【カミカミ期】離乳食後期におすすめ食材やレシピ。よくある悩みや疑問もチェック
監修者:管理栄養士 池上 淳子

監修者:管理栄養士 池上 淳子

美容栄養学専門士資格認定講座の運営、スポーツ栄養、高齢者・子ども向け栄養学、生活習慣病予防など栄養学全般の啓蒙活動を行う。セミナー、料理教室、栄養監修、各種メディア出演など活動は多岐に渡る。栄養コンサルタント社代表、日本ビューティーヘルス協会会長
【著書】
最高の美をつくる朝食メソッド(ビジネス社)
美女をつくる足し算レシピ30(あたま出版)

離乳食後期の進め方とは

手づかみでおやつを食べる赤ちゃん
まずは、離乳食後期の進め方を紹介します。自分で食べたいという欲求が強くなり、1日3回食に増える離乳食後期。栄養面にも気を付けながら進めていきましょう。

離乳食後期に進む目安

生後9~11ヵ月頃を目安に、離乳食を中期から後期へと進めましょう。初めての食材は、1日1さじから始め、様子を見て量を増やしていきます。
■離乳食後期へ進める目安

  • 2回食が安定している
  • 歯ぐきでつぶせるやわらかさの物を、モグモグゴックンとできるようになった
  • 自分の手で食べ物をつかみ、口に運ぶしぐさが見られた

1食あたりの量の目安

同じ離乳食後期でも、食べる量には個人差があります。赤ちゃんの発達に合わせて食事の量を調節しましょう。
■1食あたりの量の目安

  • 主食(炭水化物):5倍がゆ 90グラム・軟飯 80グラム
  • 主菜(タンパク質):肉や魚 15グラム・豆腐 45グラム
  • 副菜・果物:合わせて30グラム~40グラム

3回食となる時間帯の目安

後期では1日3回食になりますが、まだまだ離乳食だけで栄養を摂ることは難しいため、授乳と合せて栄養を摂ります。家族との食事時間に合わせて離乳食を摂ることで生活リズムを整えられます。時間のパターンは特に決まっていないため、各家庭の生活パターンに合わせると良いでしょう。

離乳食後期の調理や食事支援のポイント

テーブルに座り離乳食を食べさせてもらう赤ちゃん
食べ物を歯ぐきでつぶして飲み込むことを覚える離乳食後期。調理や食事支援のポイントを紹介します。

歯茎でつぶせる固さや大きさに調理する

離乳食は赤ちゃんが歯ぐきでつぶせるように、バナナぐらいの固さに調理します。肉や魚は茹でてほぐしたり、細かくカットしたりした後、とろみをつけてあげると飲み込みやすいでしょう。キノコ類は弾力があり噛みちぎりにくいので細かくカットします。
■食材の大きさの目安

  • 野菜:5~8ミリのカットから始め、徐々に大きくする
  • 魚:5~8ミリのカットから始め、徐々に小さめの一口大に
  • 肉:小さめのそぎ切りから始め、徐々にやや小さめのそぎ切りに
  • キノコ類:2~3ミリに細かくカット

手づかみしやすい工夫をする

離乳食後期になると食べることに興味を持ちはじめ、手づかみしたくなる頃。手づかみ食べには、食べ物の固さや手触りを感じられる、前歯でかじり噛む力が身につくなどのメリットがあります。
ご飯をおにぎりにしたり、野菜をスティック状にしたり、子ども用食器に入れたりすると赤ちゃんも手に取りやすいです。汁ものは少量入れたものを用意しましょう。また食事用エプロンをつけたり、新聞紙やビニールシートを床に敷いたりして、後片付けしやすいように準備しましょう。

食べやすいように姿勢に注意する

赤ちゃんが自分で食べやすい姿勢になっているのかを確認しましょう。確認ポイントは、座った時に、床や補助板に足がついているか、食べ物に手が届くように少し前倒しの姿勢になっているかなどです。

