【栄養士監修】離乳食の進め方|初期〜完了期の流れや食材、Q&Aを紹介
監修者:管理栄養士 高岡 由貴

監修者:管理栄養士 高岡 由貴

保育園•医療法人•食品メーカーで管理栄養士として勤務。保育園では乳幼児向けの献立作成や調理を担当。
また食品メーカーでは食育推進事業を担当し、講師業を勤める。
現在はフリーの管理栄養士として活動し、レシピ開発•食事カウンセリング•商品開発•記事監修・執筆等を行う。
日本抗加齢医学会に所属し、日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ・薬膳アドバイザー・ローフードマイスター・ダイエット検定1級・薬事法管理者など様々な資格を保有。乳幼児から成人までを対象に幅広い層に対しての栄養指導を得意とする。

【初期】離乳食の進め方

赤ちゃんに離乳食をあげているママ
離乳食を始めるのは生後5~6ヵ月頃が目安とされています。ここでは、離乳食初期の始め方や移行のタイミングなど詳しく紹介します。

始め方とタイミング

離乳食初期は、食べ物を飲み込む練習の時期のため、赤ちゃんの機嫌が良い時に始めます。ただし、初めて与える食材の時は必ず平日の午前中にして、何かあればすぐに小児科を受診できるようにしておくと安心ですまた、赤ちゃんが発するサインも見逃さないようにしましょう。
赤ちゃんからのサイン
・首がすわり、寝返りがうてる
・支えがあれば座っていられる
・大人の食べ物に興味を持ち、手を出す
・スプーンを口に入れても嫌がらない

食材・固さ・量・回数

■食材・味付け
穀類 アレルギー性の低いおかゆから
野菜 カボチャ、カブ、ニンジン、大根など
豆腐・魚・卵 白身魚、固ゆで卵黄
調味料は使わず、大人の2~4倍に薄めただしや野菜スープを使用します。
■固さ・量
10倍がゆをすりつぶして滑らかにしたものから始め、慣れてきたらつぶし方を粗くしていきます。また、野菜や白身魚、豆腐、卵黄なども同様にすりつぶしたものから始めます。お湯やだし汁、野菜スープなどでやわらかく煮てからつぶしたものにとろみをつけてあげましょう。
10倍がゆ 1さじから
野菜・果物 1さじから
白身魚・豆腐・卵黄 1さじから
※食中毒の危険性があるのではちみつそのものや、はちみつを使ったお菓子は1歳未満のお子様には絶対に与えないでください。黒砂糖やコーンシロップ・井戸水も避けるようにしてください。
■回数
1日1回、1種類を1さじから始め、2~3日ごとに1さじ増やすペースで進めます。3~4さじ食べられるようになったら、与える食材の種類を増やしていきましょう。
■母乳とミルク
母乳は赤ちゃんが欲しがるだけ与えます。ミルクは朝・午前中の離乳食の後・午後・夕方の離乳食の後(初期の1ヵ月目は夕方の離乳食はなしでミルクのみ)・夜と計5回のタイミングで与えるのが目安です。

進め方のポイント

離乳食を始める時期だからといっても、発達には個人差があります。スプーンを口に入れた時に舌で押し出したり、食べるのを嫌がったりする時は、まだ赤ちゃんの準備ができていないサインのため、無理に始める必要はありません。
離乳食を開始してから1ヵ月を過ぎ、慣れてきたら1日2回食に進めましょう。2回目は1回目の1/3量ほどから始め、徐々に増やしていきます。
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【中期】離乳食の進め方

離乳食初期の赤ちゃん
生後7~8ヵ月には離乳食中期に入り、これまでよりも使える食材が増えます。ここからは離乳中期の進め方について紹介しますので、参考にしてください。

始め方とタイミング

赤ちゃんが2回食に馴れ、スプーンを近づけると口を開けて離乳食を食べ、飲み込めるようになります。食べられる量が増えそうで、少しだけ形のあるものが食べられそうであれば、中期へステップアップしましょう。

