つらい今を何とかしたい!「産後ドゥーラ」がママに必要なサポートを徹底解説!
出産後のママは、家事に育児に大忙し。そんな中で、周囲に頼ることができずに孤独感を感じたり、相談できない悩みを抱えているママは非常に多く、社会的にも大きな問題です。
そこで今回は、「産後ドゥーラ」のお二人に、現代のママが抱える悩みと、具体的なドゥーラの活用例について伺いました。

今回お話いただくのは

菅原奈央さん

菅原奈央さん

ドゥーラせんだい代表
一般社団法人ドゥーラ協会 認定産後ドゥーラ

元調理師。ご自身の出産時に「産後ギャップ」を感じ、周囲に頼れる人が見つけられなかった経験から、自身がドゥーラになることを決意されたそう。
板橋久美子さん

板橋久美子さん

一般社団法人ドゥーラ協会 認定産後ドゥーラ

元保育士。ご自身の娘さんが出産される際に、仕事で産後の手伝いができず困った時「産後ドゥーラ」の存在を知った。
その後、保育士と子育ての経験を生かした新たな活動として、ドゥーラの資格を取得されたとのこと。
今回お話を伺ったのは、ドゥーラせんだい代表で認定産後ドゥーラの菅原奈央さんと、同じく認定産後ドゥーラの板橋久美子​さん。

今回は、現代のお母さんが抱える悩みや、産後に必要なサポートについて、産後ドゥーラの視点からお二人にお話いただきました。

産後ドゥーラとは?

産後ドゥーラ板橋さんと菅原さん
―――産後ドゥーラは、どのようなサービスなのでしょうか。
菅原さん 家事・育児はもちろん、お母さんのお話を伺いながらメンタル面のサポートもしています。
産後ドゥーラは、基本的には生後6ヶ月までの赤ちゃんがいらっしゃるお母さんをサポートしています。希望された場合は、最大1歳半までサポートに入ることができます。

お母さんの産後の体を休めてもらって、体が安定したら、赤ちゃんと一緒に社会に出て、自分の足で立っていけるようになるまでの支えが、私たちの役目だと思っています。

最近では、お父さんが育休を取られることもありますので、お父さんからのご相談はもちろん、お料理のレシピなどをお伝えすることもあります。特に出産直後は、お父さんとお母さん2人で赤ちゃんの面倒を見ていても、ヘロヘロに疲れてしまうこともあるかと思います。掃除などの家事まで手が回らない場合、産後ドゥーラのサポートを利用いただければと思います。

現在私たちは行政との連携も進めており、今年の4月から、仙台で活躍しているドゥーラが育児ヘルパー事業の任意団体として登録されています。仙台市にお住まいの方は、補助金で利用いただくことが可能になったんです。(詳しくはこちら
―――ベビーシッターとの違いを教えてください。
菅原さん ベビーシッターは赤ちゃんだけをお預かりしますが、私たち産後ドゥーラは、お母さんをメインに、赤ちゃんと家族をサポートします。お母さんの心と体を守るために、赤ちゃんを見ながら家事をして、お母さんとお話をします。

お母さんは赤ちゃんと結びつきが強いものだと思いますが、その強さだけに頼ると折れてしまうこともあります。それを防ぐために、ドゥーラが家族を優しく包むようなイメージです。

産前産後のママに必要なサポートとは

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―――現代のママが抱える問題にはどんなものがありますか。
菅原さん 在宅勤務など働き方は変化していますが、まだまだお母さん1人で子育てをしている場合が多いです。転勤などで実家が遠方のため頼れる親族が近くにいなかったり、そもそも実家と疎遠であったりする場合もあります。ロールモデルになる母親がいなくて、孤独感を抱えているお母さんが多いですね。

板橋さん 社会環境の変化により、里帰りしないお母さんが増えていると感じます。仙台では、実家が比較的近いため、実家でのサポートを受けられる方もいますが、一方で全くお手伝いをしてもらえない方もいて、二極化している印象です。
―――ドゥーラを利用される方は、働くお母さんが多いのでしょうか。
菅原さん 共働きの方は多い印象ですが、働いていない方もいます。

