
INDEX
- 妊娠超初期とは
- 妊娠超初期とは妊娠0~3週目までのこと
- 妊娠超初期症状チェックリスト
- 妊娠超初期の症状
- おりものの変化や少量の出血がある
- 腹痛や下腹部痛、おなかに張りがある
- 微熱・胸の張り・便秘がある
- 匂いが気になる・食欲が変化する
- 眠気・めまいがする
- イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする
- 妊娠超初期に気をつけること・やっておきたいこと
- 葉酸や鉄分などの栄養素を積極的に摂る
- 飲酒・喫煙はやめる
- パートナーと話し合う
- 妊娠初期に検査薬や産婦人科の受診をするタイミング
- 検査薬は生理予定日の約1週間後に使うのが目安
- 検査薬で陽性反応が出たら早めに産婦人科を受診
- 妊娠初期に知っておきたい母子健康手帳について
- 母子健康手帳とは
- 母子健康手帳のもらい方
- 妊娠超初期~妊娠初期は食事や生活習慣に気をつけながらゆったり過ごそう

監修:八丁堀さとうクリニック副院長 佐藤 杏月 先生
妊娠超初期とは

最初に妊娠超初期と妊娠初期の違いやチェックリストについて紹介します。妊娠超初期は妊娠検査薬でまだ陽性反応が出にくい時期ですが、体調や体の変化で妊娠の兆候に気がつく場合もあります。
妊娠超初期とは妊娠0~3週目までのこと
妊娠超初期は妊娠0週から3週目までのこと。妊娠0週は、妊娠前の最後の生理の初日です。妊娠1~4ヵ月頃を妊娠初期と言いますが、その中でも超初期であり、市販の妊娠検査薬でも陽性反応が出にくい時期が妊娠超初期です。
赤ちゃんの体に重要な中枢神経や心臓などの器官が形成されるのは、妊娠5週~11週ですが、可能性のある人は超初期から生活に気をつけることをお勧めします。
妊娠超初期症状チェックリスト
妊娠超初期にありがちな症状を紹介します。当てはまる項目があった場合は、妊娠の可能性があるかもしれません。
- おりものの変化(量が増えた、色が変わった)
- 生理以外で少量の出血があった
- 腹痛や下腹部痛、おなかに張りを感じる
- 熱っぽく感じる
- 胸に張りを感じる、乳頭にチクチクする感じがある
- 便秘になりやすい
- ちょっとした匂いが気になる
- 食欲が変わった(増す、減る)
- つねに眠気がある
- めまいやふらつきがある
- イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする
妊娠超初期の症状

ここからは、妊娠超初期の症状について詳細に説明します。前述のチェックリストと合わせて確認してください。
おりものの変化や少量の出血がある
■おりものの変化
妊娠をすると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が増えるため、おりものが変化する場合が多いようです。変化には個人差がありますが、おりものの量が増えた・減った、粘り気が強くなったなどがあげられます。
■少量の出血
子宮内に受精卵が着床する時に子宮内膜が傷つき着床出血がおこります。4人に1人の割合ですが、少量の出血がある人もいます。一般的には生理よりも少量ですが、個人差があるため注意しましょう。
腹痛や下腹部痛、おなかに張りがある
妊娠をすると生理痛のような痛みを感じる場合もあります。子宮は収縮をしながら大きくなるため、子宮を支える靭帯が引っ張られるのが傷みの原因です。また、体をひねると引きつるような痛みを感じる場合もあります。
妊娠初期には胃腸の働きが鈍くなるため、おなかの張りや便秘による下腹部痛を感じる人もいます。安静にしていても症状が変わらない、出血量が多い、痛みが強いといった場合は病院を受診するようにしましょう。
微熱・胸の張り・便秘がある
■微熱
月経周期より高温期と低温期に分かれますが、妊娠をすると高温期が続き、普段よりも熱っぽく感じることがあります。妊娠中期に入ると、微熱の症状は落ち着いてきます。
■胸の張り
妊娠をすると女性ホルモンの分泌が増えるため、胸のハリや乳頭チクチクした痛みなどを感じる場合があります。ホルモンの変化に体が慣れてくると、症状が治まる場合が多いようです。
■便秘になりやすい
妊娠によってプロゲステロンの分泌量が増えると、腸の働きが低下します。また妊娠によって食べる物が偏ったり、食事量が減ったりすることも便秘の原因に。便秘から腹痛を感じる場合もあるため注意しましょう。
匂いが気になる・食欲が変化する
■匂いが気になる
妊娠をすると、それまで気にならなかった匂いで気分が悪くなるなど、少しの匂いに敏感に反応してしまう場合があります。ご飯の炊ける匂いやスーパーの惣菜、魚介類、たばこ、コーヒーの匂いなどが代表的です。
■食欲の変化
妊娠をすると胃腸の働きが低下するため、消化不良から食欲が低下する場合もあります。また、それまでと食べ物の好みが変わったり、同じものばかりを食べたくなったりするケースもあるようです。
眠気・めまいがする
■つねに眠気がある
妊娠初期は女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌量が増えます。プロゲステロンは、妊娠を継続させるために体温を上げる働きがあり、眠気を促すのです。
■めまいやふらつきがある
妊娠による自律神経の乱れや貧血によって、低血圧からのめまいや立ちくらみ、ふらつきなどの症状が出る場合もあります。めまいや頭痛が長く続く場合や、腹痛を伴うめまいなどは受診をすると安心です。
イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする
個人差はありますが、妊娠によって女性ホルモンのバランスが崩れるため、ちょっとしたことでイライラしたり、気分が落ち込んだりする人もいるようです。妊娠中期になるとホルモンの変化にも体が慣れてくるため、精神的にも安定してきます。
妊娠超初期に気をつけること・やっておきたいこと