食材・固さ・量・回数

■食材・味付け
穀類 全がゆ、しゃがいも、さつまいも、麺類
野菜 大根、にんじん、カボチャ、カブ、トマト、ブロッコリー、ほうれん草の葉など
豆腐・肉・魚・卵 ささみ、固ゆで卵
味付けは、ごく少量の醤油や味噌、砂糖、塩、または味噌汁の上澄みなどを使い薄味にしましょう。
■固さ・量
だし汁や野菜スープでやわらかく煮て、粗く刻みつぶす・おろす・つぶすようにし、舌でつぶしてもぐもぐと食べられる固さにします。
全がゆ 50~80グラム
野菜・果物 20~30グラム
たんぱく質源は1回に下記のいずれかとします。
白身魚・肉 10~15グラム
豆腐 30~40グラム
卵黄なら1個分、全卵なら1/3個
乳製品 50~70グラム
■回数
1日2回食
■母乳やミルク
母乳は赤ちゃんが欲しがるだけ与えましょう。ミルクの場合は、朝・午前中の離乳食の後・午後・夕方の離乳食の後・夜と計5回与えます。

進め方のポイント

2回目の食事も1回目と同量になり、食品の種類も増えてきます。たんぱく質と野菜を組み合わせて、栄養バランスを考えましょう。
また、生後6ヵ月を過ぎると鉄欠乏になりやすいため、鉄を多く含む食材を取り入れたり、離乳食の材料として粉ミルクを使ったりするのがおすすめです。

【後期】離乳食の進め方

離乳食を食べる赤ちゃんと食べさせるお姉ちゃん
生後9~11ヵ月の離乳食後期には大人と同じ1日3回食となります。自分で食べたいという欲求も強くなる時期です。ここからは、離乳食後期の進め方について紹介します。

始め方とタイミング

豆腐程度の固さを舌でもぐもぐでき、1日2回食が定着したら食事のリズムを整えて1日3回食に進めましょう。また、自分で食べたがったり、触りたがったりするのも次のステップに進めるサインです。

食材・固さ・量・回数

■食材・味付け
穀類 全がゆ、軟飯、パン、うどん、イモ類
野菜・果物 食物繊維の多くない野菜や果物
豆腐・肉・魚・卵 豚や牛の赤身、レバー、青魚
他にも、すりおろした高野豆腐、塩分や脂肪分の少ないチーズなども使用できます。
酢、ケチャップ、バター、油、オリーブオイル少量、加熱したマヨネーズなどで味付けします。ただし、風味づけのために調味料はできるだけ薄く1、2滴までが好ましいでしょう。
■固さ・量
完全に火を通し、歯ぐきでつぶせるバナナ程度の固さのものを荒く刻んだり、すりおろしたりして与えます。
お粥 全がゆ90グラム
軟飯80グラム
野菜・果物 30~40グラム
たんぱく質源は1回に下記のいずれかとします。​
白身魚・肉 15グラム
豆腐 45グラム
全卵1/2個
乳製品 80グラム
■回数
1日3回食
■母乳・ミルク
母乳の場合は、赤ちゃんが欲しがるだけ与えましょう。ミルクの場合は、1日3回の離乳食の後・朝・夜の計5回与えます。ただし、ミルクから4割ほど、離乳食から6割ほどの栄養を摂るのが目安です。

進め方のポイント

自分で食べようとするため、手づかみしやすいように食材を工夫してあげましょう。また、味覚が発達してくるため、味付けを工夫してさまざまな味を経験させてあげたり、家族で一緒に食事をすることで、食の楽しさを教えてあげたりすることも必要です。
また、鉄分が不足しやすくなるため、赤身魚や肉、レバー、フォローアップミルクなどを食材に取り入れるのもおすすめです。
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【完了期】離乳食の進め方

手づかみで食べる赤ちゃん
生後12~18ヵ月には離乳食完了となり、必要な栄養を食事とおやつで摂ることができます。ここからは、離乳食完了期の進め方を紹介します。

始め方とタイミング

食事のリズムを1日3回に整えて、大人との食事を楽しむ時期。肉団子ほどの固さを、歯ぐきや歯で上手にカミカミして食べられ、手づかみやスプーン、フォークを使いたがるようになります。