お勤めの方ですと、3ヶ月半〜2年くらいの産休を取られている印象で、その中でも1年が一番多いです。自営業の方だと、産後2週間で復帰される方もいます。

「仕事をしたいけど預けられない」という方も多く、保育園に入れないし、ベビーシッターも見つからない、と困っている方もいます。働きたいお母さんが育児をしながら働ける環境がまだまだ少ないと感じますね。
―――お母さんから悩みを相談されることはありますか?
菅原さん あります。特に、育児と仕事の両立についてのお悩みやジレンマをお話いただくことが多いですね。仕事へ復帰する際、不安に感じていらっしゃる方は多い印象です。もちろん育児に関するお悩みや質問も伺っています。
―――お悩みや質問には、どのようにお答えされているのでしょうか。
菅原さん 個人的に「どう乗り切ったのですか?」という質問には個人の見解をお話しますが、基本的に相談にお答えする時は、お母さんの話をしっかりと伺い、数ある育児の方法から2〜3種類の情報を提供して、お母さんに選択していただく方法で支援をしています。

ドゥーラは、産後の母体の変化についてや、赤ちゃんの発達についての基礎知識を学んでいますが、それを超えるような質問(例:離乳食など)については、独学で勉強しています。更にそれ以上の専門知識については、保育士さんや助産師さんなどを紹介し、地域の機関につなげられるようにしています。

ドゥーラのサポートは、まずお母さんの話を聞くことから

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―――お母さんの負担を少しでも軽くするために、ドゥーラが大切にしていることを教えていただけますか。
板橋さん 家事や育児の合間にお母さんとお話することを大事にしています。雑談を通じて、ストレスが解消したり、誰かに話したい欲求が満たされたりすると思うので、できるだけ話しやすい和やかな雰囲気を作るようにしています。お母さんに寄り添い、何を求めていらっしゃるのかを察知することを意識してサポートしています。

菅原さん 私も掃除や赤ちゃんを抱っこしている合間に、お母さんがモヤモヤしている気持ちを言語化するお手伝いをしています。辛かったことや我慢していることをお話してもらい、改めて自身の価値観について考えてもらう時間を作るようにしています。
―――産後だけでなく、妊娠中の体調が悪いときもドゥーラのサポートを受けられると聞きました。具体的にどのような支援をしていただけるのでしょうか。
菅原さん 主に、妊娠初期につわりがひどいため、料理や掃除ができない、上のお子さんの面倒を見るのが難しい、という理由で依頼いただいています。

もうひとつのサポートは、産後の生活をイメージし、ざっくりとした産後のプランを組み立てることです。もちろん、産後のお母さんの体調不良などで、出産後にイメージしていたプランがなし崩しになってしまうこともあります。そういったときには、お母さんが安心して休んでもらえるよう、お父さんに育児や家事のやり方をお伝えしています。

子育ては、どうしてもお母さんに集中してしまいがちですが、その後の夫婦生活をより良くするためにも、お父さんとお母さんが同じスタートラインで一緒に走り出せるような環境を整えるサポートをしています。
産後ドゥーラ 菅原さん
―――ドゥーラが考える「子育て」とはどういったものですか?
菅原さん かつての日本の子育ては、「お母さんが家を守りお父さんが仕事をする」イメージが強かったと思いますが、今は共働きも増えており、子育ての形が変わってきています。お父さんとお母さんが仲良く過ごし、共に子どもに関わる日常を送って欲しいと思います。

また昔の日本では、地域全体で子育てをする文化がありましたが、今は地域との繋がりも少なくなっています。お母さんの中には、地域とのコミュニケーションを取りたいけれど、悪い噂を聞いて疑心暗鬼になってしまい、結果として家に籠もってしまう方もいます。

そんなどうにもならない産後の思いをドゥーラが受け取ることによって、安心できる人や頼れる人を見つけることに繋がり、前向きに進んでいけるのではないかと思います。お母さんにとって、1人でも安心できる人がそばにいることは重要だと考えています。

板橋さん 今まで小さいお子さんに関わったことがなく、自分の赤ちゃんが初めて子どもと関わる経験になるため、どうやって子どもと接したらいいかわからないというお母さんが増えています。

子どもが子どもらしい感情を出し、それをお父さんとお母さんが健全に受け止めるためには、親の気持ちが安定していることが大切です。私たちがご両親をサポートすることで、落ち着いた気持ちでお子さんの感情を受け止めてほしいと思います。

