【産婦人科医監修】よだれつわりはいつまで続く?原因やつらさを和らげる対策を解説

馬場 敦志先生(宮の沢スマイルレディースクリニック院長)
2012年、筑波大学医学群医学類卒業 。
その後、北海道内の基幹病院に勤務。
2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院し現職。
日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。

※本記事に関する医師への問い合わせはお控えください

唾液が飲み込めない!よだれつわりとは?

つわりがつらい女性
吐き気やおう吐など、妊婦さんの多くが経験するつわり。その中でも唾液が飲み込めない、とめどなく唾液が出てくる症状のつわりがよだれつわりです。

唾液を不快に感じるよだれつわり

よだれつわりは、妊娠によっておこる唾液に関わるつわりのこと。唾液がとめどなく出る、唾液がまずく感じて飲み込めない、唾液を飲み込むと咳き込む、吐き気を催すなどの症状があります。

よだれつわり以外にもあるつわりの種類

妊娠によっておこるつわりには種類があります。人によって症状や重症度、対処法は異なるため、自分に合った対処法を見つけることが大切です。つわりの種類には以下のようなタイプがあります。
<つわりの種類>
■吐きつわり
つわりの代表的な症状。食べると吐き気がする。食べられるものを食べ、水分補給を忘れずにすることが大切。
■食べづわり
空腹になると吐き気がする。空腹の時間を減らすことが重要なので食事を小分けにして回数を増やすのがおすすめ。ただしカロリーオーバーに注意。
■眠りつわり
強い眠気が続いたり、だるくて何もやる気が起きなかったりする。ゆっくり休養するのが一番良い。
■においつわり
特定のにおいに敏感になったり、気分が悪くなったりする。マスクをする、食べ物を冷やすと臭いが軽減する。

よだれつわりがおこる原因と時期

ソファに座ってつわりに耐える女性
妊娠中のつわりの種類や時期は個人差があります。妊婦さんにとって、いつからつわりが始まるのかは気になるところ。唾液によって不快感や吐き気が生じるよだれつわりについて、原因と時期を紹介します。

よだれつわりの原因

よだれつわりを含むつわりは、明確な原因が未だ解明されていません。妊娠によって女性ホルモンや代謝が急激に変化することが関係していると考えられています。よだれつわりの際は、妊娠による胃腸の働きの低下で、唾液が多く分泌。唾液が増えるだけではなく、飲み込めないためにさらに唾液が増えたように感じます。

よだれつわりがおこる時期

よだれつわりを含め、一般的なつわりの時期は妊娠5週目頃から始まり、妊娠8~10週目頃がピークとなります。妊娠16週目頃には落ち着く場合が多いですが、出産まで続く人や全く経験しない人など、個人差が大きいのもつわりの特徴です。

よだれつわりの症状を和らげる対策

お茶を飲みながらリラックスする妊婦
つわり対策に、絶対楽になる方法はありません。また、人によって症状や程度は異なるため、自分に合う対策を探す必要があります。ここからは、よだれつわりを軽減するのに役立つ主な対策を紹介します。いろいろな対策を試して、自分にとって楽になる方法を見つけましょう。

よだれをこまめに吐き出す

ティッシュで拭く、外出時はペットボトルに吐き出すなどをして、唾液をためずにこまめに吐き出しましょう。ペットボトルにカバーをすれば、外から見えないので気になりません。唾液で不快な症状がでるため、とにかく口の中にためないことが重要です。

少量の水を頻繁に飲む

少量の水を口に含むことでよだれをごまかし、口の中をすっきりさせましょう。症状が悪化すると、唾液を飲み込むことでおう吐してしまう場合もあります。脱水症状にならないよう、こまめに水部補給をしてください。

歯を磨く

歯磨きやマウスウォッシュなどの洗浄で口の中の不快感が和らぎます。ソフトミントやグレープフルーツなど、歯磨き粉の味を変えてみるのもおすすめ。こまめな口内洗浄で口の中をすっきりさせましょう。

食事の量や味を工夫する

食事の量を減らして小分けに食べることで、唾液の量を抑えられます。食事の量が多いと、唾液の量も多くなります。なお味付けを濃くすると唾液の不快感を軽減できますが、塩分のとり過ぎには注意しましょう。

ガムやアメを口に入れる

アメやガムを口に入れると、唾液の不快感を軽減できます。また、ガムを嚙むことで、唾液の分泌をコントロールできます。

炭酸飲料やアイスなどで口をさっぱりさせる

炭酸水やアイスは口の中がさっぱりします。さらに、炭酸水の爽快感がつわりの症状を和らげてくれるでしょう。食事がとれない時でも水分補給は必要です。ただし、甘い炭酸飲料は糖分が多いため注意してください。

よだれつわりにまつわるQ&A

エコー写真を見ながら赤ちゃん用品を準備する夫婦
よだれつわりの場合、外出時や睡眠時などに困る人もいるかもしれません。またよだれつわりによって、口内環境や胃腸器官なども悪くなるため、気をつけるべきことがあります。最後によだれつわりに関わる疑問について解説します。

外出時や就寝時はどうしたら良い?

唾液を飲み込まないように、外出時には空のペットボトルを持ち歩く、就寝時には洗面器やティッシュを側に置いておくなど対策しましょう。寝る前にレモン水を飲んで口の中をさっぱりさせるのもおすすめです。
抱き枕を使い右側を下にして横向きに寝る、ヒーリング音楽や香りの良いもので部屋を満たすなど、心地良く眠れる環境づくりも大切です。

よだれつわりで気をつけたいことは?

妊娠中はつわりがひどく、しっかり歯磨きできない場合もあるため、歯肉炎や虫歯になりやすい状態です。歯ブラシを小さく動かす、体調の良い時に磨くなどの工夫をしましょう。歯磨きが難しい場合は、1日に数回マウスウォッシュを使い丁寧にしっかりすすぐのもおすすめです。

よだれつわりで性別がわかる?

赤ちゃんの性別に関する言い伝えは多くありますが、よだれつわりだからといって性別はわかりません。赤ちゃんの性別を決めるのは性染色体で、受精の瞬間に決まります。つわりが重いと女の子、胎動が激しいと男の子などの言い伝えに根拠はないそうです。
現在では、エコー検査で性別判断ができますが、生まれるまで性別がわからなかった時代に、子どもの性別を想像してさまざまな言い伝えが生まれたのではないでしょうか。

自分に合った対策を見つけてよだれつわりを乗り切ろう

穏やかな笑顔で座る妊婦
よだれによって不快な症状を起こすよだれつわり。症状や程度に個人差はありますが、妊娠をすると多くの女性がつわりに悩まされます。つわりに効果的な対策はなく、自分に合った対策を見つけるしかありません。今回紹介した対策を参考に、少しでも症状が軽くなるように工夫しながら乗り切りましょう。
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