【医師監修】風邪の時におすすめの食べ物を症状別に紹介。NG食材や簡単レシピも
監修:八丁堀さとうクリニック副院長 佐藤 杏月 先生

監修:八丁堀さとうクリニック副院長 佐藤 杏月 先生

日本医科大学卒。
日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。

3人の子供の子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医の主人とともに2020年八丁堀さとうクリニックを開業。

日本産婦人科学会専門医
医学博士

【症状別】風邪をひいた時におすすめの食べ物

お皿に置いてある生姜とレモンとスープを飲む女性
風邪をひいてしまった時は、しっかり栄養を摂ることが大切です。早く元気になるためにも、普段よりも食事に気を付けましょう。はじめに、風邪をひいた時におすすめの食べ物を症状別に紹介します。

症状①咳・喉の痛み

咳が出ていたり、喉が腫れて痛かったりする時は、喉越しの良いやさしいものがおすすめです。飲み込むのが辛いかもしれませんが、少しでも栄養の摂れるものを食べてくださいね。
■はちみつ
ショウガとはちみつを溶かした白湯は、体の中から温めてくれるだけでなく、栄養も摂れます。ただし、1歳未満の赤ちゃんは乳児ボツリヌス症になる可能性があるため、与えないようにしてください。
■ヨーグルト
栄養素の高いヨーグルトも、さっぱりしていて食べやすいでしょう。手間をかけずに食べられるだけでなく、水分も一緒に摂れます。
■とろみをつけたスープ
野菜をやわらかくなるまで煮込んだスープも、喉越しが良いため食べやすいです。ホウレン草やニンジン、カボチャなどの緑黄色野菜には、粘膜を正常に保つ働きや抵抗力を高める働きがあるため、喉が痛い時に食べたい食材です。

症状②鼻水・鼻詰まり

鼻水や鼻詰まりの症状には、粘膜を健康にしてくれるビタミンAや、ウイルスへの抵抗力を高めてくれるビタミンCを多く含んだ緑黄色野菜を積極的に摂りましょう。
■具だくさん鍋
野菜がたっぷり入った具沢山の鍋は、ビタミン補給にピッタリ。栄養素が溶け出したスープも一緒に摂れます。また、鍋なら野菜以外に肉や魚なども摂れる上、食べやすい味に工夫できます。

症状③腹痛・下痢

腹痛や下痢などの風邪には、お腹の調子を整えてくれる食べ物や消化の良い食べ物がおすすめ。刺激が少なく、やわらかい食べ物を少しずつ食べて、お腹を慣らしていくと良いでしょう。
■すりおろしたリンゴ
胃腸の調子を整える働きがある食物繊維の一種「ペクチン」が、腸内環境を整えてくれます。また、すりおろすことによって、消化を良くします。
■豆腐
タンパク質を補える上に消化しやすく、腸内環境を整える効果のある豆腐。舌触りも良いため、食事をするのが億劫な時でも簡単に栄養を補えます。

症状④熱

熱がある時は食べられるものを食べるようにしましょう。発熱によって体の水分量は減少するため、脱水にならないよう水分補給は必ずしてくださいね。
■スポーツドリンク
熱が高くて食事が摂れない時は、水分と栄養が一度に補給できるスポーツドリンクがおすすめ。ただし、薬は白湯か水で飲みましょう。
■おかゆ
食欲が出てきた場合は、消化が良く、飲み込みやすいおかゆが良いでしょう。また、煮込みうどんやスープなどもおすすめです。レトルトのおかゆなら日持ちもするので、ストックしておくと急な体調不良の時に便利です。

風邪をひいた時に避けた方が良い食べ物

チキンとワッフル
香辛料の強いものや甘いものなど、風邪をひいた時に避けた方が良い食べ物もあります。食べ物によっては体調を悪化させてしまう恐れがあるため、気を付けましょう。

刺激の強い食べ物

香辛料などの刺激が強く汗をかくものは、控えた方が良いでしょう。汗をかくため健康に良いと思うかもしれませんが、風邪の時は必要な水分も消費してしまいます。また、刺激が強すぎると、喉を傷めてしまうかもしれません。

甘いものや脂っこいもの

糖分は消化に時間がかかるため、多く摂ってしまうとお腹に負担をかけます。同じように、脂っこいものも消化に時間がかかるだけでなく、腸から吸収されにくいため下痢を起こしやすくなります。
吐き気を催したり、胃酸逆流を引き起こしたりする可能性もあるため、風邪で調子が悪い時は甘いものや脂っこいものは避けましょう。

