

監修:管理栄養士 鳥内雅子先生
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【生後9ヶ月】離乳食で与える量はどれくらい?

赤ちゃんによって食べられる量に差があるため、基本は食べたいだけ食べさせて大丈夫です。食事全体の量を増やしてあげると、バランスが整います。お腹が緩くなったり吐き戻したりがあるようなら、おかわり分を減らしてあげましょう。
生後9ヶ月は、栄養摂取が母乳やミルクから食事に代わっていく時期です。食事から摂る栄養は1日に必要な量の2/3を占めます。まだ離乳食だけで栄養を摂ることは難しいため、母乳やミルクを組み合わせます。フォローアップミルクは9ヶ月から飲めますが、必ずしも切り替える必要はありません。
【生後9ヶ月】離乳食の進め方

生後9ヶ月になると、歯と歯ぐきを使って食べ物をすりつぶして食べるようになります。生後9ヶ月の離乳食の与える回数や時間、量の目安を詳しくみていきましょう。
離乳食の回数と与える時間の目安
生後9ヶ月頃から、離乳食は2回食から3回食(離乳食後期)に移行します。移行の目安は以下の通りです。
- 2回食が安定している
- 歯ぐきでつぶせるやわらかさの物を、モグモグゴックンできる
- 自分の手で食べ物をつかんで口に運ぶようなしぐさをする
家族との食事時間に合わせて離乳食を摂ることで、生活リズムを整えられます。時間のパターンは特に決まっていないため、各家庭の生活パターンに合わせると良いでしょう。
基本は2回食が安定したら3回食へ進みますが、途中で疲れてなかなか食べられない子や小食の子は、1回の量を減らして3回食に変えても大丈夫です。消化力はついているので、様子をみながら決めてあげましょう。
離乳食の量の目安
食べる量には、個人差があります。赤ちゃんの発達に合わせて食事の量を調節してあげましょう。1回に与える穀類、野菜や果物、たんぱく質の目安は以下の通りです。
食品 | 目安量(g) | |
穀類 | 軟飯、パン、うどん、イモ類 | 80~90g |
野菜・果物 | 野菜・果物 | 30~40g |
たんぱく質 | 魚 または肉
または豆腐
または卵
または乳製品
|
15g 15g
45g
全卵1/2個
80g
|
離乳食作りのポイント
赤ちゃんの発達や成長に合わせて、食材の固さや切り方を変えていきます。目安は歯ぐきでつぶせるバナナくらいの固さです。大きさの決まりはありませんが、野菜や魚の大きさは5~8mm程度が目安です。手づかみ食べをする場合は、赤ちゃんの口の幅より大きい小判型に切ってあげると、喉の奥まで入れられずに必要な分を噛みちぎりやすいでしょう。
キノコ類は、弾力があり噛みちぎりにくいため、2~3mm程度に細かくカットします。とろみをつけてあげると、赤ちゃんにも飲み込みやすくなります。
【生後9ヶ月】離乳食で使える食材と注意する食材

生後9ヶ月になると、食べられる食材も増えます。消化器官はまだ発達していないので、赤ちゃんの胃腸の負担にならない食材から少しずつ与えていきましょう。
使える食材①穀類
主食となる炭水化物を含んだ食材です。うどんやパンは小麦製品でグルテンを含んでいます。さらに、パンには卵や乳成分が含まれているものもあるので、食物アレルギーに注意しましょう。
■食材
- 軟飯、パン、うどん、スパゲッティ、イモ類 など
使える食材②野菜・果物
ビタミンや食物繊維を多く含む食材です。消化に良くないため、果物の皮とタネは取り除きましょう。レーズンなどのドライフルーツは硬く噛みづらいので、小さく切ってからお湯でふやかすと食べやすくなります。砂糖を使用しているドライフルーツも茹でることで、ある程度砂糖を取り除くことができます。葉物野菜も食べづらそうであれば小さくカットしてあげます。
■食材
- 野菜:レタス、キャベツ、白菜、ほうれん草、小松菜、ちんげん菜、かぼちゃ、きゅうり、大根、ニンジン、玉ねぎ、かぶ、トマト、ピーマン、ナス、ブロッコリー、アスパラ、モロヘイヤ など
- イモ類:じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋 など
- 果物類:りんご、バナナ、いちご、みかん、ぶどう、ドライフルーツ(レーズン・プルーン)など
使える食材③魚介類
魚介類はたんぱく質を多く含みます。なかでも赤身魚(マグロ、カツオ、ブリなど)には、不足しがちな鉄分が含まれています。中まで完全に火を通してから与えましょう。片栗粉をまぶして茹でるとパサつきを抑えられます。また、つみれにするとやわらかさを保ちやすいです。
魚の調理が苦手な方には、コープの北海道産白身魚と国産野菜のふんわりつみれが使いやすく便利です。やわらかく赤ちゃんも食べやすい形状ですが、与えるときは4等分~にカットすると誤嚥(ごえん)を防げます。
■食材
- サバ、アジ、イワシなど青魚、タイ、カレイ、ヒラメなど白身魚、マグロ、カツオなど赤身魚
使える食材④肉類
たんぱく質を多く含む食材です。9ヶ月の赤ちゃんは鉄分を不足しやすいため、赤身肉やレバーなどを摂り入れると良いでしょう。鶏もも肉や豚バラ肉、牛もも肉など脂身の多い部分は、赤ちゃんの胃腸に負担をかけることがあるので、脂身の少ない部分を使います。鶏の皮を取り除く、さっと茹でて油を落としてから調理すると負担を減らせます。
肉も魚同様にパサつきやすいため、片栗粉をまぶして茹でたり、全体にとろみをつけたりすると食べやすくなります。
■食材
- 鶏ささ身、鶏むね肉、鶏手羽、鶏ひき肉、豚もも肉、豚ロース肉、豚ひき肉、牛ひき肉、レバー(鶏・豚・牛)
使える食材⑤卵・乳製品・大豆
どれもたんぱく源となる食材です。乳製品にはカルシウム、大豆製品にはカルシウムや鉄、卵にはビタミンAが豊富に含まれています。
乳・小麦・卵は三大アレルゲンと呼ばれ、アレルギーが気になる食材です。卵を最初に与える際は、固ゆで卵の黄身を少量ずつ与えましょう。牛乳やスキムミルク、大豆製品は衛生面から加熱して使用します。充填豆腐などのパックに水が入っていない豆腐や、開封してすぐに使用する牛乳などは、殺菌してあるためそのまま使用しても大丈夫です。
■食材
- 卵
- 乳製品:カッテージチーズ、スキムミルク(脱脂粉乳)、プレーンヨーグルト、バター など
- 大豆製品:豆腐、高野豆腐、納豆 など
注意する食材
腸内環境が整っていない1歳未満の赤ちゃんには、ハチミツやハチミツを使用した食品は与えないでください。ハチミツに含まれるボツリヌス菌により、乳児ボツリヌス症になる可能性があります。
そば、エビ、カニなどは食物アレルギーの可能性が高いため控えましょう。いつから与えるかは明確な基準はありませんが、目安としては離乳食が終了する1歳~1歳半頃に少量から始めます。
【生後9ヶ月】離乳食におすすめのレシピ
最後に生後9ヶ月の赤ちゃんにおすすめの離乳食レシピを紹介します。食材の量はあくまでも目安です。赤ちゃんの成長に合わせてアレンジしてみてください。
栄養満点の「煮込みうどん」

