【管理栄養士監修】離乳食のりんごはいつから?時期別の与え方とレシピ、調理のコツを紹介
管理栄養士:鳥内雅子

管理栄養士:鳥内雅子

病院・特別養護老人ホーム・精神障害者生活訓練施設にて勤務。 現在はフリーの管理栄養士として活動。 コロナ禍に息子を出産し、離乳食の難しさに直面。同じように悩むお母さんの役に立ちたいとインスタグラムで発信を始めた。 現在フォロワー数6.9万人。(2025年8月時点) 偏食改善アドバイザーの資格を取得し、離乳食や偏食に悩むお母さんたちに向けてカウンセリングや講座を行っている。

※本記事に関する監修者への問い合わせはお控えください
鳥内雅子先生Instagram

離乳食のりんごはいつから与えられる?

離乳食を食べさせてもらう赤ちゃん
りんごは消化が良いため、離乳食初期から与えても大丈夫です。ただし、離乳食完了期までは窒息や誤嚥防止のため加熱をしてから与えましょう。

りんごは甘味があるので子どもは喜んで食べてくれますが、甘味ばかりを欲しがるようになってしまうと、おかゆなど他の食材を欲しがらなくなる場合もあります。デザートとして食事の後に与えるようにするのがおすすめです。

りんごの離乳食|月齢別の調理方法と基本レシピ

白い器に盛りつけた煮りんご
甘く消化の良いりんごは、離乳食初期から与えられますが、月齢によって調理方法が変わります。月齢別のりんごの調理方法と基本のレシピを紹介します。

初期(5~6ヵ月)|ペースト状で飲み込む練習

かたさ・大きさ すりおろし
与える目安 小さじ1
食べ物を飲み込むトレーニングをする離乳食初期は、りんごペーストがおすすめです。レンジで簡単に作れ、加熱することで殺菌効果と変色予防にもなります。
<りんごペースト>
■材料(約8食分)
  • りんご 1/4個
■作り方
  1. りんご1/4個は皮を剥き、種と芯を取りすりおろす
  2. 耐熱容器に入れてラップをしたら電子レンジ600Wで1分加熱
ふつふつとしたら出来上がり、しっかり冷ましてから与えます。うまくすりおろせず固まりが残ってしまうと誤嚥や窒息の恐れも。スプーンでかき混ぜペーストの中を見るといった確認をしましょう。

中期(7~8ヵ月)|舌を使ってつぶし、飲み込む練習

かたさ・大きさ
舌でつぶせるかたさ
粗みじん切り
与える目安量 20~30g
<りんご煮>
■材料(約6食分)
  • りんご 1/2個
  • 水 大さじ2~3
■作り方
  1. りんご1/2個は皮を剥き、芯と種を取り除いて粗みじん切りにする
  2. 耐熱容器にりんごと水を入れラップをしたら電子レンジ600Wで3分加熱する
かたいようなら、指でかるくつぶせるくらい(赤ちゃんの舌でつぶせるかたさ)になるまで再度加熱します。

後期(9~11ヵ月)|歯ぐきを使い噛む練習

かたさ・大きさ
歯ぐきでつぶせるかたさ
5mm角
与える目安量 30~40g
歯ぐきを使い噛む練習をする時期のため、離乳食中期よりも少しかたさを残してあげましょう。
<りんごとサツマイモのやわらか煮>
■材料(約4食分)
  • りんご 1/2個
  • サツマイモ 40g
  • 水 適量
■作り方
  1. サツマイモの皮を剥き1cm幅に切り、水に5分つけてアクを抜く
  2. りんご1/2個は皮を剥き、芯と種を取り除き5mm角に切る
  3. 小鍋にサツマイモとサツマイモがひたる程度の水を入れ中火にかける
  4. 沸騰したら弱火にしてサツマイモがやわらかくなってきたらりんごを加える
  5. りんごがバナナほどの固さになったら火からおろし、サツマイモをかるくつぶしてから与える
サツマイモの代わりに、ジャガイモやカボチャ、ニンジンを使ってもおいしく作れます。

