管理栄養士 鳥内雅子先生
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離乳食で豆腐はいつから使える?
豆腐は生後5~6ヵ月の離乳食初期から使えます。赤ちゃんの成長に欠かせないたんぱく質やカルシウム、鉄分などの栄養素が豊富で、消化吸収が良い優秀な食材です。さらにやわらかく口当たりが滑らかで赤ちゃんが食べやすく、調理が簡単で扱いやすいので離乳食にぴったりと言えます。ただし離乳食1週目から取り入れるのは避け、おかゆに慣れてきた頃に様子を見ながら、少量ずつ与えるようにしましょう。
離乳食に適した豆腐の選び方
離乳食中期くらいまでは滑らかな絹ごし豆腐を選ぶのが基本。原材料もしっかりとチェックして選びましょう。離乳食で豆腐を使う場合の選び方を紹介します。
初めは絹ごし豆腐を選ぶ
豆腐には主に絹ごし豆腐と木綿豆腐がありますが、初めて離乳食に使う時は絹ごし豆腐を選びましょう。木綿豆腐に比べ、絹ごし豆腐の方が水分量も多くてやわらかく、赤ちゃんが飲み込みやすいためです。しかし木綿豆腐は舌触りがザラザラするものの絹ごし豆腐より多くの栄養を含むので、離乳食後期くらいから取り入れていくのがおすすめです。
国産大豆、天然にがり使用のものを選ぶ
赤ちゃんに与えるのは、国産大豆100%の豆腐だと安心です。外国産の大豆には、遺伝子組み換え食品のものや、輸入のために防腐剤が使用されているものがあるので注意が必要です。
また、豆腐を固めるために必要な凝固剤には天然と人工がありますが、天然にがり(塩化マグネシウム・粗製海水塩化マグネシウム)を使っているものを選ぶとより安全性が高まります。
消泡剤不使用のものを選ぶ
食品添加物をできるだけ赤ちゃんに与えたくない場合は、消泡剤不使用の豆腐を選ぶと良いでしょう。消泡剤とは、豆腐を作る工程で発生する泡を消すための食品添加物です。消泡剤を使うと食感が良くなるという効果がありますが、なくても問題のないものです。
離乳食で豆腐を使う時の注意点
赤ちゃんに豆腐を与える際は、食品アレルギーには十分注意し、月齢に合った調理をするようにしましょう。離乳食に安全に豆腐を取り入れるための注意点を紹介します。
大豆アレルギーに十分注意する
大豆は食品アレルギーを引き起こす可能性があり、消費者庁によって「特定材料に準ずるもの」としてアレルギー表示が推奨されている食材です。初めて赤ちゃんに与える時は、ごく少量の離乳食用スプーン1さじ程度から始めるようにしましょう。万が一アレルギー症状が出た場合に備え、病院に行きやすい平日の日中帯に与えるのがおすすめです。
加熱して殺菌してから与える
豆腐は非加熱でも食べられる食材ですが、1歳くらいまでの赤ちゃんに与える場合は必ず加熱殺菌しましょう。大豆の表面には雑菌がつきやすく、大人は問題なくても抵抗力の弱い赤ちゃんにとっては害になる可能性があります。
とはいえ、加熱のしすぎは水分が抜けてしまうので要注意です。加熱の目安は、豆腐10gの場合、500Wの電子レンジで20〜30秒ほど温めるか、1分ほど湯通しすると良いでしょう。加熱した後は、火傷しないように十分に冷ましてから与えるようにします。
月齢に合わせて調理する
他の食材と同様、豆腐も赤ちゃんの月齢に合わせて適した量や固さになるよう調理が必要です。豆腐を使った離乳食の詳しい進め方は、次項で詳しく紹介します。
【月齢別】離乳食での豆腐の進め方とおすすめレシピ
豆腐も離乳食の基本の進め方を守るようにしましょう。赤ちゃんの月齢別の豆腐の調理方法とおすすめレシピを紹介します。
離乳食初期(月齢5〜6ヵ月)
離乳食初期は1食あたり5〜10gほど、食材はヨーグルトくらいのペースト状にするのが基本です。豆腐の場合は加熱してからすり潰し、湯冷しなどを加えてトロトロにします。
▪️レンジでできる豆腐ペーストのレシピ
<材料:1食分>
- 絹ごし豆腐 10g
- 水 大さじ1
- お湯もしくは湯冷し 小さじ1
<作り方>
- 耐熱容器に豆腐と水を入れ、ふんわりとラップをかける
