【産婦人科医監修】妊娠中期はいつから?身体の変化と注意点、過ごし方のポイント
監修:EASE女性のクリニック 院長 丸山真理子先生

監修:EASE女性のクリニック 院長 丸山真理子先生

産婦人科専門医・マンモグラフィ読影認定医
日本女性財団フェムシップドクター

関西医科大学卒業、横浜市立大学産婦人科学講座・関連病院勤務を経て, 2019年EASE女性のクリニック開院
2022年 イーズファミリークリニック本八幡/イーズ病児・病後児保育室開設
2023年 第6回産前産後ケア・子育て支援学会実行委員長
2023年10月 骨盤底ケアサロンSalon de EASE GINZA開設
一般財団法人 日本女性財団フェムシップドクターとしても活動中

※本記事に関する監修医へのお問い合わせはお控えください

妊娠中期っていつからいつまで?

妊娠中の妻のお腹に手を添える夫と子ども
妊娠16〜27週を妊娠中期と言い、赤ちゃんの成長を感じやすい時期です。まずは妊娠中期の期間と赤ちゃんの状態を確認しておきましょう。

妊娠中期は16~27週まで

妊娠中期とは、妊娠16〜27週(5〜7ヵ月)までの時期を指します。この頃になるとつわりが治り始める人が増え、体調が安定してくるので、一般的に「安定期」とも呼ばれます。妊娠期間の中では比較的過ごしやすい時期ではありますが、お腹が大きくなってくることにより新たな症状も出てくるので気は抜けません。

赤ちゃんの身体が発達し動きが活発になる頃

妊娠中期になると赤ちゃんの成長を助ける胎盤が完成し、ママの血液がどんどん送られるようになります。また赤ちゃんの骨や筋肉が成長し始め、脳も発達し、髪や爪も生え始めます。聴覚も発達してくるので、外の音に反応することも。お腹の中で赤ちゃんの動きが活発になるので、赤ちゃんが成長していることを実感できるようになるでしょう。

妊娠中期にママに起こる体調の変化

お腹に手を当てる夫婦
妊娠中期になると、多くの人がつわりによる体調不良が治り、胎動を感じ始めます。妊娠中期のママの体調の変化を月毎に紹介します。

妊娠5ヵ月(16~19週):つわりが治り体調が安定する

妊娠5ヵ月頃になるとつわりが治るとともに基礎体温が下がり、熱っぽさやだるさがなくなってきて過ごしやすくなります。
またつわりが治ったことと、お腹が大きくなり始めることでママの体重も増え始めます。体重は増えすぎても痩せすぎてもトラブルの原因となるので、バランスの取れた規則正しい食生活を心がけることが大切です。急激に体重が増えると皮膚の伸びが追いつかず妊娠線ができてしまうため、保湿クリームでうるおいを与えて予防をしましょう。

妊娠6ヵ月(20〜23週):胎動を感じ始める

妊娠6ヵ月になると赤ちゃんが成長して動き始め、お腹の中からポコポコと蹴られたり、ブルブル震えたりといった胎動を感じ始めるようになります。お腹も大きくなるので血管が圧迫され、むくみや腰痛を感じることも増えてきます。お腹の重さも感じやすいので、移動時は段差などに気を付けましょう。

妊娠7ヵ月(24〜27週):よりお腹が目立ってくる

妊娠7ヵ月に入ると、胎動がよりはっきりとしてきて、お腹もさらにふくらんできます。大きくなった子宮により臓器が圧迫され、息苦しさを感じることもあるかもしれません。また血液量が増えるので、動悸や息切れなどの症状が現れることも。
妊娠7ヵ月は切迫早産や妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群などを発症しやすい時期のため、今まで4週に1回だった検診が2週に1回になります。必ず検診を受けるようにしましょう。

妊娠中期に起こりやすいトラブル

苦しそうにお腹を押さえる女性
妊娠中期頃には体調が安定してくるものの、お腹が大きくなることによる張りや腰痛、貧血などに悩む人が多いようです。妊娠中期頃に感じやすい症状について解説します。

お腹の張り

子宮の収縮やお腹が大きくなることにより、妊娠中期ではお腹の張りを感じやすくなります。横になって休んだりお腹をさすったりして治るようであれば、心配する必要はありません。ただし定期的に強くなる張りが続く、痛みを伴うような場合は、病院で診察を受けましょう。

腰痛

お腹が大きくなり、さらには出産準備で骨盤の関節が緩んでくるため、腰痛になりやすくなります。腰痛が辛いときは背もたれのまっすぐな椅子に座る、膝の間やお腹の下に枕を挟んで横になるなど、楽な姿勢を探してみましょう。骨盤ベルトや妊娠帯を装着するのも効果的です。