カフェインが多く含まれているもの

カフェインには利尿作用があるため、風邪の時に多く摂ってしまうと脱水症状を引き起こす可能性があります。また、冷たい水もお腹を冷やすので、おすすめできません。風邪の時の水分補給には、常温の水や白湯などを摂るようにしましょう。

風邪をひかないために日頃から気を付けておきたいこと

野菜を多く含んだ料理
完全に予防することは難しいですが、普段から風邪をひかないように心がけることも大切です。

バランスのとれた食事で免疫力高める

偏った食生活は免疫機能を低下させ、風邪をひきやすくします。風邪の予防には、ビタミンAやビタミンCなど、免疫機能を高めてくれる栄養素を摂るようにしましょう。
ビタミンAやビタミンCは、春菊やニンジン、サツマイモ、カボチャなどに多く含まれているため、普段から野菜を摂るように意識することが大切。また、腸内環境を整えてくれるヨーグルトやチーズ、納豆などの発酵食品もおすすめです。

十分な睡眠と適度な運動

風邪をひかないようにするには、普段から十分な睡眠と休養をとり、適度な運動を取り入れることが大切です。寝不足が続くと抵抗力が下がり、体調を崩しやすくなるため、日頃から規則正しい生活を送るようにしましょう。
また、運動する頻度が高いほど、免疫細胞を増加させるため、風邪が重症化しにくくなります。疲労を残さない程度の筋トレやストレッチ、有酸素運動がおすすめです。

風邪をひいた時におすすめのレシピ3選

風邪の症状はさまざまですが、体が辛い時は温かい食べ物を摂るようにしましょう。また、無理をせず、体調に合わせた食べ物で、栄養を摂ることも大切です。ここでは、風邪をひいた時に手軽に作れるレシピを紹介します。消化が良く、栄養も摂れて、体の中から温めてくれますよ。

お腹にやさしい「卵雑炊」

土鍋に入った卵雑炊
お湯を注ぐタイプの卵スープとご飯なら、簡単に卵雑炊が作れます。雑炊は消化されやすいためお腹にやさしく、喉が痛い時も食べやすいのでおすすめです。また、炭水化物を摂りながら水分補給もできます。
【材料】
  • ご飯1杯(茶碗)
  • 卵スープ1食分
  • お湯
【作り方】
  1. ご飯を器によそい、卵スープをのせる
  2. お湯を注いだら、軽くかき混ぜて完成

栄養バッチリ「野菜たっぷり煮込みうどん」

野菜たっぷりの煮込みうどん
なべ焼きうどんは、煮込んでいるため消化が良く、体の中から温まるのでおすすめです。野菜も一緒に煮込めば、スープに出た栄養素も一緒に摂ることができます。冷凍うどんなら電子レンジで簡単に調理できるため、ストックしておくと便利です。
【材料】
  • 豚肉…50g
  • ニンジン…2cm
  • シイタケ…1~2個
  • 長ネギ…1/2本
  • うどん…1玉
  • だし汁…300cc
【作り方】
  1. 豚肉は食べやすい大きさに切り、野菜は薄切りにする
  2. 鍋にだし汁を入れて火にかけ、沸騰したらうどん、カボチャ、ニンジン、豚肉を入れてやわらかくなるまで煮る
  3. 残りの材料と味噌大さじ1、しょう油小さじ1を加えて味を整え、野菜に火が通ったら完成

喉の痛みに「はちみつレモンショウガ湯」

温かいはちみつレモンショウガ湯
はちみつやショウガには、喉の痛みや痰を抑え、咳を止める作用があります。また、体を中から温めてくれるので、風邪をひいた人には特におすすめの飲み物です。さらにレモンを加えるとビタミンCも一緒に摂ることができます。
【材料】
  • ショウガ…ひとかけ
  • はちみつ…大さじ1
  • レモン汁…少々
  • お湯…150cc
【作り方】
  1. ショウガをすりおろして搾り、ショウガ汁を作る
  2. コップにショウガ汁とはちみつを入れてお湯を注ぐ
  3. 最後にレモン汁を少々加えて出来上がり

風邪をひいた時は消化の良い食べ物で栄養をつけよう

温かいお茶を飲む女性
風邪は誰でもひいてしまう可能性があります。ですが、風邪をひいてしまった時の対応で、長引いてしまうか、早く完治するかが変わります。風邪を治すには、十分な睡眠と栄養補給、そして水分補給が必要です。無理をしない範囲で食事を摂り、食べ物の力で風邪を治しましょう。また、普段からバランスのとれた食事で免疫力を高める、十分な睡眠をとることも風邪予防につながりますよ。
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