完了期(1歳前後)|手づかみでかじり取る練習

かたさ・大きさ スティック状や1/16等分の半月切り
与える目安量 30~40g
離乳食後期はりんごを手づかみし、かじり取って食べられるようになります。完了期(1歳半)までは加熱したものを与え、それ以降は薄くスライスしたものを与えると食べやすいでしょう。
<りんごスティック>
■材料
  • りんご 1/16個
■作り方
  1. りんごの皮を剥き、芯と種を取り除いてスティック状にカットする
  2. 耐熱容器にりんごと少量の水を入れ、ふんわりとラップをしたら電子レンジでやわらかくなるまで加熱する

りんごの離乳食|定番&アレンジレシピ

消化の良いりんごを使った定番&アレンジレシピを紹介します。ヨーグルトやサツマイモを合わせるとお腹の調子を整えてくれる一品になるでしょう。

すりおろしりんご×バナナ・ヨーグルト

りんごを使ったペースト状の離乳食
基本のりんごペーストを使ったアレンジレシピです。りんごとバナナの甘さで赤ちゃんも食べやすい一品です。
■材料(1人分)
  • りんごペースト 小さじ1
  • バナナ 3㎝
  • ヨーグルト 大さじ1
■作り方
  1. バナナをつぶしヨーグルトと混ぜ合わせ、りんごペーストをかける

りんごとニンジンの煮物

りんごとニンジンのカラフルな煮物
りんごとニンジンの自然な甘さがおいしい煮物です。冷凍保存できるので、作り置きにも使えて便利。また、月齢に合わせてつぶしてアレンジも可能なためレパートリーの幅が広がります。
■材料
  • りんご 1/2個
  • ニンジン 1/4本
■作り方
  1. りんごは皮を剥き芯と種を取って5mm角に切る
  2. ニンジンは皮を剥き1cm幅に切る
  3. 鍋にりんごとニンジンを入れ、食材がひたるくらいの水を入れ煮る
  4. 沸騰したら弱火にして10分、指でつぶせるやわらかさになるまで煮たら、赤ちゃんの月齢に合わせて食べやすくつぶす

ホットケーキミックスでりんごパンケーキ

食べやすいサイズにカットされたパンケーキ
やさしいりんごの甘味がおいしいパンケーキです。手づかみ食べの練習にもおすすめのレシピです。
■材料
  • ホットケーキミックス 50g
  • りんご 1/2個
  • 豆乳 50mL
  • オリーブオイル 少々
■作り方
  1. りんごは洗って皮を剥き、種と芯を取り除いてすりおろす
  2. ボウルにオリーブオイル以外の材料を入れて混ぜる
  3. フライパンを弱火で熱しオリーブオイルをひく
  4. 好みの量をフライパンに入れて焼き、ふつふつしてきたら裏返し焼く

レンジで簡単!りんごコンポート

ガラスのお皿に盛りつけたりんごのコンポート
冷凍保存できるので、離乳食の作り置きにもおすすめのレシピです。月齢に合わせてつぶしたり、刻んだりと食べやすくしてあげましょう。
■材料
  • りんご 1個
■作り方
  1. りんごは皮を剥いて種と芯を取り除き、8等分に切ってから5mmほどのいちょう切りにする
  2. 耐熱容器にりんごを入れ、ふんわりとラップをしたら電子レンジ600Wで4分加熱
  3. 全体をかき混ぜ生っぽさが残っていれば30秒ずつ追加で加熱する
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離乳食でりんごを使う際の調理・保存のポイント

小分けにした煮りんご
離乳食は毎日作るもの。その都度一から手作りするのは大変です。電子レンジや冷凍保存を上手に活用すると、離乳食作りの負担もぐっと軽くなりますよ。