続いて妊娠超初期に気をつけることややっておきたいことを紹介します。妊娠中の飲食はママだけでなく、赤ちゃんにも影響を与える可能性があります。
葉酸や鉄分などの栄養素を積極的に摂る
妊娠超初期には、赤ちゃんの成長を促す葉酸や、妊娠中に不足しがちなビタミンB群、鉄分といった栄養素を積極的に摂るようにしてください。葉酸は、神経管閉鎖障害という赤ちゃんの先天性障害へのリスクを減らすのに効果的。妊娠前から摂取するのがおすすめです。また鉄分は、吸収率を高めてくれるビタミンCと一緒に摂るのが良いでしょう。
■積極的に摂りたい栄養素と多く含む食材
栄養素 | 食材 |
ビタミンB1 | 豚肉、そば、マダイ など |
ビタミンB6 | カツオ、マグロ、サケ など |
ビタミンB2 | ウナギ、ブリ、モロヘイヤ など |
ビタミンB12 | カキ、アサリ、サバ など |
鉄分 | 牛肉、レバー、小松菜 など |
飲酒・喫煙はやめる
妊娠の可能性がある場合、飲酒・喫煙はやめましょう。妊娠中にママが飲んだアルコールは、胎盤を通して赤ちゃんにも届くため、胎児性アルコール症候群のリスクを高めます。
また妊娠中の喫煙は、早期破水や前置胎盤、胎盤異常、早産、低出生体重、乳児突然死症候群などを引き起こす可能性も高めます。副流煙による受動喫煙も、ママや赤ちゃんにも影響を与えるため、パートナーにも禁煙、難しいならママの近くで吸わないようにお願いします。
パートナーと話し合う
妊娠中や出産後はパートナーの協力が不可欠なため、事前に話し合っておくと良いでしょう。例えば、体に負担のかかる家事や買い物、つわり時期の食事の準備・片付けなどの分担を決めておくと、その時になって慌てることがありません。
また、妊娠中はホルモンバランスの影響によって気持ちが不安定になることや、つわりの時期や症状なども伝えておくと、つわりが始まった時にパートナーの理解を得やすいですよ。
食事の準備が難しい時は、でき上がった惣菜が宅配で届くサービスを利用して負担を減らすのも一つの方法です。
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妊娠初期に検査薬や産婦人科の受診をするタイミング

妊娠かもしれないと感じた時は、市販の妊娠検査薬を使う人が多いでしょう。ここでは、検査薬はいつ使うのが効果的か、産婦人科を受診するタイミングについて紹介します。
検査薬は生理予定日の約1週間後に使うのが目安
妊娠検査薬にもさまざまなタイプがありますが、生理予定日の約1週間後に使うのが一般的です。妊娠検査薬は、妊娠すると分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)を尿中から検出し、一定量含まれている場合に陽性反応がでます。そのため、あまり早く使い過ぎると陽性反応が出ない場合もあるので注意しましょう。
検査薬で陽性反応が出たら早めに産婦人科を受診
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合は、早めに産婦人科を受診して妊娠を確認するようにしましょう。胎嚢や心拍が確認できる時期は人によって異なり、妊娠超初期の段階では確認できない場合もあります。確認できなかった場合は1~2週間後に再度受診します。
妊娠初期に知っておきたい母子健康手帳について

最後にママと赤ちゃんの記録である母子健康手帳について説明します。
母子健康手帳とは
母子健康手帳(母子手帳)とは、ママと赤ちゃんの健康状態を記録し、妊婦健診や乳幼児健診、予防接種、保健指導などに役立てるとともに必要な記録を残すものです。地域によっては、赤ちゃん手帳や親子手帳とも呼ばれます。母子手帳は、心拍確認後の6~8週目にもらうのが一般的です。
母子健康手帳のもらい方
母子健康手帳は、住んでいる市区町村の役所や保険センターに妊娠届出書を提出すると交付されます。お住いの自治体によっては交付窓口や名称、手続き方法が異なるためあらかじめ確認しておくと安心です。
■母子健康手帳の交付に必要なもの
- 妊娠検査を受けた病院の診察券
- 個人番号の確認書類
- 本人確認書類
- 妊娠証明書 (※自治体による)
妊娠超初期~妊娠初期は食事や生活習慣に気をつけながらゆったり過ごそう

妊娠超初期は妊娠に気がついたばかりで、特に心と体がデリケートな時期です。食事や日常生活に気を配り、体の調子を整えることは大切ですが、ストレスをためては逆効果。安定期に入るまで無理をせず、気分転換をしながらゆったりとした気持ちで過ごしましょう。
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日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。
3人の子供の子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医の主人とともに2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
日本産婦人科学会専門医
医学博士