【栄養士監修】産後・授乳中に食べてはいけないものは?赤ちゃんにOK・NGな食べ物を解説
監修者:管理栄養士 池上 淳子

監修者:管理栄養士 池上 淳子

美容栄養学専門士資格認定講座の運営、スポーツ栄養、高齢者・子ども向け栄養学、生活習慣病予防など栄養学全般の啓蒙活動を行う。セミナー、料理教室、栄養監修、各種メディア出演など活動は多岐に渡る。栄養コンサルタント社代表、日本ビューティーヘルス協会代表理事
【著書】
最高の美をつくる朝食メソッド(ビジネス社)
美女をつくる足し算レシピ30(あたま出版)

なぜ産後のママには食べてはいけないものがあるのか

赤ちゃんに母乳をあげるママ
産後のママの食事は授乳を通して赤ちゃんに与えられるため、食べ物には気を付けなければいけません。ここでは、産後のママの食事が赤ちゃんに与える影響や母乳について解説します。過度な食事制限はストレスとなり母乳に影響を与える可能性もあるため、ママの健康と赤ちゃんの栄養を考えた食生活を心がけましょう。

母乳の量や質に影響するから

産後のママが赤ちゃんに与える母乳は、血液から作られています。血液はママの食べた栄養が原料となっているため、母乳の量や質に影響を与える可能性も。偏った食事や過剰摂取、栄養不足などによってホルモンバランスが崩れ、母乳の量が減ったり、ドロドロの血液で母乳の質が悪くなったりする場合もあります。

赤ちゃんに影響を与える可能性があるから

アルコールやカフェインなどの嗜好品も、赤ちゃんに悪い影響を与える可能性があります。カフェインは母乳への影響が低いと考えられているため、過剰な摂取量でなければ摂ることができます。しかし、アルコールを摂取すると母乳へ移行するため、授乳中は避けた方が良いでしょう。飲めないことがストレスになる可能性もあるため、赤ちゃんへの影響や量、タイミングを考えることが大切です。

産後のママが食べてはいけないものとは?

さまざまな種類のコーヒー
産後ママが食べてはいけない、食べないほうが良いといわれる食べ物には、おっぱいのトラブルや赤ちゃんに影響を与える可能性が高いものが含まれています。ここでは、産後ママが食べてはいけないといわれるものについて紹介します。

脂肪分の多い乳製品

チーズや生クリーム、バターなどの植物性脂肪が多く含まれる乳製品は脂肪の塊を作りやすいため、乳腺炎の原因になると考えられてきました。しかし、根拠がないことから、現在では乳腺炎の原因にならないと考えられています。
カルシウム摂取のためにも、牛乳やヨーグルトは有効な食材です。しかし、体質によっては牛乳1杯だけでも注意しなくてはいけません。そんな時は牛乳の代わりに、小魚や海藻類、ヨーグルトなどからカルシウムを摂るなど工夫をしましょう。

アルコール類

アルコールを飲んだ場合、ママの血中アルコール濃度とほぼ同じ数値のアルコールが母乳からも検出されます。赤ちゃんは、肝臓の機能が未発達のため、体内でアルコールを分解できず急性アルコール中毒になる危険性が高くなります。
体格や体質によって個人差はありますが、飲酒をした場合は3~7時間は授乳を行わず、アルコールの影響がなくなってから授乳をするようにしましょう。また、アルコールを飲む機会の多いママは、完全ミルクでの育児を検討してみるのもひとつの方法です。

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む母乳を飲んだ赤ちゃんは、寝つきが悪くなったり、情緒不安定になったりと、少なからず影響を受ける可能性があります。コーヒーなら1日1~2杯と飲む回数を減らす、授乳前には飲まないなど考慮しましょう。

産後ママが積極的に摂りたい栄養素・食材

テーブルに並んださまざまな食材
赤ちゃんの栄養となる母乳は、ママの血液が主成分です。ドロドロの血液では質の悪い母乳になってしまいます。質の良い母乳を作るためには、血液の材料となる栄養素を積極的に摂らなければなりません。ここからは、血液の材料となる栄養素や食べ物を紹介します。

産後の体力回復に必要な「タンパク質」

タンパク質は筋肉の元となり、熱を作り出して産後の体を回復させるために必要な栄養素です。特に授乳中は母乳にタンパク質が使われるため、積極的に摂りましょう。
成人女性の1日のタンパク質推奨量は50グラムですが、授乳中はプラス20ミリグラムが推奨されています。摂取する際は、動物性と植物性をバランスよく摂ることも心がけてください。
■タンパク質を多く含む食材
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など

