【管理栄養士監修】赤ちゃんのおやつはいつから必要?量の目安や選び方、おすすめのおやつを紹介
監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

病院・特別養護老人ホーム・精神障害者生活訓練施設にて勤務。 現在はフリーの管理栄養士として活動。 コロナ禍に息子を出産し、離乳食の難しさに直面。同じように悩むお母さんの役に立ちたいとインスタグラムで発信を始めた。 現在フォロワー数7万人。(2025年7月時点) 偏食改善アドバイザーの資格を取得し、離乳食や偏食に悩むお母さんたちに向けてカウンセリングや講座を行っている。

※本記事に関する監修者への問い合わせはお控えください
鳥内雅子先生Instagram

赤ちゃんのおやつはいつから始める?

自分でご飯を食べる赤ちゃん
赤ちゃんにおやつが必要になるのは、1歳頃が目安とされています。まずは、おやつを始めるタイミングや、あげ始めるときのポイントを紹介します。

赤ちゃんのおやつは1歳前後から

赤ちゃんにおやつが必要になるのは、離乳食が1日3回になってから。目安としては、離乳食完了期にあたる1歳〜1歳半頃です。1歳未満向けのおやつもありますが、それは赤ちゃんに「食べる楽しさ」を経験させるためのもので、栄養の観点からみると与える必要はありません。一方で、1歳を過ぎてからのおやつは「補食」としての役割があり、離乳食だけでは補いきれない栄養をカバーするために与えます。

おやつ開始の判断ポイント

1歳未満でも離乳食をなかなか食べてくれない場合は、食べる練習として月齢に合わせたおやつをあげるのは問題ありません。ただし離乳食や授乳に響かないよう、時々・少量にとどめましょう。

離乳食の量が増え1日3回のリズムが安定し、母乳やミルクをほぼ飲まなくなったら「補食としてのおやつ」を始めるタイミング。ただしこちらも「おやつを食べたからご飯が食べられない」にならないように、規則正しく与えることが大切です。
「おやつなら食べるのに、離乳食を食べない......」というときは、まずは楽しく食べることを優先し、無理に食べさせる必要はありません。ドロドロしたものは苦手だけどサクサク・カリカリしたものなら食べられるなど、子どもによって苦手なものが違うため、何が嫌なのかじっくり観察してみましょう。

赤ちゃんにおやつが必要な理由

赤ちゃん用せんべいを頬ばる子ども
赤ちゃんのおやつは「第4の食事」とも呼ばれるほど大切なものです。赤ちゃんのおやつの重要性を知って、適切に与えられるようになりましょう。

必要な栄養をカバーできる

離乳食後期・完了期頃の赤ちゃんは、まだ消化機能が未熟なうえ、食事に集中できなかったり、好き嫌いや食べムラがあったりして、しっかりと食べられないことが多くあります。さらに、母乳やミルクを卒業すると、離乳食だけでは必要な栄養を摂りきれないケースが増えてきます。

その不足分を補うために必要になるのが「おやつ」です。赤ちゃんにとってのおやつは、大人がイメージする甘くておいしいお菓子ではなく、成長をサポートするための「第4の食事」という位置づけになります。

食育につながる

おやつでは、離乳食とは違ったメニューを取り入れることで、赤ちゃんがさまざまな味を体験でき、味覚が広がります。それにより、食への関心や興味が深まり、食べる楽しさも伝えやすくなるでしょう。

また、おやつタイムは、普段の食事の時よりも落ち着いて、手洗いや座って食べるなどのマナーを教えやすい時間でもあります。

心の栄養にもなる

おやつは単なる栄養補給の時間ではありません。大人がおやつを食べる時と同じように、気持ちを落ち着けたりリフレッシュしたりする効果も期待できます。

赤ちゃんのお世話はどうしても慌ただしくなりがちですが、おやつの時間を赤ちゃんと家族みんなで一緒にとることで、ゆったりと顔を合わせるコミュニケーションの時間にするのもおすすめです。

赤ちゃんへのおやつの与え方

赤ちゃんにハート型のビスケットを手渡すママ
赤ちゃんのおやつは1日2回、月齢に合わせた量を規則正しく与えることで、だらだら食べてしまうのを防げます。赤ちゃんへのおやつの与え方の基本を紹介します。

決まった時間に与える

おやつも離乳食と同じように、時間を決めて規則正しく与えることが大切です。赤ちゃんがほしがるからといっていつでも与えてしまうと、偏食や肥満の原因になることがあります。