- 500Wの電子レンジで30秒ほど加熱する
- 豆腐を取り出し、すり潰した後にお湯もしくは湯冷しを加えて硬さを調整する
お湯ではなく湯冷しを使うと早く冷めます。分量は赤ちゃんの好みの固さになるよう調整しましょう。
離乳食中期(月齢7〜8ヵ月)
離乳食中期では、1食あたり30〜40gほど、赤ちゃんが舌で潰せるくらいの固さにします。赤ちゃんによって進み具合が異なるので、赤ちゃんに合わせて加減しましょう。食材の大きさはみじん切り程度からお味噌汁の具くらいになるまで、様子を見ながらだんだんと大きくしていきます。
◾️ほうれん草入り豆腐かゆのレシピ
<材料:1食分>
- 絹ごし豆腐 15g
- 7倍かゆ 50g
- ほうれん草(葉先) 1〜2枚
<作り方>
- 豆腐をレンジもしくは湯通しで加熱し、荒く潰す
- ほうれん草の葉先をやわらかくなるまで茹でる
- 材料をすべて鍋に入れ、なじむまで煮る
離乳食後期(月齢9〜11ヵ月)
離乳食後期の量は1食あたり45gほど、歯茎で潰せるくらいの固さにするのが目安です。食材の大きさは赤ちゃんの好みに合わせてあげて大丈夫です。
◾️手づかみできる豆腐ハンバーグのレシピ
<材料:5個分>
- 絹ごし豆腐 50g
- ひき肉 100g
- お好みの野菜(にんじん、玉ねぎ等) 50g
- 片栗粉 大さじ2
- オリーブオイル 適量
<作り方>
- 野菜はみじん切りにする
- ボウルに材料をすべて入れ混ぜる
- フライパンにオリーブオイルをひき、具材をスプーンですくって並べる
- 弱火で加熱し、焼き目がついたら裏返して両面よく焼く
離乳食完了期(月齢12〜18ヵ月)
離乳食完了期の量は1食あたり50gほど、赤ちゃんが歯茎で噛めるくらいの固さにするのが目安です。
◾️にんじんと豆腐のふんわりカップケーキのレシピ
<材料:5個分>
- 絹ごし豆腐 50g
- にんじん 30g
- ホットケーキミックス 100g
- 水 50ml
<作り方>
- オーブンを180℃に予熱する
- にんじんをすりおろす
- ボウルに材料をすべて入れ混ぜる
- カップに分けて具材を注ぎ、オーブンに入れて15分ほど焼く
オーブンで焼いた後、竹串をさして生地がつかなければ完成です。
離乳食で豆腐が余った時の保存方法
豆腐はそのまま冷凍すると食感が損なわれてしまうので、なるべく1回で使い切りましょう。離乳食で豆腐が余った時に上手く冷凍保存するコツを紹介します。
豆腐は冷凍保存できる?
豆腐は冷凍保存可能ですが、解凍する際に水分が抜けてスポンジのようなぼそぼそとした食感になってしまうので、おすすめはできません。離乳食の場合、一度に使い切れないことも多いでしょうが、なるべく小分けのものを選ぶか、余った分は大人用の料理に使うなどして使い切るようにしましょう。
豆腐を冷凍保存するコツ
どうしても豆腐を冷凍したい場合は、加熱してからペースト状にした状態で冷凍すると食感が悪くなるのを抑えられます。
<豆腐の冷凍の仕方>
- 沸騰したお湯で1〜2分、もしくは500Wの電子レンジで2分加熱する
- 粗熱がとれたら、すり鉢でペースト状にする
- 製氷皿などに入れ、小分けにして冷凍庫へ
ポリ袋に入れて冷凍する方法もあります。豆腐を平らになるように伸ばし、箸などで1回分ずつ区切りをつけておくと、使いたい時に区切りに沿ってバキッと折れば簡単に必要量取り出せるので便利です。また、さつまいも、じゃがいも、かぼちゃなどの芋類と混ぜてから冷凍すると、食感がわかりづらくなるのでおすすめです。
解凍する際は使う分だけ再加熱し、1週間を目安に使い切りましょう。
栄養豊富な豆腐を離乳食に取り入れよう
口当たりの良い豆腐は離乳食初期から使うことが可能。たんぱく質などの栄養が豊富で、調理がしやすいので離乳食では重宝するでしょう。アレルギーや月齢ごとの進め方には注意して、ぜひレパートリーに取り入れてみてください。
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