
INDEX
- つわり(悪阻)はいつからいつまで続く?
- つわりは妊娠5〜16週頃まで続くのが一般的
- つわり症状が起こる原因
- 先輩ママのつわり体験談
- 主なつわりの症状とは?
- 吐き気が止まらない
- 匂いに敏感になる
- どれだけ寝ても眠い
- よだれが出つづける
- 頭痛・イライラを感じやすくなる
- つわりの症状を悪化させない方法
- 適度に運動する
- バランスの良い食事を心がける
- ストレスをためない
- 【症状別】いつまでも辛いつわりを軽減させる対策
- 吐きつわり:食べられるものを少しずつ食べる
- 食べつわり:食べ過ぎや食べるものに注意する
- 匂いつわり:なるべく不快な匂いを取り除く
- 眠りつわり:短時間でも無理せず休む
- よだれつわり:唾液を抑えられる対策をする
- いつまで続くかわからないつわりに関する疑問
- つわりで食べられない場合の胎児への影響は?
- 1日の中でつわりのピークはいつ?
- 重篤なつわり(妊娠悪阻)になると危険?
- つわりになりやすい人の特徴は?
- 妊娠初期に、つわり以外で注意すべきことは?
- つわりの症状に合った対策をして辛い時期を乗り切ろう

監修:今村亜紗子先生
つわり(悪阻)はいつからいつまで続く?

妊娠の早い段階から感じる人が多いつわりですが、遅くても16週までには症状が治る人が多いようです。まずは一般的なつわりの時期や原因、先輩ママの体験談を紹介します。
つわりは妊娠5〜16週頃まで続くのが一般的
つわりの期間は早ければ妊娠5週頃に始まり、遅くても16週頃までには終わるのが一般的です。平均的なピークの時期は8〜11週頃となっています。しかしなかには全く症状が現れない人や、妊娠後期に入っても治らない人もいて個人差があるので、あくまで目安として覚えておきましょう。
つわり症状が起こる原因
妊娠によるホルモンや代謝の急激な変化に体が適応できず、つわりが起こるといわれています。
特に、妊娠により分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
特に、妊娠により分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
他にも、ビタミン不足によって起こる代謝障害や血糖値の変化、心理的ストレスが影響している可能性もあるとされます。
先輩ママのつわり体験談
不調をほとんど感じなかったという人もいれば、動けないほど辛かったという人もいるつわり。先輩ママはどんな症状を感じたのか、体験談を紹介します。
<先輩ママの体験談>
- 吐き気が治らず、通勤で長時間電車に乗っているのが辛かった
- 吐き気が治ったと思ったら、今度は食欲が止まらなくなった
- 柔軟剤や香水などの人工的な匂いを嗅ぐと気持ち悪くなった
- 寝ても寝ても眠かった など
主なつわりの症状とは?

つわりの症状は人によって異なりますが、代表的なものとしてはひどい吐き気がする、匂いに敏感になる、眠気が続くなどがあります。具体的な症状をチェックし、対策に役立てましょう。
吐き気が止まらない
吐き気はつわりの代表的な症状の一つ。食べるとすぐに吐いてしまうタイプを一般的に「吐きつわり」、逆に常に食べ物を口にしていないと気持ち悪くなるタイプを「食べつわり」と呼びます。
食べ物の好みが変わって食欲を無くすこともあります。症状が重くなると水を飲んでも吐いてしまう場合もあるので、脱水症状には十分に注意しましょう。
また、つわりがひどく食事や水分を摂れなくなると脱水症状や栄養代謝障害、体重減少などを引き起こす恐れもあります。このような状態を「妊娠悪阻」(にんしんおそ)といい、悪化すると命にかかわります。つわりがひどい場合は早めに病院に相談してください。
匂いに敏感になる
以前は気にならなかった匂いに敏感になり、不快に感じる「匂いつわり」。妊娠初期(妊娠4〜12週)に感じる人が多く、ご飯の炊ける匂いや、それまで良い香りと思っていたシャンプーや香料なども不快に感じることがあるようです。これは妊娠したことで、自律神経が不安定な状態になることと関係があるといわれます。

