【医師監修】1ヶ月健診の内容は?赤ちゃんとママの持ち物やよくある疑問を解説
監修:竹中美恵子先生

監修:竹中美恵子先生

小児科・内科・皮膚科・アレルギー科
難病指定医/小児慢性特定疾患指定医/子どもの心相談医/高濃度ビタミンC点滴療法認定医/キレーション認定医
亡き祖父のあとを追い小児科医の道へ進む。小児科を受診する患者さんの約6割は皮膚疾患を合併しているという現実を目の当たりにし、小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で見られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。子供の調子が悪い時は、家族全員が調子が悪い時、家族全員のかかりつけとしてとっていただけるように話しやすい環境、変化する医療をできるだけ早く取り入れ、日々研鑽している。

※本記事に関する監修者へのお問い合わせはお控えください

母子の健康状態をチェックする1ヶ月健診とは

診察を受ける赤ちゃん
1ヶ月健診では、赤ちゃんだけではなくママの身体もチェックされます。産後の大切な機会となるため、ぜひ受診しましょう。まずは1ヶ月健診の内容と必要性を解説します。

赤ちゃんの発育状態やママの回復状態をチェックするもの

1ヶ月健診とは、産後1ヶ月ごろに行われる定期健診のこと。赤ちゃんの発育や運動機能の発達とママの産後の身体の回復状態をチェックするのが主な目的です。医療機関によって異なりますが、一般的には退院後初の健診となります。
基本的に1ヶ月健診は、出産した医療機関で受けます。入院中にお知らせをもらえる場合が多いので、必ず内容を確認しておきましょう。
里帰り出産した場合も、里帰り先の医療機関で受けるのが基本です。しかし産後すぐに自宅に戻り、出産した医療機関を受診するのが難しい場合は、近くの産院へ相談しましょう。

1ヶ月健診は受けないとダメ?

母子保健法では、赤ちゃんの心身に対する健康状態の確認や起こりうる病気の一早い発見のため、乳幼児期に定期的な健診を行うことを定めています。1ヶ月健診を受けるかは任意であるものの、赤ちゃんやママにとっても大切な機会なので、できる限り受診しましょう。健康状態のチェックはもちろん、今後の生活についてのアドバイスももらえる貴重な時間となります。

1ヶ月健診で医師がチェックすること

問診票と聴診器
1ヶ月健診では主に赤ちゃんの産後の発育、ママは産後の身体の戻りをチェックします。それぞれの一般的な健診項目を見ていきましょう。

赤ちゃんの健診項目

赤ちゃんの健診で確認するのは、大きく分けて身体測定、原始反射、先天性の病気の3つと問診です。詳しい項目は下記の通りです。
■身体測定
  • 体重
  • 身長
  • 頭囲
  • 胸囲の測定 など
個人差はありますが、赤ちゃんの体重は産後から1ヶ月で1kg近く増えます。
■原始反射の確認
  • 把握反射:手のひらを指でつついたら握り返す
  • モロー反射:びっくりした時に両手を広げる
  • 吸啜(きゅうてつ)反射:指を口に近づけると吸う
  • 非対称性緊張性頸反射:顔の向きと手足の動作 など
■その他の確認項目
  • 黄疸
  • 目の異常
  • 内臓の異常
  • 心雑音 など
■問診
  • ミルクの飲み具合
  • 赤ちゃんの体の動かし方の確認
  • 赤ちゃんに対する心配ごと など

ママの健診項目

医師の診察を受ける女性
ママに対しては、産後の経過や回復状況の確認などを行います。
■検査・測定項目
  • 尿・血圧・血液検査:妊娠中との変化
  • 体重の測定:極端な増減がないか など
■医師の診察(内診)
  • 会陰の縫合跡
  • 子宮の戻り
  • 悪露の状態 など
■助産師の面談
  • 授乳状態の確認・相談
  • 育児や心配事の相談
■問診
  • 精神面や困りごとなどに関する質問

1ヶ月健診のよくある疑問

かかる時間や費用、当日の持ち物や服装、移動手段など、1ヶ月健診に関するよくある疑問を解説します。不安なことは、受診する医療機関へ事前に確認しておくと安心です。

所要時間はどれくらい?

1ヶ月健診にかかる時間は病院によって異なりますが、一般的には2~3時間ほど。赤ちゃんとママでそれぞれ1時間程度と考えておくと良いでしょう。
■1ヶ月健診の流れ
  1. 問診
  2. 身体測定
  3. 各種検査
  4. 医師による診察
  5. 保健師や栄養士による授乳などの保健指導

費用はいくらかかる?

基本的には保険が適用されないため、1ヶ月健診は全額自費となります。相場は母子合わせて5,000〜10,000円ほどです。医療機関によっては出産費用に含まれていたり、自治体によっては助成金が出たりするので、事前に確認しておきましょう。

当日の持ち物は?