離乳食後期に摂りたいおすすめ食材

ウサギのお皿に盛られた離乳食
離乳食後期は1日3回食となり、さまざまな食材を使えるようになります。離乳食後期に不足しがちな鉄分など、必要な栄養を摂取できる食材を紹介します。

米・パン・麺類

主食となる炭水化物を含んだ食材です。うどんやパンは小麦製品で、さらにパンには乳成分が含まれているため、食物アレルギーが気になる場合は注意しましょう。不安な場合は離乳食を開始してから1ヵ月後以降に試すようにしてください。
■食材
おかゆ・軟飯・食パン・ロールパン・うどん・そうめん・春雨など

魚介類

タンパク質を多く含む魚介類。特に赤身魚には、不足しがちな鉄分も含まれています。中まで完全に火を通してから与えましょう。
■食材
白身魚:タラ・タイ・カレイ・ヒラメ など
赤身魚:マグロ
青背魚:アジ・サンマ など

肉類

魚介類と同じくタンパク質を多く含んでいる肉類。パサつくときは、とろみをつけると食べやすくなります。鉄分が不足しやすいため、赤身の魚、肉やレバーなども摂り入れると良いでしょう。
■食材
鶏ささ身・鶏むね肉・鶏手羽・鶏ひき肉・豚もも肉・豚ロース肉・豚ひき肉・牛ひき肉・レバー(鶏・豚・牛)

野菜・果物

ビタミンや食物繊維を多く含んでいます。消化に良くないため、果物の皮と種は取り除いて与えましょう。
■食材
野菜:レタス・キャベツ・白菜・ほうれん草・小松菜・ちんげん菜・かぼちゃ・きゅうり・大根・人参・玉ねぎ・かぶ・トマト・ピーマン・ナス・ブロッコリー・アスパラ・モロヘイヤ など
イモ類:じゃがいも・さつまいも・里芋・山芋 など
果物類:りんご・バナナ・いちご・みかん・ぶどう・ドライフルーツ(レーズン・プルーン)など

卵・乳製品

カルシウムやタンパク質を多く含んでいる卵や乳製品ですが、アレルギーも気になる食材です。卵を最初に与える際は、固ゆで卵の黄身を少量から始めましょう。牛乳やスキムミルクは必ず加熱して与えてください。
■食材
卵・カッテージチーズ・スキムミルク(脱脂粉乳)・プレーンヨーグルト・バター など
コープ東北の離乳食はこちら

離乳食後期におすすめレシピ

離乳食後期は1日3回食となるため、離乳食から栄養を摂れるように主食、主菜、副菜の栄養バランスを考えてメニューを決めましょう。ここからは、簡単に作れる離乳食後期におすすめレシピを紹介します。

カルシウムが摂れる「しらすご飯」

器に盛ったしらすご飯
手軽にカルシウムが摂れるのがうれしいご飯。ひと手間加えて、5ミリ程度の大きさにカットし、ダシでやわらかく煮た大根やニンジン、ゴマなどを混ぜるとさらに栄養価が高くなりますよ。
■材料(1食分)

  • 軟飯:40グラム
  • 釜揚げしらす:大さじ1
  • 熱湯:50ミリリットル程度
■作り方

  1. 釜揚げしらすの塩抜きをするため茶こしに入れ、50ミリリットルの熱湯を回しかける
  2. しらすのお湯を切ってご飯にかけたら完成

卵を使わない「サツマイモの蒸しパン」

サツマイモの蒸しパン
サツマイモ以外にも、ニンジンのすりおろしやほうれん草のペーストなどを加えてアレンジできます。
■材料(8号シリコンカップ6個分)

  • ホットケーキミックス:80グラム
  • 牛乳:80ミリリットル
  • サツマイモ:中1本
■作り方

  1. サツマイモは、皮をむいて7ミリ角に切りやわらかく茹でる
  2. ホットケーキミックスと牛乳を混ぜ合わせたら、サツマイモを入れてざっくり混ぜる
  3. カップに生地を均等に流し込みフライパンに並べ、水を入れたら中まで火が通るようにフタをして蒸す