貧血予防に「鉄分」

出産時の出血や悪露、授乳期の母乳などによって不足しがちな鉄分。貧血になるママが多いため、意識して摂りたい栄養素です。鉄分は単品よりも、ビタミンCや動物性タンパク質などと一緒に摂ると効率よく摂取できます。
成人女性の1日の鉄推奨量は10.5~11.0ミリグラムですが、授乳中はプラス9.5ミリグラムが推奨されています。
■鉄分を多く含む食材
ほうれん草、小松菜、納豆、牛・鶏のレバー、プルーンなど

骨を作る「カルシウム」

産後のママは母乳を作るため、大量のカルシウムを必要としています。食事だけで不足した分は、ママの歯や骨からも取られるため、もろくなりやすい状態になってしまいます。カルシウムも単品ではなく、吸収率を高めるビタミンDや骨の生成に必要なマグネシウム、ビタミンD、ビタミンKと合わせて摂るようにしましょう。
授乳中はカルシウムを必要としていますが、通常よりも多く摂る必要はなく、成人女性と同じ量が推奨されています。成人女性の1日の推奨量は650ミリグラムです。
■カルシウムを多く含む食材
牛乳(1日1~2杯にとどめる)、小魚、小松菜、モロヘイヤ、厚揚げ、ひじきなど

赤血球を作る「葉酸」

妊娠中に摂りたい葉酸は、産後のママにも欠かせない栄養素です。ビタミンB12と一緒に赤血球を作り、ホルモンバランスを整える効果も期待できるため、心を安定させてくれます。また、葉酸は細胞分裂を促すため、子宮の回復を助けてくれる働きも期待できるでしょう。
葉酸は水溶性のため熱に弱く、調理すると成分の半分が失われてしまいます。そのため、調理する場合は、電子レンジや油炒めなどがおすすめです。成人女性に推奨されている1日の摂取量は240マイクログラムですが、授乳中はプラス100マイクログラムが推奨されているため、積極的に摂るようにしましょう。
■葉酸を多く含む食材
枝豆、納豆、芽キャベツ、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガス、いちごなど

産後のママにおすすめ!簡単に栄養が摂れる食事

テーブルの上の果物と牛乳、シリアル
産後のママは、体の回復と赤ちゃんのためにも栄養のある食事が大切です。しかし、赤ちゃんのお世話をしながらゆっくり座って食事をするのは難しいもの。産後ママにおすすめの簡単・手軽に栄養が摂れる食事を紹介します。

野菜を多く使った和食

産後のママには、具だくさんの味噌汁や煮物、焼き魚、湯豆腐など油の利用が控えめで、たっぷり野菜が摂れる和食がおすすめです。母乳の材料となる炭水化物、血液をサラサラにしてくれる海藻類や青魚など、産後のママに必要な栄養素を手軽に摂ることができます。

片手でサッと食べられる食事

赤ちゃんのお世話で忙しいママには、片手で簡単に食べられ、栄養も取れる食事がおすすめです。例えば、さまざまな食材が一度に摂れる炊き込みご飯をおにぎりにしたり、具だくさんのサンドイッチを作ったりすれば、赤ちゃんを抱っこしたままでも片手でサッと食べられます。また、味噌汁やスープなどを具だくさんにすれば、一品でも手軽に栄養と水分が摂れ、体も温めてくれます。

手軽に栄養補給できる食材

短時間で手軽に栄養補給ができる食材を利用するのもひとつの方法です。産後のママは赤ちゃんのお世話もあるため、毎日きっちりと料理をするのは大変です。ドライフルーツやナッツ類が入っているグラノーラやシリアルなら、食物繊維やビタミン、ミネラルも一緒に摂ることができます。
牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品にも、タンパク質やカルシウムが豊富に含まれています。乳腺が詰まらないよう体質や体調に合わせて摂り入れるようにしましょう。

産後に食べてはいけないものを避けて赤ちゃんに栄養をあげよう

赤ちゃんを抱きしめるパパとママの手
産後はママや赤ちゃんのことを一番に考えて、母乳に良い食べ物を摂るようにしましょう。過剰な食事制限はママのストレスになってしまいます。摂取量を控えれば食べられる物もあるため、栄養バランスを考えて食事を楽しんでくださいね。
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