かばんに詰め込まれたベビーグッズ
持ち物については医療機関から案内があるので、そちらを参考にしましょう。一般的には下記のようなものが必要です。
■必須の持ち物
  • 健診のお知らせ(問診票)
  • 母子健康手帳
  • 診察券
  • 乳児医療証
  • 赤ちゃんとママの健康保険証
基本的には保険適用外なので健康保険証を使わない場合が多いですが、検査結果によっては診療が必要になるため持っておくと安心です。もし赤ちゃんの保険証が1ヶ月健診までに間に合わないようであれば、医療機関へその旨を伝え、どのような対応になるか確認しておきましょう。
■あると便利なもの
  • 赤ちゃんの着替え・おむつ
  • ミルク・授乳ケープ
  • メモ・ペン
  • バスタオル
バスタオルはおくるみや敷物代わりになるので、健診が長時間に渡る場合に備えて準備しておくと便利です。
■その他
  • 自治体の補助券 など

どんな服装で行くべき?

赤ちゃんの着替えをする人の手元
赤ちゃんは、着脱しやすい前開きの服がおすすめです。室内と外の温度変化に対応できるよう、おくるみを用意しておくと良いでしょう。バスタオルでも代用できます。
ママは、脱ぎ着がしやすく動きやすい服装を選びましょう。授乳する時のことも考え、前開きのトップスにスカートが便利です。

病院まではどうやって移動する?

赤ちゃんはまだ抵抗力が弱い時期なので、不特定多数が利用する電車やバスではなく、できればタクシーや自家用車の利用が望ましいと言えます。公共交通機関を使わなければいけない場合は、空いている時間帯を選び、エレベーターの場所などを事前に確認してから向かいましょう。

1ヶ月健診が終わったらできること

公園で赤ちゃんと遊ぶママ
1ヶ月健診が終わったら、次第にママは元の生活に戻り、赤ちゃんは外の世界に慣れていく時期です。1ヶ月健診で医師の了承が得られたらできることを紹介します。

赤ちゃんができること

■外気浴
1ヶ月健診で問題がなければ、外気浴ができるようになります。徐々に外の空気に触れさせ、少しずつ外の世界に慣れさせることで、赤ちゃんに抵抗力がついてきます。寒い季節や体調の悪い時は無理をせず、天気の良い日にゆっくりとお散歩を楽しみましょう。
■入浴
1ヶ月を過ぎたあたりで赤ちゃんはベビーバスを卒業し、湯船に入れるようになります。赤ちゃんとのスキンシップを楽しめるだけではなく、コミュニケーションもしっかり取れる大切な時間です。

ママができること

■生活全般
ママの体調に問題がなければ、徐々に体を動かして元の生活に戻すことが可能です。疲れている時は無理をせずに、ゆっくりと新しい生活のペースを作っていきましょう。
■入浴
産後すぐは子宮口が開いているためシャワーのみとされていますが、1ヶ月健診で医師の確認が取れたらママも湯船に浸かれるようになります。

1ヶ月以外もある!赤ちゃんの健診

赤ちゃんの手と聴診器
1ヶ月健診以外にも赤ちゃんには定期健診があります。医療機関や自治体によって異なる場合もあるので、必ずお知らせをチェックし、予防接種のスケジュールを考慮しながら受診しましょう。

1歳までの健診

1歳までは、定期的な健診をしている医療機関が多くあります。主な項目は身体測定や診察、育児相談です。その他、月齢ごとのチェック項目は下記のようなものがあります。
■3〜4ヶ月健診
  • 首のすわり
  • 股関節脱臼
  • あやすと笑うかなどの発達のチェック
  • BCGの予防接種や離乳食開始の説明
■6〜7ヶ月健診
  • 寝返りやおすわり
  • おもちゃへの関心など心身の発達チェック
■9~10ヶ月健診
  • ハイハイやつかまり立ち
  • おもちゃをつかむかなど心身の発達チェック

1歳以上の健診

母子健康法により、1歳6ヶ月と3歳の健診は法的義務とされているため、各自治体が行っています。主な項目は下記の通りです。
■1歳6ヶ月健診
  • 身体測定
  • 内科診察
  • 歯科診察
  • 育児相談 など
乳児期から幼児期に移行する大切な時期なので、気になることがあればしっかり相談しておきましょう。
■3歳健診
  • 身体測定
  • 内科診察
  • 歯科診察
  • 尿検査
  • 育児相談 など
3歳健診では、赤ちゃんの心身の発達を調べるのが主な目的です。

赤ちゃんにもママにも大切な1ヶ月健診はぜひ受診を

診察を受ける赤ちゃん
1ヶ月健診は心身の健康状態を確認してもらえるだけではなく、育児の困りごとを相談するのにも良い機会です。まだ外出に慣れていない赤ちゃんに合わせて準備を整え、できる限り受診するようにしましょう。1ヶ月健診が終わったらできることが増えるので、赤ちゃんと一緒に新しい生活スタイルを作ってくださいね。
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