冷凍保存もできる「たっぷり野菜のポトフ風」

野菜がたくさん入ったポトフ
使う野菜を変えたり、昆布を使って和風にしたりとアレンジができます。
■材料

  • ジャガイモ:1個
  • ニンジン:1/2本
  • タマネギ:1個
  • キャベツ:2枚
  • 冷凍ブロッコリー:頭の部分4~5房
  • 鶏ひき肉:50グラム
  • コンソメ:小さじ1
  • 水:300ミリリットル(野菜が浸る程度)
  • 水溶き片栗粉:適量
■作り方

  1. 7ミリ角に刻んだ野菜と鶏ひき肉、コンソメを鍋に入れて煮込む
  2. 材料がやわらかくなったら、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけて完成

離乳食後期によくある悩み

離乳食を嫌がる赤ちゃん
最後に離乳食後期によくある悩みと対策を紹介します。離乳食を作っても食べてくれない、食べ方にムラがあるといった悩みはつきものです。解消されない時は1人で悩まず、地域の保健師などの専門家に相談してください。

悩み①離乳食を食べない

<理由>
離乳食を食べない理由としては、おなかが空いていない、食材が苦手、食べにくいなどが考えられます。また、自立心が芽生えてくる頃なので、食べさせられるのが嫌というケースもあります。
<対策>
しっかり体を動かしておなかを空かせてから食卓に着き、少量でも良いので1日3食のリズムがつくような生活を心掛けてみてください。また、赤ちゃんが食べやすいような形や固さなど、調理方法の見直しや手づかみで食べられるものを取り入れるなど、メニューの工夫をしてみましょう。家族一緒に食卓につくことで食事の時間を楽しくすることも大切です。

悩み②食べムラがあり、食事に集中しない

<理由>
大人と同じように赤ちゃんも空腹でなければ食べる気がしません。また、テーブルの周りに、テレビやおもちゃなどがあると食べ物よりも気を取られてしまいます。赤ちゃんの集中力は20~30分程度のため、食事に時間をかけてしまうと飽きてしまう可能性も。
<対策>
授乳と離乳食のタイミングを見直し、おなかが空く時間なのか確認してみましょう。また、時間を決めて切り上げる、食べたがる時に与える、次の授乳時間を早めるなど時間の調整を。テレビを消したりおもちゃを片付けたりというように集中して食べる環境作りも必要です。

悩み③丸飲みしたり、口に詰め込んだりする

<理由>
モグモグと噛むことに馴れていないため、丸のみしたり、呑み込めずに口に詰め込んでしまったりします。
<対策>
口の幅より大きくて手づかみできる食材を与え、モグモグとかじる経験をさせましょう。かじることで咀嚼(そしゃく)にもつながります。最初は煮てから粗めに刻み、馴れてきたら少しずつ固さも変えていきます。喉につまらせないように必ず見守りながら、「モグモグしようね」など声をかけてください。

悩み④ベビーフードばかり食べる

<理由>
手作りよりもベビーフードの方が、味や固さが赤ちゃんの好みに合っているのかもしれません。
<対策>
おかゆにベビーフードを混ぜるなど、手作りとベビーフードを合せたメニューにしてみましょう。ベビーフードに似た味付けや固さを試してみるのもおすすめです。赤ちゃんの好みは成長とともに変わるため、ベビーフードばかりを好んでいても、そういう時期と割り切って焦る必要はありません。

離乳食後期は成長に合わせて楽しみながら進めよう

お母さんと離乳食を食べる赤ちゃん
カミカミ期とも呼ばれる離乳食後期は、歯茎で噛んで飲み込むことを覚える時期です。使える食材も増えて食べる楽しみも覚える反面、食べムラや遊び食べも増えがち。食材の形や固さ、味付けなどを工夫したり、食事に集中できるように環境を整えたりするのも大切です。家族で食事を楽しみながら、離乳食を進めていきましょう。

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