INDEX
- 赤ちゃんにできやすいあせもの特徴
- あせもができやすい部位
- できやすいあせもの種類
- 赤ちゃんにあせもができやすい原因と理由
- 赤ちゃんは大人より汗をかきやすい
- 赤ちゃんの肌はデリケートで刺激に弱い
- 赤ちゃんにあせもができてしまった時の対処法
- 肌を清潔に保ちしっかり保湿をする
- 赤ちゃんが掻きむしらないように注意する
- 症状が治まらない場合や繰り返す場合は早めに受診する
- 赤ちゃんのあせもの予防法
- 汗をかいたままにせず、肌を清潔に保つ
- しっかり保湿をする
- 吸水性・通気性が良く、やわらかい素材の衣服を選ぶ
- 室内の温度や室温を調える
- 赤ちゃんのあせもと似た症状、アトピーとの見分け方
- あせもは汗管に汗が詰まり肌がかぶれる湿疹
- アトピーはアレルギー反応やバリア機能の低下による湿疹
- 赤ちゃんのあせもは正しい対策と予防でケアしよう
監修:竹中美恵子先生
赤ちゃんにできやすいあせもの特徴
まずは赤ちゃんにできやすいあせもの特徴を見ていきましょう。あせもは汗をたくさんかくことで汗腺がつまり、かゆみや赤い湿疹ができる肌のトラブルです。
あせもができやすい部位
あせもは、汗腺が密集して汗をかきやすい部位にできやすいのが特徴です。あせもは、医学的には「汗疹」といい、汗の出口である汗孔(かんこう)が汚れやほこりでふさがり、汗腺に汗が詰まって皮膚炎をおこした状態のことです。
【赤ちゃんの体であせもができやすい部位】
- ひじ・ひざ関節の内側部位
- 寝具などで蒸れやすい後頭部や背中
- おむつでおおわれた部分(特に腰や股のあたり)
できやすいあせもの種類
赤ちゃんにできやすいあせもは、おもに水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)と紅色汗疹(こうしょくかんしん)の2種類です。どちらも汗管が詰まって起こる肌トラブルですが、詰まり方が異なります。
■水晶様汗疹(白いあせも)
皮膚の浅いところで汗がつまる、軽度のあせものこと。直径数mmの透明な小さな水ぶくれがポツポツとできますが、炎症によるかゆみはなく、肌も赤くならないので「白いあせも」と呼ばれています。
皮膚の浅いところで汗がつまる、軽度のあせものこと。直径数mmの透明な小さな水ぶくれがポツポツとできますが、炎症によるかゆみはなく、肌も赤くならないので「白いあせも」と呼ばれています。
■紅色汗疹(赤いあせも)
皮膚のやや深いところで汗が詰まることで起こるあせものこと。1~2mm程度の発疹ができ、炎症により肌が赤くなるので「赤いあせも」とも呼ばれます。ヒリヒリとした痛みや強いかゆみを伴い、掻きむしって悪化しやすいのが特徴です。
皮膚のやや深いところで汗が詰まることで起こるあせものこと。1~2mm程度の発疹ができ、炎症により肌が赤くなるので「赤いあせも」とも呼ばれます。ヒリヒリとした痛みや強いかゆみを伴い、掻きむしって悪化しやすいのが特徴です。
赤ちゃんにあせもができやすい原因と理由
赤ちゃんは大人に比べてあせもができやすく、特に汗ばむ季節に症状が出やすくなります。赤ちゃんにあせもができやすい原因を紹介します。
赤ちゃんは大人より汗をかきやすい
赤ちゃんは大人よりも汗をかきやすいため、あせもになりやすい状態です。汗は汗腺から出ますが、大人も赤ちゃんも汗腺の数は同じ。そのため、体が小さい赤ちゃんは大人よりも体の表面積が小さく、汗腺の密度が高くなります。また赤ちゃんは新陳代謝が活発で、大人よりも体温が高い点も汗をかきやすい理由の一つです。
赤ちゃんの肌はデリケートで刺激に弱い
赤ちゃんの肌は、大人に比べて薄くてデリケートなため、汚れや汗の成分による刺激に弱くトラブルになりやすいものです。また赤ちゃんは自分からは不快感を伝えらないので、あせもができるまで回りが気づきにくいことも原因になります。さらに軽度のあせもでも違和感を覚えて患部を掻きむしってしまい、悪化させやすいので注意が必要です。
赤ちゃんにあせもができてしまった時の対処法
ここからは、赤ちゃんにあせもができてしまった時の対処法について紹介します。あせもができた場合はスキンケアを心がけ、赤ちゃんが掻きむしらないように注意しましょう。
肌を清潔に保ちしっかり保湿をする
あせもの原因は汗管が詰まることなので、こまめなスキンケアを心がけて肌を清潔に保つことが大切です。汗をかいたらそのままにせず、シャワーや入浴をして洗い流してください。また、洗う際には石けんをしっかりと泡立て、肌をこすらないように優しく洗ってしっかりすすぎましょう。洗った後はしっかり保湿をし、清潔な衣類を着せて赤ちゃんのデリケートな肌を守ってください。
赤ちゃんが掻きむしらないように注意する
赤ちゃんがあせもの患部を掻きむしらないように注意してください。掻きむしってしまうと患部に細菌が入り、感染症になるリスクが高まります。普段から掻きむしらないように赤ちゃんの爪を短く切る、ミトンをはめるなどの工夫をすると良いでしょう。また患部を保冷剤などで冷やしてあげると、かゆみが和らぎます。
症状が治まらない場合や繰り返す場合は早めに受診する
軽度のあせもの場合はスキンケアを続けていれば、通常、2~3日で良くなります。ですが、赤いぽつぽつが目立つ場合は炎症が起きているので、皮膚科や小児科を受診するのがおすすめです。
