夫婦の一方が担うワンオペ育児。辛い状況を防ぐ方法や乗り越えるコツを紹介

ワンオペ育児とは?意味と背景

眠っている赤ちゃんに触れる親の手
インターネットを中心に広まったワンオペ育児という言葉。その言葉の意味と、言葉が広まった背景を紹介します。

ワンオペ育児の意味

ワンオペは「ワンオペレーション」の略で、物事の担い手が1人しかいない状態を指します。そこから発展し、ワンオペで行う育児をワンオペ育児と表すようになりました。具体的には、夫婦どちらか1人に家事や育児の負担が偏っている状態を言います。

言葉の背景

2014年頃、飲食チェーン店などですべての仕事を1人でこなさなければいけない状況が問題となり、ワンオペという言葉が使われ始めました。その過酷な状況が、1人で家事育児に奮闘する母親たちの状況に似ているとしてワンオペ育児という造語が誕生し、SNSを中心に2015年頃から一気に広まりました。

ワンオペ育児の実態

子どもにごはんを食べさせる女性
続いては総務省統計局や厚生労働省が行ったアンケートをもとに、男女の家事育児時間を考察し、ワンオペ育児の実態を紹介します。

日本では女性の家事育児時間は男性の5倍以上

総務省が平成28年に行った調査によると、6歳未満の子どもがいる世帯の1日当たりの家族育児時間は、夫が1時間23分、妻は7時間34分と、夫婦で6時間以上の開きがみられました。また、過去20年間の家事育児それぞれの時間の推移では、夫は家事時間17分で12分の増加、育児時間49分で31分の増加に対し、妻は家事時間3時間7分で1時間1分の減少、育児時間は3時間45分で1時間2分増加しています。
調査結果から、夫の家事育児時間も増えてきてはいるものの、現代でも妻の負担が圧倒的に大きいことがわかります。

共働きであっても育児の担い手は女性

次に共働きの家庭をみてみましょう。厚生労働省が令和2年に行ったアンケート調査では、正社員の男性が1日に育児にかける時間は「1時間〜2時間未満」が31%で最も多い一方、正社員の女性が育児にかける時間は「8時間以上」が29.4%を占めています。共働きであっても、日本では未だ妻の方が育児の負担は大きいようです。

ワンオペ育児に陥りやすい原因

家で遊ぶ親子
ワンオペ育児になってしまう原因は家庭によってさまざまですが、パートナーの仕事の都合や環境によることが多いようです。ワンオペ育児になりやすい主な原因を紹介します。

パートナーに頼りづらい

パートナーになかなか頼れない原因は2つのケースが考えられます。
1つ目は、仕事が忙しく頼るのが難しいケース。パートナーの方が仕事で朝家を出るのが早く夜の帰りが遅い、出張が多かったり単身赴任中であったりするなど、あまり家にいないことが挙げられます。
2つ目は、育児への理解がないケースです。妻もしくは夫に家事や育児を任せっきりにし、積極的に参加しようという姿勢が見られないパートナーもいます。家事が苦手だという理由もあるようです。

周りに頼れる人がいない

近年ではパートナー以外にも、頼れる人が現れづらいことも原因となっています。例えば、実家が遠方でなかなか帰れない、親が既に他界しているといった場合や、気軽に頼りづらいという人もいるでしょう。
また最近では、近所付き合いが希薄になりがちで、近くに相談できる人やサポートしてくれる人が現れにくいのも一因です。子どもが生まれて環境が変わり、悩みを相談できる友達が近くにいないという人も少なくありません。

辛いワンオペ育児に陥るのを防ぐ方法

子どもの面倒を見る夫婦
ワンオペ育児を防ぐには、夫婦ふたりの協力が必要不可欠です。ここでは、ワンオペ育児に陥らないための防止策を紹介します。

​​パートナーの親としての成長を見守る

日本では「家事や育児は女性の仕事」という認識を持った人がまだ少なからずいます。そのため共働きでも、妻に負担が偏りがちです。そんな認識を持つ夫が抵抗なく家事・育児をできるようになるには、妻の温かい見守りの時間が必要。家事・育児のやり方を教える時には褒めることを意識して、パパも一緒に成長を目指しましょう。

