哺乳瓶拒否はなぜ起こる?赤ちゃんが嫌がる理由と月齢別の対処法を紹介

赤ちゃんが哺乳瓶拒否するのはなぜ?

哺乳瓶の横で寝ている赤ちゃん
赤ちゃんが哺乳瓶拒否を起こす主な原因としては、以下のことが考えられます。
  • ミルクの温度が熱すぎる、または冷たすぎる
  • 使用している乳首が月齢に合っていなくて吸いづらい
  • ミルクの味が好きじゃない
  • 落ち着いて飲める環境じゃない
まずはミルクの温度や味、乳首、環境を変えるなどしてみると、哺乳瓶からミルクを飲んでくれるようになるかもしれません。もしそれでも変わらなければ、これから紹介する月齢別の対策を行ってみましょう。
しかし焦りは禁物です。保育園などに預けたい場合、哺乳瓶で飲んでくれるようになると助かりますが、気持ちに余裕を持って徐々に慣れていってもらうことが大切です。

【月齢別】哺乳瓶拒否の対処法

布の上に置かれたミルクの入った哺乳瓶
哺乳瓶拒否を克服するには、ミルクや哺乳瓶に慣れてもらうのが先決です。赤ちゃんの月齢に合った哺乳瓶拒否の対処法を紹介します。

生後1~3ヵ月

生後1~3ヵ月の赤ちゃんには、ミルクの与え方やあげる人を変える方法を試してみましょう。
①母乳から哺乳瓶にすり替える
母乳をよく飲むようであれば、始めは母乳を与え、赤ちゃんがウトウトし始めた瞬間にサッと哺乳瓶にすり替えると、そのまま飲んでくれることがあります。哺乳瓶の乳首の先に母乳をつけたらスムーズに飲んでくれたという声も。何度も試すうちに、次第に哺乳瓶の感触に慣れてい慣れていくことができます。
②哺乳瓶の乳首を温める
吸い口が冷たいと赤ちゃんがくわえたときにびっくりしてしまうので、哺乳瓶の乳首は温めておくのがおすすめです。哺乳瓶を傾ければミルクで温めることもできます。
③ママ以外の人があげる
ママの匂いがすると、赤ちゃんは母乳がほしくなってしまいます。ママが別室にいる間に、パパや他の家族からミルクを与えてもらうと飲んでくれるようになるかもしれません。

生後4~7ヵ月

生後4~7ヵ月の赤ちゃんには、哺乳瓶に慣れてもらうよう工夫するのがおすすめです。離乳食が始まれば、ミルクを混ぜて与える手もあります。
①空の哺乳瓶で遊ばせる
4ヵ月ごろになると、おもちゃをつかんで口に持っていくようになります。そこでおもちゃの代わりに空の哺乳瓶を渡すと、自然と哺乳瓶の乳首を口に運び、食感に慣れてくれる可能性があります。乳首の部分で遊べるおもちゃもあるので試してみると良いかもしれません。赤ちゃんが慣れてきたら、実際にミルクを入れて試すようにします。
なお、赤ちゃんが遊んでいる間はケガをしないよう注意してあげましょう。割れないプラスチック製の哺乳瓶を使い、目を離さないようにするのが大切です。
②離乳食にミルクを混ぜる
栄養摂取のためにミルクを与えたいという人は、離乳食に混ぜるのがおすすめです。おかゆやスープなど、水分をくわえるときにお湯の代わりにミルクを使うと簡単です。

「きらきらステップ」

生後8~12ヵ月

スパウトでミルクを飲む赤ちゃん
生後8~12ヵ月になったら、無理に哺乳瓶でミルクを与えるよりも、他の方法を試してみましょう。
①哺乳瓶以外で飲む練習をする
この時期になると、哺乳瓶よりスパウトやストローマグで飲む練習を始めた方が効率的です。スパウトとは、乳首に似た形状の飲み口がついた赤ちゃん用のマグのこと。赤ちゃんの手で持ちやすい形状をしていて、スパウトなら飲んでくれるようになったという声も多く聞かれます。その後、徐々にストローやコップで飲めるよう練習していきます。
②卒乳の準備をする
離乳食が3回食になったタイミングでミルクを飲まなくなる子もいます。離乳食からしっかり栄養を摂れていれば、ミルクは減らしていっても良いかもしれません。ただし赤ちゃんが母乳を欲しがるようなら、ママが可能な範囲で続けてあげましょう。