基本的には1日1〜2回、食事との間が2〜3時間空くように時間を決めて与えるのが理想です。例えば、10時と15時頃がおすすめのタイミングです。

ただし、お昼寝で昼食が遅くなったなど、イレギュラーな場合はおやつの時間もずらしたり調整したりして問題ありません。

食べすぎないよう量を調整する

赤ちゃんに必要なおやつの目安量は、3歳未満の場合、1日に必要な総エネルギーの10~15%程度とされています。おやつを与える時は、水分補給として麦茶などと一緒にあげるのがおすすめです。時期別の目安は次の通りです。
<生後7か月〜1歳未満>
この時期は、離乳食がまだ始まったばかりで回数も少なく、母乳やミルクが栄養の中心となるため、基本的におやつは必要ありません。ただ、離乳食以外のお楽しみとして与える場合は、せんべいやビスケットなら1〜2枚程度にとどめましょう。
<1〜1歳半頃>
補食としてのおやつを始める時期。1日100kcalまでを2回に分けて与えるのが目安です。例えば午前のおやつの時間はバナナ1/2本(約60kcal)、午後はヨーグルト70g(約40kcal)といったように与えると良いでしょう。
<2歳〜>
1日150kcalまでを2回に分けて与えるのが目安です。目安量に収まるように、いくつかの食材を組み合わせて与えるのがおすすめです。

赤ちゃんが安心して食べられるおやつの選び方

ご飯を食べながら微笑む赤ちゃん
赤ちゃんへのおやつは、材料や栄養素に注意して選びましょう。

月齢に合わせて選ぶ

赤ちゃんに与えるおやつは、月齢に合ったものを選ぶことが大切です。月齢に合っていないと、うまく食べられなかったり、身体に負担をかけてしまったりする可能性があります。特に大人用のお菓子は与えないようにしましょう。赤ちゃんには塩分・脂肪が多く、また味も濃すぎるためです。上の子とおやつを分ける場合は、原材料を確認し少しだけあげるなど調整して与えます。
なお、おやつは甘いものを選ぶ必要はありません。基本的には、離乳食で不足しがちな果物や野菜類、炭水化物となる食材から選びます。1歳未満の場合は、赤ちゃんには禁忌となるはちみつが使用されていないかもチェックしましょう。

離乳食で足りなかった食材を選ぶ

おやつは離乳食とのバランスを考えながら、不足しがちな栄養を補えるように選びます。例えば、「離乳食をあまり食べてくれなかったのでおやつはおにぎりにする」「離乳食が和食だったのでおやつはヨーグルトなどの乳製品にする」といったように、離乳食で与えられなかった食材を基本に選ぶのがおすすめです。
好き嫌いがある子には、野菜入りや鉄分・カルシウムが強化された市販のおやつが役立ちますが、なるべく原材料がシンプルなものを選びましょう。

アレルゲンに気を付けて選ぶ

初めて与える食材や市販の食品を与える際は、アレルギーに注意が必要です。特に市販の食品の場合、材料に含まれていなくても、製造の過程で微量のアレルゲンが混入してしまうことがあります。

必ずパッケージのアレルギー表示を確認し、初めて与える時は慎重に少量から始めて食べさせるようにしましょう。心配な場合は、病院が開いている平日の午前中などに少しずつ与えて、様子を見るのがおすすめです。

赤ちゃんにおすすめのおやつ例

おやつには市販のものや手作りのものがあります。赤ちゃんにおすすめのおやつを紹介します。

市販のおやつ

子どもも食べられるシンプルなビスケット
忙しい日や外出時には、持ち運びしやすい市販のおやつが便利です。特に暑い時期は、腐りにくい市販品を選ぶと安心です。

市販のおやつを選ぶ際は、赤ちゃんの月齢に合った素材や固さかどうかを確認し、添加物が少なく、不足しがちな栄養素が補えるものを選ぶようにしましょう。
<1歳未満の赤ちゃんには>
口溶けの良いウエハース、おせんべい など

<野菜嫌いの赤ちゃんには>
野菜入りスナック、野菜せんべい、野菜ジュース など

<カルシウムが足りないと思ったら>
小魚せんべい、ビスケット など

手作りのおやつ

うどんきな粉と牛乳
材料がすべて目に見えて、カロリーや使用する調味料・油の量を調節しやすい手作りのおやつ。健康的で赤ちゃんにも安心して食べさせられます。
<栄養たっぷりで手作りしやすいおやつの例>
  • ほうれん草入り蒸しパン
  • ひじきのおにぎり
  • おからドーナツ
  • バナナホットケーキ
  • かぼちゃマフィン
  • バナナやかぼちゃきな粉
  • マカロニ(うどん)きな粉 など

赤ちゃんのおやつは1歳前後からが目安

クッキーを食べる男の子
補食としてのおやつを赤ちゃんに与えるのは、離乳食完了期にさしかかり卒乳した1歳頃から。離乳食で摂りきれなかった栄養を補えるような食材や食品を選んであげましょう。アレルギーには注意しながら、「食べるのが楽しい」と思ってもらえるようなおやつを選んでみてください。

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