【医師監修】つわりはいつからいつまで?症状と対処法を紹介
監修:今村亜紗子先生

監修:今村亜紗子先生

帝京大学医学部卒業後、長崎大学産婦人科学教室入局。
長崎大学病院や佐世保市立佐世保総合病院、いまむらウィミンズクリニックなどでの研修、勤務を経て、2022.5月に乳腺外科の姉とT・Iクリニック長崎を開院。
日本産婦人科学会認定 産婦人科専門医、マンモグラフィ読影認定医。

辛いつわりの症状が始まる時期と主な原因

お腹にハートのクッションを持つ女性
つわりには、妊娠中の多くの女性が悩まされますが、個人差があり、いつまで続くか分からずに不安に思うかもしれません。初めに、平均的なつわりの時期と原因を説明します。

つわりは妊娠5~6週から始まるのが一般的

多くの場合、妊娠5~6週からつわりが始まります。つわりの症状や期間は個人差があり、妊娠4週から始まる人もいれば、つわりを経験しない人もいます。ほとんどは妊娠20週ころには自然におさまりますが、体質によっては症状が長引く人や妊娠後期になってつわりが起こる人も。

つわりの原因はホルモンや代謝の急激な変化

つわりは、妊娠によるホルモンや代謝の急激な変化に、体が適応できずに起こるといわれています。特に、妊娠により分泌される hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)がプロゲステロン(黄体ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)の増加を促し、吐き気・嘔吐などのつわりの症状を誘う原因になっているようです。
また、妊娠中にビタミン不足になると、代謝障害や血糖値の変化によって、イライラなどの症状が起こる場合もあります。

主なつわりの症状とは?

臭いで気分が悪くなる女性
つわりは個人差が大きく、いきなり吐き気をもよおす人もいれば、ほとんど症状が出ずに軽く済む人もいます。ここからは、主なつわりの症状について紹介します。

吐き気や食欲不振

つわりの代表的な症状の一つにあげられるのが吐き気です。吐き気の主な症状には以下のようなものがあげられます。
・食べると吐き気がする
・空腹だと吐き気がするが、食べると吐く
・食べ物を口にしてないと吐き気がする(食べつわり)
食べ物の好みが変わって、食欲を無くすこともあります。症状が重くなると、水を飲んでも吐いてしまう場合もあるので、脱水症状には十分に注意してください。
つわりがひどく、食事や水分を捕れなくなると脱水症状や栄養代謝障害、体重減少などを引き起こしてしまう恐れもあります。このような状態を「妊娠悪阻」(にんしんおそ)といい、悪化すると命にかかわります。つわりがひどい場合は早めに病院に相談してください。

匂いに敏感になる

以前は気にならなかった匂いに敏感になり、不快に感じるのもつわりの症状の一つです。ご飯の炊ける匂いや、それまで良い香りと思っていたシャンプーや香料なども不快に感じることもあるようです。これは妊娠したことで、自律神経が不安定な状態になることと関係があるといわれます。

眠気やイライラ・頭痛

日中でも常に眠気がある、ささいなことにイライラする、頭が痛いなども、つわりの症状です。ホルモンのバランスが原因であることを理解して、無理をしないようにしましょう。

つわりの症状を悪化させない方法

栄養バランスの良い食品
つわりの症状や重さはには個人差がありますが、適度な運動やバランスの良い食事を心がけて悪化させないようにしましょう。

適度に運動する

散歩やストレッチといった軽い運動は自律神経を整えるのに効果的です。妊娠中の激しい運動は禁物ですが、適度な運動で筋肉の緊張をほぐすことで、つわりの症状を軽減し、むくみ対策にもなります。また深呼吸も、副交感神経を活性化させてリラックス効果が期待できるのでおすすめです。

バランスの良い食事を心がける

栄養バランスが乱れると、つわり症状を悪化させる可能性があります。ビタミンやミネラルが不足すると、ホルモンバランスが乱れやすくするため気を付けましょう。またビタミンB6が不足するとアミノ酸の代謝がうまく行われず、吐き気などの症状につながると考えられています。
症状が軽い場合は、できるだけバランスのとれた食事を心がけましょう。また、症状が重い場合は、脱水症状にならないように水分補給をしながら、食べられるものを食べるようにしてください。