哺乳瓶拒否の赤ちゃんを保育園に預けるときの対応

ベビー服と哺乳瓶
ミルクを受け入れてもらう、離乳食でカバーする、母乳を与えに行くなどが、哺乳瓶拒否をしている赤ちゃんを保育園に入れる際に取れる対応です。なかなか哺乳瓶からミルクを飲んでくれない場合には、保育園に相談してみましょう。

ミルクしかない状況に慣れさせる

保育園に行けば赤ちゃんはミルクを飲むしかありません。始めは嫌がっても、徐々に受け入られるようになるでしょう。また、なるべく普段からママがいないところで家族にミルクを与えてもらい、慣れさせておくとスムーズです。

離乳食を出してもらう

事前に哺乳瓶は嫌がることを相談すれば、離乳食で対応してくれる保育園もあります。赤ちゃんの月齢や離乳食の進み方によっては、哺乳瓶を嫌がることはそれほど問題にならないので、まずは相談してみると良いでしょう。
また、これを機に卒乳準備を始めても良いかもしれません。卒乳は焦らずに、なるべく1ヵ月以上かけて少しずつ授乳回数を減らしていきます。赤ちゃんのペースに合わせ体調が悪いときは無理しないのが大事です。入園してしまえば、ママから離れている時間が長くなることに加え、新しい刺激を受けたり体を動かしたりする機会が増えて就寝がスムーズになり、自然と卒乳できる子もいます。

時間を決めてママが保育園に行く

赤ちゃんが哺乳瓶でミルクを飲めない場合、ママに来てもらい母乳を与えるという方針の保育園もあります。とは言え、保育士さんや栄養士さんの工夫により、それほど頻繁に行かなくて済むこともあるようです。
その他、搾乳した母乳を冷凍して持っていき、保育園で解凍して飲ませてもらっていたという人もいます。しかし衛生管理が難しいのでどこでも対応してもらえるわけではありません。保育園の方針と家庭の状況を考慮して可能な対応をすり合わせていきましょう。

哺乳瓶拒否の赤ちゃんの注意が必要な症状

赤ちゃんを抱いて哺乳瓶を握りしめるママ
哺乳瓶拒否すること自体は基本的には心配ないものの、赤ちゃんの様子に気になるところがあれば、早めにかかりつけの小児科医に相談するのが大切です。受診を検討すべき注意が必要な症状を紹介します。

赤ちゃんの体重が減っていく

赤ちゃんの体重がなかなか増えず、平均体重を下回るようなことがあれば受診を検討した方が良いでしょう。基本的には哺乳瓶を拒否していても、母乳や離乳食から必要な栄養を摂れていれば問題ありませんが、体重が増えない場合は栄養が足りていない可能性があります。
体重増加の目安は、母子手帳の「発育曲線」が参考になります。健診などでの定期的な測定結果と「発育曲線」を照らし合わせ、伸びが遅いようなら医師に相談してみましょう。

赤ちゃんの元気がない

体調が優れず哺乳瓶を拒否していることも考えられます。以下のような症状があれば、何らかの疾患が隠れているおそれもあるので早めに受診してください。
■注意したい症状
  • 飲んだ母乳・ミルクを吐く
  • 発熱がある
  • ぐったりしている
  • おしっこの回数が少ない
  • 便が硬いor下痢をしている

飲んだミルクを繰り返し吐く

飲んだミルクをすぐに吐いてしまう場合は、ミルクアレルギーの可能性があります。以下のような症状には要注意です。
■ミルクアレルギーの症状
  • ミルクを飲んだ後に繰り返し嘔吐する
  • 下痢や血便がある
  • 体重が増えない
症状が重いと意識障害を起こすこともあります。アレルギー用のミルクも販売されていますが、自己判断は危険なのでまずは医師に相談しましょう。

赤ちゃんに合った対処でゆっくり哺乳瓶拒否を克服しよう

哺乳瓶でミルクを飲む赤ちゃん
赤ちゃんの哺乳瓶拒否を克服するには、ミルクを変えてみたり、母乳とすり変えてみたり、離乳食に混ぜてみたりと赤ちゃんの月齢や好みに合わせて試行錯誤する必要があります。基本的には月齢に応じて体重が増えていれば心配することはありませんが、保育園に入れたいなど家庭の事情もあるでしょう。気持ちに余裕を持ってできることを試してみるのがおすすめです。
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