【管理栄養士監修】離乳食で卵はいつからあげられる?進め方やおすすめレシピも
監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

病院・特別養護老人ホーム・精神障害者生活訓練施設にて勤務。 現在はフリーの管理栄養士として活動。 コロナ禍に息子を出産し、離乳食の難しさに直面。同じように悩むお母さんの役に立ちたいとインスタグラムで発信を始めた。 現在フォロワー数7.3万人。 偏食改善アドバイザーの資格を取得し、離乳食や偏食に悩むお母さんたちに向けてカウンセリングや講座を行っている。
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卵を離乳食で使えるのはいつから?

卵を使った離乳食
卵は離乳食初期にあたる生後5〜6ヵ月頃から与えられますが、アレルギーを起こしやすい食材なので注意しながら進める必要があります。まずは卵の開始時期と、卵のアレルギーについて解説します。

離乳食初期の生後5~6ヵ月、豆腐や白身魚に慣れてから

離乳食に卵を使えるのは、離乳食初期にあたる生後5〜6ヵ月以降です。赤ちゃんがおかゆや野菜に慣れてきて、たんぱく質豊富な豆腐や白身魚などを食べられるようになったら挑戦してみましょう。
初めに与えるのは、沸騰後20分ゆでた卵の黄身のみです。卵白を与えるのは卵黄に慣れてくる生後7ヵ月頃が目安です。
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アレルギーに要注意

卵は食物アレルギーを起こしやすい食材なので、赤ちゃんに与えるときは慎重に。与える時期を遅らせることはアレルギーの予防にはなりません。アレルギーのリスクを減らすには、しっかりと段階を踏んで与えることが重要です。
とくにアレルギーを起こしやすいのが卵白です。高熱で長く加熱するとアレルギーのリスクが低くなると言われているので、必ずしっかりと加熱した卵黄から始めましょう。
また、赤ちゃんのおやつとして人気の卵ボーロもアレルギー反応が出やすいと言われています。卵ボーロの原材料で多く使われている馬鈴薯澱粉(ばれいしょでんぷん)と卵が反応し、固ゆで卵で問題のない子でもアレルギー症状を起こす可能性があります。
卵に限らず初めての食材を与えるときは、病院が開いている平日の午前中にすると安心です。皮膚の赤みや咳といったアレルギーが疑われる症状が出たら、すぐに病院を受診しましょう。

離乳食での卵の進め方

離乳食をつかむ赤ちゃんの手元
はじめはアレルギーの少ない卵黄から始め、徐々に量を増やしながら卵白も加えていきます。離乳食で卵を取り入れる際の基本的な進め方を紹介します。

生後5〜6ヵ月:固ゆでの卵黄を少しずつ

離乳食初期は、沸騰後20分ゆでた固ゆでの卵黄のみを与えます。固ゆで卵を作ったら、卵白のアレルギー成分が卵黄に移らないようすぐに手で割り、白身と黄身に分けましょう。そして黄身のみ水分でとろとろに伸ばし、ペースト状にします。お粥などに混ぜて伸ばすのもおすすめです。
卵白はまだ与えないようにし、黄身もはじめの頃はアレルギー反応が出にくいよう卵白に触れていない中央部分を使うのがポイントです。与える量は、耳かき1さじ程度のごく少量から始めましょう。量が増えてきたら卵白に近い卵黄の外側も使用して大丈夫です。

生後7〜11ヵ月:卵黄に慣れたら卵白を進める

卵黄を食べ慣れてきたら、卵白も少しずつ進めていきます。固ゆでの卵黄を半分〜1個程度食べられるようになった頃に、固ゆでの卵白を耳かき1さじ程度のごく少量混ぜて様子を見ましょう。問題なければ少しずつ卵白を増やしていきます。一気に量を増やさないよう注意してください。
この時期もまだ湯ざましなどを混ぜ、ジャムくらいのやわらかさになるまで伸ばすのが基本です。卵白は細かく刻むか、すり鉢で細かくすると食べやすくなるでしょう。
卵白を耳かき2〜3杯くらい食べさせて問題なければ、冷凍保存可能な薄焼き卵に挑戦しても大丈夫です。蓋をして弱火でしっかり火を通し、アレルゲンを少なくします。
なお1歳を過ぎるまでは、固ゆで卵と薄焼き卵以外の卵料理はアレルギーが出る可能性があるため避けた方が無難です。

1歳以降:卵料理に挑戦していく

1歳になると、固ゆで卵を全卵で半分ほど食べられるようになります。パサパサした食感が苦手な様子であれば、少しとろみをつけてあげると良いかもしれません。進みが順調であれば、ゆで卵以外のしっかり加熱した卵料理に移ります。半熟の状態はアレルギーを起こしやすいので、十分に火を通すことは忘れないようにしましょう。
3歳頃までは体が未熟のため食中毒対策として中まで火を通した卵を与える方が安心です。

【月齢別】卵を使った離乳食のおすすめレシピ

卵はさまざまな料理に加えやすい食材です。ここでは、赤ちゃんの月齢別におすすめのレシピを紹介します。進み具合には個人差があるので、赤ちゃんに合わせて取り入れてみてください。