食材・固さ・量・回数

■食材・味付け
穀類 軟飯、ごはん、パン、めん類
牛乳 加熱せずに飲める
味付けには、カレー粉、ソース、非加熱のマヨネーズなどが使えるようになります。
■固さ・量
歯ぐきや歯でつぶせる肉団子くらいの固さが目安です。​
穀類 軟飯90グラム~ごはん80グラム
野菜・果物 40~50グラム
たんぱく質源は1回に下記のいずれかとします。
白身魚・肉 15~20グラム
豆腐 50~55グラム
全卵1/2~1/3個
乳製品 100グラム
■回数
1日3回の離乳食に、おやつを1~2回与えます。食事で摂りきれない栄養をおやつで補いましょう。
■母乳やミルク
精神安定に必要な場合はミルクを与えても良いですが、栄養のほとんどを離乳食から摂れるようにしましょう。

進め方のポイント

果物やイモ類、乳幼児用のビスケットなどと、フォローアップミルクや麦茶を組み合わせると栄養素を補えます。1歳になると牛乳も飲めますが、鉄分やビタミンDが多く含まれるフォローアップミルクがおすすめです。
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【Q&A】離乳食の進め方

離乳食に興味のない赤ちゃん
離乳食を進めていくと、食べてくれない、アレルギーが心配、次へ進む目安など、さまざまな疑問が出てきます。ここからは、離乳食についてのさまざまな疑問を紹介していきます。

離乳食をなかなか食べてくれない

離乳食を進めていくと、食べてくれない時期があります。一時的な場合が多いため、無理強いせずに、遊び始めたらやめる、15−20分ほど様子を見て食べなければやめる、などと決めておくといいでしょう。
また、食事の時は机周りのおもちゃを片付け、テレビは消すなど、赤ちゃんの気が散らない環境を作ることも大切です。毎日同じように食事の時間に座らせて、ある程度食べたらごちそうさまで終わらせる、を繰り返します。

食物アレルギーが気になる

赤ちゃんは消化器官が未発達のため、食物アレルギーが出やすいと言われています。0歳児では、卵、牛乳、小麦が食物アレルギーの大部分の原因と言われています。1歳児では、卵、魚卵、牛乳、ピーナッツ、果物が原因であることが多いです。食物アレルギーを気にするあまり、離乳食開始を遅らせるのではなく、まずはアレルギー反応の出ないものを中心に離乳食を開始するようにしましょう。
アレルギー症状が出て受診する時は、どの食材をどのくらい食べ、どんな症状が出たのかを医師に伝えます。小児科受診の時点では消えてしまうこともあるため、口の周りが赤くなるなどの症状が出た場合は、写真に納めておくと医師に伝えやすくなります。
はちみつ・はちみつを原料に使ったお菓子などは1歳未満では食中毒の危険性があるので与えないようにしてください。黒砂糖やコーンシロップ・井戸水も避けるようにしてください。

月齢ごとのミルクの量はどのくらい?

月齢ごとにミルクの量が変わるため、迷った時はミルク缶などに記載されている月齢別調乳量表を参考にすると良いでしょう。赤ちゃんが少量しかミルクを飲まなくても、基本的に体重が増えていれば問題ないです。ただし、下痢や便秘など、お腹の調子が良くない場合は飲み過ぎ、ぐずりやすい場合はミルク不足かもしれません。

離乳食は赤ちゃんのペースに合わせて進めよう

喜んで離乳食を食べる赤ちゃん
離乳食は赤ちゃんの様子やペースに合わせて進めていくことが大切です。予定日より早く誕生した赤ちゃんの場合は修正月齢で進めていきましょう。なかなか食べてくれなかったり、離乳食作りに苦戦することもあるかもしれません。ベビーフードを活用したり、宅配を利用したりすると良いでしょう。まずは、赤ちゃんとママが離乳食を楽しめるよう焦らずに進めてくださいね。
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