野菜と一緒にやわらかく煮込み、一品で多くの栄養が摂れるうどんです。塩分入りのうどんの場合は、茹でこぼして塩分を抜いてから使いましょう。コープのやわらかいミニうどんは塩分不使用でそのまま使えるため便利です。
■材料
- 茹でうどん 60g
- だし汁 120~150ml
- 豚肉(薄切り) 15g
- キャベツ 20g
-
ニンジン 10g
- 水溶き片栗粉 適量
- 醤油 1~2滴(お好みで)
■作り方
- すべての材料を粗みじん切りにする
- 鍋にだし汁、キャベツ、ニンジンを入れて中火にかける
- 煮汁がなくならないように水を追加しながら、やわらかくなるまで煮る(野菜だけ先にレンジ加熱するとやわらかくなりやすい)
- 野菜がやわらかくなったら豚肉とうどんを加えて煮込む
- 歯ぐきでつぶせる程度の固さになったら、水溶き片栗粉でとろみをつける
- 味をつける場合は、醤油を1~2滴入れる
ふっくら食べやすい「豆腐ハンバーグ」

豆腐とお好みの野菜を使ったやわらかいハンバーグです。焼きあがったハンバーグを、1つずつラップに包めば冷凍保存も可能です。
■材料
<野菜>
- 玉ねぎ 1/4個
- ニンジン 1/3本(小サイズ)
- 小松菜 2~3枚
<タネ>
- 鶏ひき肉 90g
- 絹ごし豆腐 90g
- 片栗粉 大さじ1
- 醤油 少々
- 油 少々
■作り方
- <野菜>をみじん切りする
- 耐熱容器に1と水少々を入れ、ラップをして600Wの電子レンジで1分半加熱(この時点で野菜は完全にやわらかくしておく)
- ボウルに<タネ>を入れ、混ぜ合わせる
- フライパンを中火にかけ、油をひく
- スプーンで3をすくい、別のスプーンでフライパンに落として形を整える
- 焼き色がついたら裏返し、弱火で6分焼く
手づかみにもおすすめ「大根とニンジンの煮物」

やさしい味の煮物は、カミカミの練習に最適です。赤ちゃんの口の横幅よりも大きい小判型にカットすれば、喉の奥に入りづらく手づかみで食べる練習にもなります。
■材料(5食分)
- 大根 150g
- ニンジン 50g
- だし汁 1カップ
- 醤油 少々
■作り方
- 野菜は皮をむき、大根は皮の近くの繊維が硬いので厚めにむき繊維を取り除く
- ニンジンは1cmくらいの厚みで斜めに切る。大根も同じ厚さで太いものは輪切り、細いものは斜めに切る
- 鍋にだし汁と大根、ニンジンを入れて中火でやわらかくなるまで加熱する
- 食材がやわらかくなったら、醤油を入れて風味付けをする
生後9ヶ月の離乳食ではいろいろな食材を体験させよう

生後9ヶ月の赤ちゃんは離乳食後期に進み始める頃です。2回食から3回食になり、食べる量や食べられる食材も増えてきます。母乳やミルクに代わり、1日の栄養を離乳食から摂るようになります。赤ちゃんが食べることに興味を持てるよう食材の形や固さ、味付け、食卓の環境を整えるなどを工夫して、親子で食べることを楽しみながら離乳食を進めましょう。
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