
INDEX
- 離乳食中期のタイミングと進め方
- 離乳食中期に進むタイミング
- 食事は1日2回をベースに
- 食材は少しずつ増やしていく
- 離乳食中期におすすめの食材と注意すべき食材
- 穀類・イモ類
- 野菜・果物
- 魚・肉・豆腐・卵・乳製品
- 注意すべき食材
- 離乳食中期おすすめレシピと献立例
- にんじんかゆ
- マッシュかぼちゃ和え
- 離乳食中期の調理のポイント
- ミキサーやフードプロセッサーなどを活用する
- 1食分ずつ小分けして冷凍保存する
- 1週間を目安に使い切り、解凍後に必ず加熱する
- 離乳食中期の食事支援のポイント
- ベビーチェアに座らせる
- 赤ちゃんの食べるペースに合わせる
- 新しい食材は1種類ずつ午前中に与える
- 離乳食中期は、赤ちゃんの成長に合わせて進めよう

監修者:管理栄養士 高岡 由貴
離乳食中期のタイミングと進め方

はじめに、離乳食中期の食事のタイミングや進め方のポイントを紹介します。離乳食中期は、形が残っている食べ物をモグモグと食べられるようになる時期。食べられる食材の種類も増えてきます。
離乳食中期に進むタイミング
おおよそ生後7~8ヵ月頃から、離乳食中期に移行します。具体的なタイミングは、以下の目安を参考にして赤ちゃんの様子を見てみましょう。
- ペースト状のご飯を上手く飲み込めるようになった
- スプーンを口に近づけても嫌がらず、自分で口を開けるようになった
- 初期に比べて食べる量が増え、1日2回の食事に慣れてきた
中期に移行したら、少し形が残っている食べ物を、舌を動かしてモグモグ食べられるようにしていくのが目標です。ご飯を用意するときは、豆腐ぐらいの固さになるよう意識してみてください。
食事は1日2回をベースに
食事は基本1日2回、午前と午後のある程度決まった時間に与えます。1回目と2回目で同じくらいの量を用意しましょう。
なお母乳や育児用ミルクは、離乳食の後もしくは授乳のリズムに沿って与えましょう。母乳は赤ちゃんの欲するままに、ミルクは1日に3回程度が目安です。
食材は少しずつ増やしていく
1回の食事に、炭水化物・たんぱく質・野菜類から1~2種類入れ、慣れたら徐々に食材の種類を増やしていきます。取り入れたい食材の1食の目安量を紹介しますが、離乳食の進み具合には個人差があるので焦らずに。特に初めての食材は、1日1回1さじずつ様子を見ながら与えましょう。
- 炭水化物:前半は7倍がゆ50グラム、後半は5倍がゆ(全がゆ)80グラム
- ビタミン・ミネラル:野菜、果物類合わせて20~30グラム
- たんぱく質:魚、肉なら10~15グラム、豆腐なら30~40グラム
離乳食中期におすすめの食材と注意すべき食材

続いては、離乳食中期におすすめの食材と調理法、赤ちゃんには注意が必要な食材を紹介します。
穀類・イモ類
始めに取り入れたいのは、主食となる炭水化物を含む食材です。
おすすめの食材 | 主な調理法 |
---|---|
米 | 米1:水7の7倍かゆから始め、慣れてきたら米1:水5の全がゆに |
パン | 小さくちぎり、育児用ミルク・スープなどで煮てパンかゆに |
じゃがいも・さつまいも | 皮をしっかりと剥いて、蒸したり煮たりしたものを粗くつぶし、スープなどでとろみをつける |
めん類 | やわらかくゆで米粒大に刻む |
野菜・果物
ビタミンや食物繊維を多く含む食材も欠かせません。
おすすめの食材 | 主な調理法 |
---|---|
大根・にんじん・かぼちゃ・たまねぎ・かぶ・トマト・ブロッコリー | よく煮て刻む、もしくは粗つぶしする |
ほうれん草の葉先・キャベツ・白菜 | やわらかく煮て細かく刻む |
りんご・バナナ | つぶす、おろす、小さく刻む |
わかめ | やわらかく煮て細かく刻む |
魚・肉・豆腐・卵・乳製品
たんぱく質を多く含む食材も、バランス良く取り入れましょう。
おすすめの食材 | 主な調理法 |
---|---|
白身魚(たい・ヒラメ・カレイ)、赤身魚(まぐろ・かつお) | ゆでたものをほぐす ※白身魚に慣れてから、赤身魚を与えるように |
ささみ肉 | ゆでて凍らせ、身をすりおろしてから加熱調理するとなめらかに |
納豆・豆腐 | 加熱後、つぶすもしくは刻む |
卵 | 固ゆでの卵黄に慣れたら、完全に火を通した全卵を与える |
ヨーグルト | プレーンタイプ(無糖)のものを、野菜・果物などと混ぜる |
注意すべき食材
①はちみつ・はちみつ製品
はちみつにはボツリヌス菌が含まれ、腸内環境が整っていない赤ちゃんが食べると、乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があります。はちみつはもちろんのこと、はちみつの入っているお菓子なども避けてください。1歳未満の子には厳禁です。
②卵・小麦・乳製品
アレルギーを引き起こすと重症化しやすいのが、卵・小麦・乳製品です。
卵のアレルギー物質は卵白に多いので、まずは卵黄の中心から与えて様子見を。パンやうどんの原料である小麦は、味付けに利用するホワイトソースなどにも使われているので注意です。小麦を初めて与えるときは、パンがゆ1口から始めましょう。そして牛乳は、調理に使うのは離乳食後期から、飲み物としては1歳を過ぎてからが望ましいです。ヨーグルトやチーズも乳製品なので、与えるのは少しずつにすると安心です。
離乳食中期おすすめレシピと献立例
それでは離乳食中期におすすめのレシピと献立例を紹介します。離乳食中期では午前と午後で違うメニューを用意して、徐々に食べられる食材を増やしていきましょう。
にんじんかゆ