①冷凍保存する

調理したりんごは冷凍保存でき、加熱していれば雑菌の繁殖も防げます。離乳食で使う際には、電子レンジ500Wで20~30秒加熱し、粗熱をとってから与えましょう。また冷凍したりんごの保存期間は1週間を目安に早めに使い切るようにします。赤ちゃんに与える際には、必ず再加熱しましょう。
■保存方法
  1. 調理したりんごの粗熱がとれたら、製氷皿に1食分ずつ入れて冷凍する
  2. りんごが凍ったら製氷皿から取り出し、冷凍用保存袋に入れて日付を書いて保存する
製氷皿がない場合は、1食分ずつをラップに包み冷凍してもOKです。

②使う直前に食べる分だけ切る

りんごは空気にふれると変色したり黒ずんだりするため、離乳食を作る直前に使う量だけ都度切りましょう。りんごの変色を防ぐには、塩水につける、レモン汁を加えるなどの方法もありますが、少量でも味が変わってしまうため離乳食にはおすすめしません。残ったりんごは、切った面が空気に触れないようにしっかりとラップで覆い保存します。

離乳食でりんごを与える際の注意点

離乳食を食べる赤ちゃんと笑顔のママ
栄養満点で離乳食初期から使えるりんごですが、与える際には注意しなければならない点があります。最後に、離乳食でりんごを与える際の注意点を紹介します。

①アレルギーや体調変化に注意する

りんごは「特定原材料に準ずるもの28品目」に該当するため、食物アレルギーを引き起こす可能性に注意が必要です。最初に与える際は赤ちゃんの体調が良く、病院を受診できる午前中にしましょう。

他の食材と同じように、加熱したペーストをベビースプーン1さじからはじめます。口の中がかゆくなる、のどが腫れる、ショック症状を起こすなどのアレルギー反応が生じる場合もあるため、赤ちゃんから目を離さず状態を観察しましょう。

②のどに詰まらないように注意する

赤ちゃんは気道が小さく飲み込む動きが未熟な上、咳をする力も弱いので食べ物を咳で吐き出すことが難しいです。そのため、すりおろしたりんごでものどに詰まらせる可能性があります。

すりおろしたり、小さく刻んだりした場合でも、離乳食完了期までは加熱でやわらかくしてから与えましょう。与える際も、飲み込みやすいよう姿勢を整える、飲み込んだのを確認してから次を与えるなどの注意が必要です。

新鮮で旬な「めぐみ野」りんご

木になった新鮮なりんご
離乳食にりんごを使うなら、新鮮で旬なりんごがおすすめです。生協で購入できる「めぐみ野」りんごは、樹上で完熟した旬のりんごを大型冷蔵庫施設で管理したもので、9月下旬から6月下旬まで味わえます。子どもと一緒にその時期ならではの品種や、珍しい品種のりんごを楽しめます。
「めぐみ野」りんごの主な品種
品種 特徴
サンつがる 樹上で長く育てるため甘味が強く果汁が多い
あかね パリッとした歯ごたえで果肉が真っ白
とき 香りが強く果汁が多い
ジョナゴールド 甘さと酸味のバランスが良い
きおう 歯ざわりが良く、甘味の中にさわやかな酸味がある
大紅栄 酸味が少なく甘さが感じられる
ふじ 酸味と甘みのバランスが良く、長期保存に優れている
金星 甘味が強く酸味が少ない、果肉はかためで汁が多い
星の金貨 香りの良い品種で、皮が薄く甘味が強い
北斗 やや硬めの果肉で果汁をたっぷりと含む。甘みと酸味のバランスが良い

新鮮なりんごを選んで離乳食に取り入れよう

すりおろしりんごを木のスプーンですくう
離乳食のりんごは消化が良く甘みがあり赤ちゃんも食べやすい食材です。月齢に合わせてペースト、煮物、スティックなど調理方法を変えることで、噛む練習や手づかみ食べの練習にも活用できます。旬のりんごを使って離乳食作りに役立てましょう。
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