必要な家事を整理して、分担を決めておく

仕事などで協力を仰ぎづらい場合は、事前にしっかり役割分担を決めておくとスムーズです。
まずは一日の流れに沿って、日々の生活や子育てにはどんな家事が必要なのか書き出しましょう。料理や掃除だけでなく、子どもの身支度などささいなことも書き出します。1つずつの作業をリストアップして「見える化」することで、パートナーに何をしてほしいかを伝えやすくなります。
そして夫婦それぞれできるものをチェックすれば、分担表の完成です。その後も定期的に分担ややり方について話し合うのが円滑に続けるコツです。

休日の過ごし方を夫婦で話し合っておく

仕事が休みでも、子育ては年中無休。お互いに工夫して、息抜きできる時間を作るのも大切です。たまには外食やテイクアウトなどを利用し、家事を簡略化するのも良いかもしれません。他にも午前中は子どもを夫に任せて妻は自分の時間を過ごし、午後からは交代して旦那に趣味を満喫してもらうなど、計画的に気分転換するのがおすすめです。

ワンオペ育児を乗り越えるコツ

子どもを抱く笑顔の女性と向かい合う男性
1人ですべてやろうとせずに、時には周囲の人に協力を求め、なるべく肩の荷を下ろしていくのがワンオペ育児を乗り越えるコツ。最後に、周囲へ気持ちを伝えやすくする方法と、家事の負担を減らす方法や便利なサービスを紹介します。

パートナーに分かりやすく気持ちを伝える

「言わなくてもわかってくれる」ではなく、気持ちははっきりと分かりやすい言葉で伝えるのが大切です。一度今の気持ちや手伝ってほしいことを文字に書き出してみると、頭の中を整理できて冷静な話し合いがしやすくなります。
家事も育児も本来は夫婦ふたりのものなので、協力して当然ではありますが、頼んだことをやってくれたらお互い「ありがとう」と感謝を伝えることも忘れないでください。

悩みを打ち明けられる場を作る

1人で抱え込むとどんどん不満が大きくなってしまいます。時には愚痴を吐くことで気持ちがスッキリし、また頑張ろうと前向きな気持ちになれるでしょう。
もし周囲に話せる人がいない場合は、地域の児童館や支援センターに行けば、同じ悩みを抱える人と出会えることがあります。SNSで気持ちを吐き出す方法もありますが、心ない言葉を投げかけてくる人もいるので、ツールの性質を理解した上で注意して活用しましょう。

家事の効率化を図る

家事は完璧を目指さなくて大丈夫。毎日しないといけない家事と、回数を減らしても困らない家事に分けて、効率化を図ってみてはいかがでしょうか。例えばお風呂掃除だと、忙しい日は浴槽をスプレーで洗い流すだけにして、仕事が休みの日に浴室全体の掃除をするようにすると、日々の負担を減らせます。
また、近年では料理・掃除・洗濯などの家事の手間を省ける家電がたくさん登場しているので、導入を検討してみても良いかもしれません。
そして買い物においては、便利な宅配サービスがあります。買い物に行く時間と手間を省けるだけでなく、重いお米やかさばるトイレットペーパーを購入する時にも便利です。Coop宅配なら、その他生鮮食品から日用品まで、あらゆる商品を家まで届けてくれます。
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育児支援や家事代行サービスを活用する

最近では、家事代行やベビーシッターなど、子育てをサポートしてくれるサービスが増えてきました。自治体によっては、幼稚園や保育園の一時預かり、育児や介護をサポートしてくれるファミリーサポートなどの取り組みもあるので、住んでいる地域のサービスを確認してみるのがおすすめです。
人手が足りない時はもちろん、疲れやストレスが溜まった時にも、自分の時間を楽しみリフレッシュするのに役立ちます。

周囲の協力や家事の効率化を図ってワンオペ育児を防ごう

公園で遊ぶ子どもと両親
人で仕事・家事・育児のすべてを完璧にこなすのは難しいでしょう。責任感の強い人ほど、1人で抱え込みがちですが、時には周囲の人に助けを求めることも必要です。まずは夫婦で話し合い、家事育児の役割分担を考えたり、外部サービスの利用を検討したりして自分達に合った方法を探してみてくださいね。

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