【生後5〜6ヵ月】初めてでも食べやすい卵がゆ

赤ちゃん用のおかゆ
赤ちゃんが食べ慣れてきた10倍がゆに卵を加えた食べやすいレシピです。
<材料>
  • 10倍がゆ 小さじ5ほど(いつも食べる量くらい)
  • 卵 1個(赤ちゃんに与えるのは卵黄のみ)
  • 水 お鍋いっぱい
<レシピ>
  1. お鍋に卵と水を入れて沸騰させ、沸騰後20分ゆでて固ゆで卵を作る
  2. ゆで卵を冷水に入れて冷まし、殻をむく
  3. 卵を白身と黄身に分け、必要な量を卵黄の中心からとり裏ごしするか潰す
  4. 10倍がゆに黄身を入れ、なめらかになるまで混ぜる
おかゆに混ぜる黄身の量は、初めは耳かき1さじ程度にし、徐々に量を増やしていきます。白身が混ざらないように注意しましょう。初めは卵黄の中心部分を使っていきますが、量が増えてきたら外側も同じように使用します。

【生後7〜11ヵ月】卵入りコーンスープ

マグカップに入ったコーンスープ
なめらかな舌触りと甘みが赤ちゃんでも食べやすい卵入りコーンスープ。ある程度、固ゆで卵の白身部分を食べられるようになってきた頃に試してみましょう。
<材料>
  • コーンクリーム缶 150〜200g
  • 卵 1個(赤ちゃんに与える量は調整、全卵で1/3程度まで)
  • 牛乳もしくは育児用ミルク コーンクリーム缶と同量
  • 水溶き片栗粉 適量
<レシピ>
  1. 沸騰後20分以上ゆでた卵の殻をむき、裏ごししてなめらかにする
  2. お鍋にコーンクリームと牛乳を入れ沸騰させる
  3. お鍋に裏ごしした卵を加えて混ぜ、一煮立ちさせる
  4. 水溶き片栗粉を回し入れ、とろみをつける
牛乳もアレルギーがあるので、慎重に進めることが重要です。アレルギーチェックをする場合は赤ちゃんの1食分のスープをとりわけ、卵を入れましょう。
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【1歳以降】卵を使ったおやき

お皿に盛られた離乳食のおやき
順調に卵を食べる量が増えてきたら、ゆで卵以外の料理にも挑戦しましょう。
<材料>
  • 5倍粥〜軟飯(子どもにあったやわらかさのごはん) 80g
  • ゆでブロッコリー 小1房(約10g)
  • 粉チーズ 小さじ1/2
  • 溶き卵 1/2個分
<レシピ>
  1. ゆでブロッコリーは小さく刻む
  2. 材料をすべて混ぜ合わせる
  3. フライパンに油をひき、2を円盤型に広げて両面弱火でしっかり焼く
  4. 粗熱が取れたら食べやすい大きさにカットする
しっかりと卵に火が通っていることを確認するのがポイント。中に入れる野菜はアレンジ自由なので、子どもが苦手な野菜を入れてみるのもおすすめです。
余った場合はラップに包んでから冷凍保存用フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。冷凍保存で1週間程度が目安です。

卵を離乳食で使う際の安全な保存方法

食材が詰まった冷凍庫
少量しか食べられない赤ちゃんのご飯は余りがちですが、調理した卵は冷凍保存が可能です。卵の保存方法と解凍方法、保存に関する注意点を押さえて安全に取り入れましょう。

余った卵は冷凍する

固くゆでた卵の黄身は冷凍保存が可能です。次の調理の手間も省けるので、とくに少量しか食べられない初期の頃は便利です。
冷凍の仕方は、裏ごしした黄身が冷めてから1回分ずつ小分けし、平らになるようにラップで包んでフリーザーバッグなどに入れてから冷凍庫へ入れます。ゆで卵をそのまま冷凍すると白身の水分が抜けてパサパサになるので、黄身のみを冷凍するようにしましょう。
また、薄焼き卵などの卵料理も冷凍できます。粗熱をとってからフリーザーバッグに入れて冷凍保存し、1週間程度を目安に食べ切りましょう。千切りやみじん切りにして冷凍しておくと使いやすく便利です。保存期間が分かりやすいようにフリーザーバッグに冷凍した日をメモしておくのもおすすめです。

調理の際は食べる分だけ解凍する

解凍する際は、食べる分だけ取り出して再加熱します。冷凍する際にあらかじめ1回分ずつラップなどに小分けにし、分量を記載しておくと便利です。
加熱は電子レンジを使うと簡単です。こまめに様子を見て、ムラがなくなるよう位置を変えながら10秒ずつくらい加熱します。加熱しすぎると固くなったり焦げたりするので気を付けましょう。電子レンジでうまく解凍できなければ、お鍋やフライパンなどでじんわり温めると失敗が減ります。

安全に保存するための注意点

ゆで卵を冷凍する場合は黄身のみ、白身は水分が抜けやすいので避けましょう。解凍の際は必ず再加熱が必要です。自然解凍では菌が繁殖しやすくなります。
また、一度解凍したものは絶対に再度冷凍しないでください。味や風味が落ちるだけではなく、衛生的にも良くありません。赤ちゃんは消化器官が未発達なので、細心の注意を払って安全に食べてもらうことが第一です。

離乳食での卵は少しずつ様子を見ながら進めよう

赤ちゃんに離乳食をあげるママ
生後5〜6ヵ月頃から離乳食に取り入れられる卵ですが、アレルギーのリスクがあるので様子を見ながら少しずつ進めることが大切です。しっかりと火を通した黄身から、少量ずつ与えるのがポイント。赤ちゃんが卵に慣れてきたら、レシピの幅も広がりますよ。赤ちゃんの食べる力を育みながら、離乳食を楽しみましょう。
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