おかゆにゆで野菜や白身魚やツナを加えるだけで、手軽に栄養を摂取できます。
【にんじんかゆのレシピ】
<材料>
- にんじん(ゆでてつぶしたもの) 小さじ1~2
- 米 1/4カップ
- 水 1と1/4カップ(5倍かゆ)~1と3/4カップ(7倍かゆ)
- 昆布 2グラム
<作り方>
- 米と昆布を鍋に入れて水を注ぎ、30分~1時間おいて吸収させる
- 昆布をとりだし、ふたをして強火で煮る
- 沸騰したら火を弱め、吹きこぼれないようにしながら40分ほど煮る
- 火を止めてふたをし、10分ほど蒸らす
- つぶしたにんじんを入れて混ぜる
<献立例>
にんじんかゆに、煮リンゴを添えて
にんじんかゆに、煮リンゴを添えて
マッシュかぼちゃ和え

材料に肉を加えると、レパートリーが広がります。
【マッシュかぼちゃ和えのレシピ】
<材料>
- 豚肉赤身 10グラム
- カツオだし(または昆布だし) 大さじ1
- 片栗粉 1グラム
- かぼちゃ(柔らかくゆでたもの) 20グラム
<作り方>
- ゆでた豚肉を細かく切ってすりつぶし、ペースト状にする
- だしと片栗粉を混ぜ合わせ、電子レンジ500wで40秒加熱
- 一度レンジから取り出してよく混ぜ、さらに10秒加熱
- かぼちゃをつぶして電子レンジ500wで40秒加熱
- 豚肉を加え、片栗粉を混ぜただしをかける
<献立例>
全がゆのおかずにマッシュかぼちゃ和えを
全がゆのおかずにマッシュかぼちゃ和えを
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離乳食中期の調理のポイント

ここでは手軽で時短にもなる調理と保存のポイントを紹介します。食材が増えてくる離乳食中期の調理には、器具を活用したり、冷凍保存でストックを作ったりするのがおすすめです。
ミキサーやフードプロセッサーなどを活用する
離乳食中期では使う食材が増え、下ごしらえや後片付けの手間も増えます。調理が手軽に、時短にもつながる道具を活用するのがおすすめ。例えば、食材をすりつぶすにはミキサー、みじん切りするにはフードプロセッサーやチョッパーなどが活躍します。
1食分ずつ小分けして冷凍保存する
ご飯やパン・麺類は、多めに切る・ゆでるなどの下ごしらえをし、1食分ずつ小分けに冷凍しておくと便利です。解凍する時に上に乗せる具材を変えるだけで、献立に変化がつけられます。おかずもまとめて作って冷凍保存しておけば、忙しい日も手軽に用意できるでしょう。小分けには、製氷皿やフリーザーバッグ、お弁当用カップなどが役立ちます。
1週間を目安に使い切り、解凍後に必ず加熱する
赤ちゃんは消化機能が未熟なので、冷凍保存した食材は1週間を目安に使い切りましょう。また解凍後は必ず加熱します。自然解凍では、雑菌が繁殖してしまうおそれがあるので注意しましょう。冷凍する際にレンジ対応の保存容器に入れると、そのままレンジで加熱解凍できて便利です。
離乳食中期の食事支援のポイント

離乳食中期の食事支援のポイントは、赤ちゃんが食べやすい位置にスプーンを運び、ゆっくり1口ずつ与えること。それぞれのポイントを紹介するので、食事の際に意識してみてください。
ベビーチェアに座らせる
赤ちゃんが1人でお座りできるようになったら、ベビーチェアを使うと食べさせやすいです。座らせる時は、足が床やベビーチェアの補助板につくようにするのがポイント。姿勢が安定すると、あごや舌に力が入りやすくなり、赤ちゃんも食べやすくなります。
赤ちゃんの食べるペースに合わせる
食べさせる時は、まずスプーンの先に食べ物をすくい、赤ちゃんの下唇にスプーンを乗せます。そして赤ちゃんが上唇で食べ物を口の中に取り込んだら、水平に優しくスプーンを引き抜きます。この時、スプーンを口の奥まで入れないようにするのが注意点。奥までスプーンを入れると、むせるなどの原因となり危険です。
次の1口は、赤ちゃんがモグモグし終わり口の中が空になるまで待ちましょう。
新しい食材は1種類ずつ午前中に与える
初めて与える食材を、1回につき1種類ずつにしておくと、仮に体調を崩した際にどの食材が原因だったかの判断しやすくなります。さらに平日の午前中であれば、異変があってもすぐに医療機関を受診できるので安心です。もし食後に発疹や吐き気など、いつもと違う様子が見られたら必ず医師に相談してください。
離乳食中期は、赤ちゃんの成長に合わせて進めよう

モグモグ期と呼ばれる離乳食中期は、赤ちゃんが上あごに食べ物を押し当ててモグモグできるようになる時期です。食べられる食材の種類や量も増えてきますが、進むペースには個人差があります。焦らず赤ちゃんのペースに合わせてゆったりと進めましょう。
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また食品メーカーでは食育推進事業を担当し、講師業を勤める。
現在はフリーの管理栄養士として活動し、レシピ開発•食事カウンセリング•商品開発•記事監修・執筆等を行う。
日本抗加齢医学会に所属し、日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ・薬膳アドバイザー・ローフードマイスター・ダイエット検定1級・薬事法管理者など様々な資格を保有。乳幼児から成人までを対象に幅広い層に対しての栄養指導を得意とする。