ストレスをためない

ストレスは自律神経を乱すため、つわりを悪化させる要因となることもあります。妊娠による初めての経験や環境の変化で、戸惑いや不安がストレスとなることもあるでしょう。1人で抱え込まずに、パートナーや家族へ協力を求めるのもつわりを悪化させない方法の一つです。
好きな音楽を聴いたり、買い物へ行ったりなど、ストレスを軽減させる環境を作ることも大切です。時には家事も頑張りすぎず、宅配サービスなどに頼ってみるのもおすすめです。
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つわりの症状を軽減させる方法①ツボやアロマを使用

ディフューザーとアロマオイル
多くの妊婦さんが避けて通れないつわりですが、少しでも楽に過ごしたいものです。ここでは、つわりの症状を軽減させる方法について紹介します。簡単な方法なので、つわりが辛い時に試してみてくださいね。

つわりに効くツボを押す

つわりはホルモンバランスや自律神経の乱れが関係しているため、ツボ押しでこれらを整える効果が期待できます。
■内関(ないかん):消化器や精神面に作用するため、胃の不快感やイライラに効果が期待できます。
- 手のひらを上に向け、手首から指3本分下の中央にあるツボ - 親指で強めに押す
■裏内庭(うらないてい):胃腸系の不調に作用するため、腹痛や吐き気に効果的です。吐きつわりや食べつわりにおすすめ。
- 足の裏の人差し指の下で膨らんでいる部分 - 親指で軽く押す

アロマオイルを使う

アロマオイルには、ストレスを軽減したり、つわりの症状をやわらげたりする効果が期待できます。部屋に香りを漂わせたり、マッサージオイルにとして使用したりすると良いでしょう。
■つわりにおすすめのアロマ
- ミント:胃腸の働きを助ける
- ジンジャー:吐き気を緩和
- グループフルーツやマンダリン:リラックス効果
ただしアロマオイルの中にはアレルギーや通経作用、子宮収縮を促すものもあります。事前に妊娠中でも使用可能かを必ず確認してください。

つわりの症状を軽減させる方法②症状別の食べ方

ナッツをつまむ女性
最後に食べ物や食べ方を工夫して、つわりの症状を軽くする方法を説明します。つわりの症状別に解説しますので、症状に合わせて取り入れてみてくださいね。

吐きつわり

食べたら吐き気が起こる吐きつわりの場合は、無理せず食べられるものを選んで少しずつ食べるのが大切。吐き気があるので食べたくないと思うかもしれませんが、空腹状態はさらに吐き気が強くなります。胃に負担をかけないよう、一度の食事の量を控えめにします。嘔吐が続くと脱水症状を起こしやすいため、水分を多く含む果物やスポーツドリンクを活用しましょう。

食べつわり

何か口に入れていないと吐き気が起きる食べつわりの場合は、食べすぎに注意します。食べ過ぎは胃に負担をかけ、つわりを悪化させます。一度に食べる量を少なくし、回数を増やすのがおすすめです。ご飯やパン、菓子は血糖値を上昇させ、早く空腹を感じるようになるため、バランスの良い食事をとるようにします。

匂いつわり

匂いつわりには、食べ物の匂いが気になる場合と、周りの環境の匂いが気になる場合があります。食べ物の匂いが気になる場合は、食べ物を冷やしてみましょう。温かい食べ物を冷やせば、匂いを減らせ、食べやすくなることもあります。
周囲の匂いが気になる場合は家族の協力を得て、匂いを遠ざけるようにしましょう。家庭内で不快に感じやすい匂いは、タバコ、生ゴミ、洗剤、化粧品の香料など。生ゴミは放置せずにすぐに処理する、妊娠期間中は洗剤や化粧品を無香料の製品に替える、家族に喫煙家がいる場合は家の中で吸わないようにお願いするなどで、不快な匂いの軽減に繋がるかもしれません。

つわりの症状に合った対策をして辛い時期を乗り切ろう

部屋でくつろぐ妊婦
妊娠してつわりにならない手段はありませんが、苦しいつわりの症状は少しでも軽くしたいもの。つわりはおなかの赤ちゃんが育っている証拠でもあります。赤ちゃんに会う日を心待ちにしながら、つわりの症状に合わせて食事や生活環境を工夫し、大変な時期を乗り切りましょう。
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