4. フライパンに火をつけ、中火で両面焼き色がつくまで焼く
  5. 火を止め、フライパンに乗せたまま少し置き粗熱をとる
コープの鮭フレークは、1瓶あたり塩分が1.1gと低塩に作られているため、離乳食でも安心して使えます。ほんのりとした塩気で全体的に薄く味がつくのでお粥やご飯に混ぜるのもおすすめです。

離乳完了期(生後12~18ヵ月):納豆としらすのチャーハン

納豆入りのチャーハンと木のスプーン
納豆をチャーハンに入れるとネバネバ感が減り、苦手な子も食べやすくなります。赤ちゃん向けに調味料を抑えた、付属のタレのみで作れるレシピです。
<材料:2食分>
  • ご飯 100g
  • ひきわり納豆 1パック
  • しらす 30g
  • 卵 1個
  • ごま油 適量
<作り方>
  1. しらすは熱湯で塩抜きした後、食べやすい大きさに刻んでおく
  2. 納豆は付属のタレを入れ、かき混ぜておく
  3. フライパンにごま油をひき、溶いた卵とご飯を入れ炒める
  4. 納豆としらすを加えさらに炒める

離乳食で納豆を与えるときの注意点

アレルギーの出やすい食材
納豆はアレルギーを引き起こす可能性があるため、赤ちゃんに与える際には注意が必要です。離乳食に納豆を取り入れる際の注意点を知っておきましょう。

アレルギーが出やすい食材なので注意深く与える

納豆の原料となる大豆は、アレルギー症状を引き起こす可能性がある「特定原材料に準ずるもの20品目」に含まれます。初めて与える際は万一に備え、かかりつけの小児科が開いている平日の午前中などを選ぶようにしましょう。
初めはベビースプーン1さじ程度のごく少量に抑え、様子を見ながら徐々に量を増やしていきます。また、万が一アレルギー症状が出た場合にどの食材が原因なのかを特定するため、他の食材とは混ぜずにまずは納豆単体で与えましょう。

食べにくそうなら下処理を丁寧にする

ネバネバの食感や匂いが苦手な赤ちゃんもいます。なかなか食べてくれない場合は、下処理で独特の食感や匂いを抑えて与えてみましょう。
<ネバネバを抑える方法3つ>
①納豆をザルに入れ、お湯で湯通しする
②一度冷凍する
③他の食材と混ぜる
<匂いを抑える方法3つ>
①煮ると匂いがきつくなるので、煮る場合は時間を短くする
②煮るのではなく焼いて加熱する
③ごく少量しょうゆをたらし香り付けする
どうしても食べてくれない場合は、無理して食べさせる必要はありません。まずは食事を楽しむことを優先してあげるのが大切です。

栄養満点の納豆は離乳食のお助け食材

大豆の上に置かれた納豆が入った器
納豆は離乳食中期頃から離乳食に取り入れられます。赤ちゃんの成長に欠かせない栄養が豊富で、下ごしらえの手間も少ない食材なので、離乳食のレパートリーを増やしたいときに重宝します。赤ちゃんの様子を見ながら調理方法を工夫し、少しずつ取り入れていきましょう。
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