どれだけ寝ても眠い
妊娠初期〜中期(妊娠13〜26週)に多いのが「眠りつわり」です。夜にしっかりと寝ても常に眠気を感じるケースが多く、妊娠によるプロゲステロンというホルモンの増加が原因といわれています。ずっと体がだるくて何もやる気が起きないという人もいます。
よだれが出つづける
たくさんのよだれが出る、延々と出てとまらないといった症状が現れる「よだれつわり」。妊娠初期にエストロゲンとプロゲステロンが増加し、ホルモンが唾液腺を刺激することが原因とされます。口内に不快さを感じ、吐き気を悪化させる原因にもなります。
頭痛・イライラを感じやすくなる

つわり特有の症状以外にも、ホルモンバランスの変化によって生じる頭痛もあります。特にもともと偏頭痛があった人は感じやすいようです。
その他、ホルモンの変化によって情緒不安定に陥り、いつもよりイライラしやすくなる人もいます。なるべく家族や周りのサポートを受け、心も体もしっかりと休めることが大切です。
つわりの症状を悪化させない方法
つわりの症状や重さには個人差がありますが、体調が良い日には適度な運動やバランスの良い食事を心がけて悪化させないようにしましょう。
適度に運動する
散歩やストレッチといった軽い運動は自律神経を整えるのに効果的です。妊娠中の激しい運動は禁物ですが、適度な運動で筋肉の緊張をほぐすことで、つわりの症状を軽減し、むくみ対策にもなります。また深呼吸も、副交感神経を活性化させてリラックス効果が期待できるのでおすすめです。
バランスの良い食事を心がける

栄養バランスが乱れビタミンやミネラルが不足すると、つわり症状を悪化させる可能性があります。特にビタミンB6が不足するとアミノ酸の代謝がうまく行われず、吐き気などの症状につながると考えられています。
症状が軽い場合は、できるだけバランスのとれた食事を心がけましょう。また、症状が重い場合は、脱水症状にならないように水分補給をしながら、食べられるものを食べるようにしてください。
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ストレスをためない
ストレスは自律神経を乱すため、つわりを悪化させる要因となることもあります。妊娠による初めての経験や環境の変化で、戸惑いや不安がストレスになることもあるでしょう。1人で抱え込まずに、パートナーや家族へ協力を求めるのもつわりを悪化させない方法の一つです。
好きな音楽を聴いたり、買い物へ行ったりなど、ストレスを軽減させる環境を作ることも大切です。時には家事も頑張り過ぎず、宅配サービスなどに頼ってみるのもおすすめです。
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【症状別】いつまでも辛いつわりを軽減させる対策
ここでは、症状別につわりを軽減させるための対策を紹介します。無理のない範囲で取り入れてみてください。
吐きつわり:食べられるものを少しずつ食べる

食べたら吐き気が起こる吐きつわりの場合は、無理せず食べられるものを選んで少しずつ食べるのが大切。吐き気があるので食べたくないと思うかもしれませんが、空腹状態はさらに吐き気が強くなります。アイスや氷などでも良いので、食べられるものを少量ずつ口にしましょう。吐き気が強い時は、体の左側を下にして横になるか、体を起こした姿勢で休むのがおすすめです。
また、嘔吐が続くと脱水症状を起こしやすいため、水分を多く含む果物やスポーツドリンクを活用しましょう。
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食べつわり:食べ過ぎや食べるものに注意する
何か口に入れていないと吐き気が起きる食べつわりの場合は、食べ過ぎに注意しましょう。食べ過ぎは胃に負担をかけ、つわりを悪化させます。食べ過ぎを抑えるには、一度に食べる量を少なくし、回数を増やすと良いでしょう。ご飯やパン、菓子は血糖値を上昇させ、早く空腹を感じるようになるためなるべく控え、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
寝ている時に気持ち悪くなるようであれば、枕元にビスケットなどすぐにつまめるものを置いておくのがおすすめです。
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匂いつわり:なるべく不快な匂いを取り除く
匂いつわりには、食べ物の匂いが気になる場合と、周りの環境の匂いが気になる場合があります。食べ物の匂いが気になる場合は、食べ物を冷やしてみましょう。温かい食べ物を冷やすと、匂いを感じにくくなります。
周囲の匂いが気になる場合は、家族の協力を得て匂いを遠ざけるようにしましょう。家庭内で不快に感じやすい匂いは、タバコ、生ゴミ、洗剤、化粧品の香料など。生ゴミは放置せずにすぐに処理する、洗剤や化粧品を無香料の製品に替える、家族に室内での喫煙は控えてもらうなどの意識が、不快な匂いの軽減につながるかもしれません。
眠りつわり:短時間でも無理せず休む