貧血

妊娠中は循環する血液量が急速に増えますが、赤血球の増加に間に合わず、血液が薄まって貧血になりやすい状態です。赤血球は赤ちゃんへ酸素を運搬する重要な役割を担っています。赤ちゃんの適切な成長のためにも貧血の予防が大切です。貧血を予防するには、鉄分やビタミンC、タンパク質などの栄養を意識して摂りましょう。おすすめは牛レバーや牛もも肉などの赤身肉、かつおやまぐろなどの赤身の魚、あさりやほうれん草、納豆などの食材です。難しければ医師に相談し、サプリメントの使用を検討するのも良いかもしれません。

便秘

妊娠するとプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増え、腸の動きが鈍くなることで便秘になりやすくなります。特に妊娠中期は子宮が大きくなり腸を圧迫するので、さらに便秘になりやすい状態です。
こまめな水分補給や、根菜、ブロッコリー、カボチャなどの食物繊維の多い野菜などを食事に取り入れると便秘予防になります。それでもなかなか改善しない場合は、医師に相談すると良いでしょう。

切迫早産

お腹の張りがなかなか治らない、出血を伴う場合は、切迫早産の可能性があるので早期の受診が必要 です。切迫早産とは、妊娠22〜37週未満の間に早産となるリスクが高まっている状態のこと。切迫早産と診断されたら、基本的には自宅で安静に過ごすこととなりますが、程度が重いと入院が必要になる場合もあります。

妊娠中期に気を付けたいこと

ソファーで横になる妊婦
体調が良いからと無理はせず、規則正しい生活を心がけるのが妊娠中期のポイントです。妊娠中期の注意点を紹介します。

安定期だからと無理をしない

安定期に入るとできることが増えてきますが、リスクがないわけではありません。身体への負担、ストレスとなることはできる限り避けましょう。
つわりが落ち着いて旅行を楽しみたい場合は、なるべく身体に負担をかけない移動手段や滞在先を選ぶことが大切です。大きな病院が近くにあるか、妊婦でも食べられる食事があるかなどは必ずチェックし、主治医の先生にも相談した上でマタニティライフを楽しみましょう。
ただし、妊娠32週以後に差し掛かったら、長距離の移動は必要最低限にして産院の近くで過ごすのが基本です。

塩分の摂りすぎは控える

むくみや便秘などの妊娠中によくみられる症状は、食生活が原因になっていることもあります。特に気を付けたいのは、むくみの原因である塩分の摂りすぎ。加工食品や調味料たっぷりの濃い味付けの料理はなるべく控え、減塩を意識しましょう。
なお、むくんでいるからといって水分を控えるのはよくありません。水分をしっかり摂ると尿として排泄される他、便秘の改善にも役立ちます。

妊娠中期のおすすめの過ごし方

妊娠期間の中でも安定している中期には、今後のことも見据えて準備を始めましょう。妊娠中期にやっておくのがおすすめなことを紹介します。

適度な運動を取り入れる

ウォーキングをする妊婦
妊娠中でも、無理のない範囲の適度な運動はおすすめです。体重管理や便秘の解消、体力づくりに効果的です。マタニティヨガやスイミング、ウォーキングなど取り入れられそうなものを探してみましょう。

歯科検診を受ける

妊娠中はホルモンバランスの変動によって口内環境が悪くなりがちです。歯周病になると早産や低体重児出産のリスクが高まること、出産後は赤ちゃんのお世話が始まり忙しくなることから、つわりが落ち着いた中期頃に一度歯科検診を受けておくと安心です。内容や費用は病院によって異なりますが、自治体によっては妊婦の歯科検診に補助を出しているところもあるので確認しておきましょう。

​​出産準備を始める

体調が安定してきたら、出産準備やベビー用品の準備を始めましょう。まずは雑誌やネットなどで、どんなものが必要なのかをリサーチすることから始めるのがおすすめ。
赤ちゃんが産まれてすぐに必要なものは、早めに準備しておくと安心です。出産後はすぐに身体を動かせないので、今のうちに産後の過ごし方が楽になるサービスなども検討しておくと良いでしょう。買い物を楽にするには、ネットスーパーや宅配が便利です。
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この時期ならではのイベントを楽しむ

マタニティマークと安産のお守り
お腹が大きくなり始めたものの、体調が安定している今だからこそできるイベントを楽しむのもおすすめ。例えばお腹が目立ち始めた頃に人気なのがマタニティフォトです。マタニティライフの記録を残せるだけではなく、産まれる前からのたっぷりの愛情を形に残せます。安産祈願の戌の日参りに家族で出かける人も多いようです。

妊娠中期に入ったら、いつでも赤ちゃんを迎えられる準備を

ベビーグッズの準備をする夫婦
妊娠期間も中盤に差し掛かる妊娠中期。胎動やお腹のふくらみにより赤ちゃんの成長を感じやすくなります。体調が良い日が増えるので、これからの準備を始めるにも良い時期と言えます。ただしまだまだ無理はせず、体調にも気遣いながらできることを取り入れていきましょう。
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