産後ドゥーラの利用例

産後ドゥーラ板橋さんと菅原さん
―――ドゥーラのサポートについて、スケジュール感や依頼できる内容について、具体的に教えていただけますか。
菅原さん 2〜3時間のご依頼が多いです。産後すぐのサポートの場合、最初の15〜30分で、ドゥーラのサポート内容の説明とともに、お母さんのお話を伺います。お子さんが寝ていなければ沐浴をした後、寝かしつけをします。その後、お母さんにもお休みいただき、その間に私たちは料理をしたり掃除をしたりします。

場合によっては、お母さんのお話を1時間伺うことや、お料理を作ってほしいというご依頼から2時間かけて作り置き料理を作ることもあります。
―――料理の作り置きをされる際に、コープの食材を使われることはありますか。
菅原さん 沢山あります!コープの宅配を利用されている方は多いです。宅配を受け取り、その野菜や肉を使って料理を作ることがあります。

コープは、離乳食をはじめ、お母さんをサポートする商品が多いですよね。新鮮な野菜はもちろん、レンジでチンするだけで食べられる冷凍食品や子どものおやつ、トイレットペーパーなどの雑貨品、ペットボトルなどの重たい商品まで、なんでもあるので本当に頼れるサービスだと思います。

私自身も妊娠中にすくすくばこをもらったタイミングでコープに入りました。コープの配達員さんは、商品を渡すときにお話ししてくださる方が多いのが好印象ですね。1人で子育てをしている方にとっては、少しでも気にかけてくれるだけでも嬉しいと思います。

板橋さん コープの子ども用の小さいサイズのうどんは、すごく良い商品ですよね!コープの離乳食や幼児食への対応と、種類の多さは素晴らしいと思います。

ドゥーラから、お母さんたちへメッセージ

産後ドゥーラ 板橋さん
板橋さん 出産までのイメージはしているけれど、産後のイメージをされていない方が多い印象があります。「なんとかなるさ」と思っていても、実際はできなかったという方もいます。出産後は、自分のペースで生活することが難しくなります。今まで家事も仕事もこなしてきたけど、子どもが生まれた途端全くできなくなり、ひどく落ち込んで心を病まれる方もいます。

でも、できなくて当たり前なんですよね。そんな時は、誰かを頼って、決して子育てを1人で頑張ろうとしないでほしいですね。大事なのは、家族が笑顔で過ごせることです。

真面目なお母さんは、離乳食を手作りで頑張ろうとする方もいますが、それを子どもが食べてくれなかったら心が折れてしまいますよね。時々は冷凍食品や出来合いのお惣菜を利用したり、食洗機やロボット掃除機などの便利な家電などを活用したりして、うまく「手抜き」をしながら、家族みんなで笑い合う時間を大事にしてほしいと思います。
産後ドゥーラ 菅原さん
菅原さん 私がサポートに伺った際、お母さんの中には、育児ヘルパーや産後ドゥーラなどのサービスに頼る自分はダメだという思いや、助けを求めた挫折感をお話しいただくことがあります。

真面目でストイックなお母さんほど、「母」として「妻」としての責任感が強いため、このような考え方になるのだと思いますが、「人に助けを求められるのは、素晴らしいこと」だとお伝えしています。

「私が我慢すればうまくいく」と考えているお母さんがいますが、そのうちどこかで歪みが出て、うまくいかなくなっていきます。「子育てに我慢は必要ない」ので、まず自分が幸せに生きられる方法を考えてほしいですね。

赤ちゃんが生まれると1日のタスクがとても多くなります。赤ちゃんのお世話は優先度が高く人に頼りづらいですが、料理や掃除などは誰かにやってもらうことで、少しでもラクにすることが可能です。

その中でも買い物は、結構体力と時間を取られるもののひとつです。コープの宅配を利用するなど、少しでも疲れないように、使えるものは何でも使ったほうがいいと思います。

むしろ、「子どもを育てながら、自分自身の心と体を守るために宅配を賢く利用している、私すごい!」と思ってほしいですね。

私には、全ての子どもたちが元気に育っていってほしいという願いがあります。そのために、これからもお父さんとお母さんの両方をサポートしていきたいですね。

「無理をしない」育児で、家族みんなが笑顔で幸せに

子どもが健やかに育つためには、お父さんとお母さんの気持ちが安定していることが大切です。決して自分だけで頑張ろうとせずに、育児サービスや宅配などを賢く利用してみてはいかがでしょうか。
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