自律神経の乱れなどが影響する眠りつわりは、無理せず休むのが第一。日中ずっと眠っているのは難しいかもしれませんが、短時間でも昼寝の時間を取ると良いでしょう。また夜に十分に体を休められるように、寝室環境を見直すのも効果的です。
よだれつわり:唾液を抑えられる対策をする
よだれが気になる場合は、定期的に口をすすいだり、ガムを噛んだりして唾液の量をコントロールしましょう。水分を少しずつこまめに摂るのも良いとされます。
外出する際は、大きめのタオルや空のペットボトルを持ち歩く、寝る時はすぐに吐き出せるよう枕元に洗面器を置いておくと安心です。
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いつまで続くかわからないつわりに関する疑問

最後に、つわりに関するさまざまな疑問について解説します。不安を解消して心からリラックスできるよう、チェックしておきましょう。
つわりで食べられない場合の胎児への影響は?
つわりでご飯をしっかりと食べられない日が続いても、胎児の発育へは影響しません。つわりが終わる人が多い妊娠16週頃の胎盤ができるまで、赤ちゃんは胎盤を通してではなく卵黄嚢(らんおうのう)から栄養を補っています。卵黄嚢は妊娠4週頃にでき、赤ちゃんに栄養を送る働きをします。
1日の中でつわりのピークはいつ?
人によっては、1日の中で波があります。傾向としては朝に症状がひどくなる人が多いようです。とはいえ個人差があるので、昼や夜にピークが来る人もいれば、1日中辛いという人もいます。
重篤なつわり(妊娠悪阻)になると危険?
日常生活に支障をきたす重篤なつわりには「妊娠悪阻」という病名がつき、点滴治療や入院が必要となるケースがあります。死に至るまでの例はほとんどないので心配し過ぎる必要はありませんが、下記のような症状が見られる場合は、早めの受診がおすすめです。
<妊娠悪阻が疑われる症状>
- 吐き気がひどく、水も飲めない状況が何日も続く
- 数日間で体重が5%以上減った
- トイレの回数・量が減った
つわりになりやすい人の特徴は?
つわりの確かな原因は解明されていないものの、下記のような人はつわり症状が現れやすいと考えられています。
- ホルモンや体調の変化に敏感な人
- 精神的なストレスが大きい人
とはいえこういった人が必ずしもつわりになるわけではなく、逆に特徴に当てはまらなくてもつわりになる人はいます。
妊娠初期に、つわり以外で注意すべきことは?
妊娠初期にはできる限り周囲の人の助けを借り、なるべく体に負担がかかることは避けましょう。薬を服用している人は、妊娠がわかった時点で主治医に相談しておく必要があります。
また胎盤が形成される過程で、妊娠初期には少量の出血がありますが、生理2日目を超える出血がある場合、腹痛を伴う場合は、流産の可能性もあるため必ず医療機関を受診してください。
つわりの症状に合った対策をして辛い時期を乗り切ろう

多くの妊婦が悩まされる苦しいつわりの症状は、少しでも軽くしたいもの。しかしつわりは辛いだけではなく、おなかの赤ちゃんが育っている証拠でもあります。赤ちゃんに会う日を心待ちにしながら、つわりの症状に合わせて食事や生活環境を工夫し、大変な時期を乗り切りましょう。
宮城・福島のコープ宅配はこちら
長崎大学病院や佐世保市立佐世保総合病院、いまむらウィミンズクリニックなどでの研修、勤務を経て、2022.5月に乳腺外科の姉とT・Iクリニック長崎を開院。
日本産婦人科学会認定 産婦人科専門医、マンモグラフィ読影認定医。