一度スキンケアで治っても同じような症状を繰り返す場合は、別の病気の可能性もあります。特に月齢の小さな赤ちゃんは、アトピーといった他の病気との判断が難しいため、自己判断は禁物です。症状が悪化する・何度も繰り返すようであれば、皮膚科や小児科を受診してください。
赤ちゃんのあせもの予防法
あせもにならないための予防法について紹介します。大切なのは汗をかいたらそのままにしない、しっかり保湿する、通気性・吸水性の良い服を選ぶことです。
汗をかいたままにせず、肌を清潔に保つ
あせもの予防には汗腺に汗が溜まらないように、肌を清潔にすることが大切です。汗をかいたら濡れたタオルで体を拭く、こまめに着替えるなどをして汗をそのまま放置しないようにしてください。特に汗をかく季節は、こまめにシャワーを浴びるのも良いです。ただし、洗いすぎは肌表面に必要な皮脂まで奪うので、石けんを使うのは1日1回にしましょう。
石けんで洗う際はしっかり泡を立て、肌をこすらないようにやさしく洗います。石けんが肌に残らないように、しっかりすすぎます。すすいだ後に湯船に入ると、石けんが肌に残らずきれいに落ちるのでおすすめです。
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しっかり保湿をする
肌を拭いたり、入浴したりした後はしっかり保湿をすることも大切です。赤ちゃんの肌は大人よりも薄くてバリア機能も未発達なうえ、特に生後2~3ヵ月頃からは肌が乾燥しやすくなります。しっかり保湿をすることで肌の乾燥を防ぎ、肌のバリア機能を高めて、あせもができにくい肌を作りましょう。またバリア機能を高めることは、アレルゲンの侵入を防ぎ、アトピーの予防にもつながります。
吸水性・通気性が良く、やわらかい素材の衣服を選ぶ
赤ちゃんの肌に優しい、通気性・吸湿性が良くてやわらかい素材の衣服を選びましょう。綿100%の肌着がおすすめです。夏や暑い日には、熱のこもりやすいロンパースのような服装は避けたほうが無難です。トップスはノースリーブよりも、袖があるタイプのほうが汗を吸い取りやすく、紫外線予防にもなります。また、おむつを付けている部分、腰や股のあたりなどもあせもができやすいため、おむつも汗を吸収し、肌触りのよいものを選びましょう。
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室内の温度や室温を調える
エアコンや除湿器を使い、快適な環境に整えることもあせもの予防につながります。赤ちゃんは体温調節が苦手なため、高温多湿の部屋で過ごすと大人よりも汗をかきやすくあせもになりやすいもの。湿度は40%~60%、室温は夏26〜28度・冬20〜22度を目安に室内の環境を整えましょう。
赤ちゃんのあせもと似た症状、アトピーとの見分け方
あせもと同じように、汗をかきやすい部位に出やすい湿疹にアトピーがあります。最後にあせもとアトピーの見分け方について紹介します。
あせもは汗管に汗が詰まり肌がかぶれる湿疹
あせもは汗管が汗でつまり炎症を起こした状態です。そのため、背中や脇、腰の周りなど、汗腺が多く汗をかきやすい場所にできます。赤ちゃんや子どもにできやすく、たくさん汗をかく暑い時期に発症しやすく、肌を清潔にして、保湿を心がけることで治りやすいのが特徴です。
アトピーはアレルギー反応やバリア機能の低下による湿疹
アトピーは、アレルギー反応や肌表面の角層のバリア機能の低下により起こる皮膚炎です。あせもとの大きな違いは、強いかゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪化したりを繰り返すこと。
肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激や異物が体内に入り、かゆみや炎症を引き起こします。湿疹や強いかゆみを伴うために掻いてしまい、掻くことでさらにかゆみを誘発し症状が悪化することが多いのも特徴です。炎症を抑えるためには適切な治療が必要なので、皮膚科や小児科を受診してください。バリア機能の低下により肌が乾燥しやすいため、保湿ケアも必要です。
赤ちゃんのあせもは正しい対策と予防でケアしよう
あせもは汗により起こる肌トラブルですが、体温調節するためには汗をかくことも大切です。汗をかいた時には拭き取り、肌を清潔にする、保湿をするなどのケアを行うことがあせもの予防につながります。ですが、同じ症状を繰り返したり、炎症が悪化したりする場合は、早めに受診をして正しい治療をしましょう。
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難病指定医/小児慢性特定疾患指定医/子どもの心相談医/高濃度ビタミンC点滴療法認定医/キレーション認定医
亡き祖父のあとを追い小児科医の道へ進む。小児科を受診する患者さんの約6割は皮膚疾患を合併しているという現実を目の当たりにし、小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で見られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。子供の調子が悪い時は、家族全員が調子が悪い時、家族全員のかかりつけとしてとっていただけるように話しやすい環境、変化する医療をできるだけ早く取り入れ、日々研鑽している。
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