突然の災害から家族を守るには?親子で考える「防災教育」のすすめ
地震や台風などの災害の多い日本ですが、ご家庭での災害対策は万全ですか。災害はある日突然発生し、それはお子さんが一人でいるときかもしれません。
今回は、9月1日の防災の日を前に、家庭での防災意識の重要性を再確認し、災害時の行動や備蓄のポイント、さらには生協でできる災害への備え方についてご紹介します。この機会に、防災について親子で考えてみませんか。

今回お話を聞いたのは

一般社団法人 日本防災共育協会 村山京子さん

保育園や小学校などを中心に、防災に関する講演や体験型のイベントなどを全国各地で企画・実施しており、特に子どもたちへの防災教育に尽力されている。

9月1日は『防災の日』!親子で防災を考えるポイントとは

防災グッズの写真
―――防災に関する普及活動をされている中で、世の中の防災意識についてどう感じていますか?
いつか災害が来ることはわかっているけれど、「何をしたらいいかわからない」という方が多いように思います。
災害に備えて、特別なものを用意しておかなければいけない、と思っている方も多い印象です。ですが、必ずしも高額な防災セットを準備しておく必要はないですし、もっと身近に防災を考えてもらえるといいのかなと思います。
―――親子の防災意識については、どう考えていますか。
子どもが一人の時に災害が起きたとき、必ずしも親がそばにいるとは限りません。自分で自分の身を守るために、普段から親子で防災に関する話をしておくとよいです。
例えば、災害時には家具が倒れてきたり、高いところからモノが落ちてきて割れたりしますよね。
大人が当たり前にイメージできることでも、子どもはできないことが多いです。そのような危険性について具体的にどうしたらいいのか、一緒に考えておくことが大切です。

他にも、ご飯を食べ終えたら食器や包丁などの調理器具を洗って水切りマットに置いておきますよね。そんなときに災害が発生したら食器や調理器具が飛んでくることもあります。洗ったらすぐに拭いてしまうことで防ぐことができますし、その少しの意識の違いが防災意識に繋がっていくと思います。

また、災害が発生した後、非常用袋の中身や使い方についても、一緒に考えておきましょう。
例えば、非常用袋に入っている食料やお菓子について、災害時は簡単に食料が手に入らないことが想定されますよね。そこで、「すべてを一度に食べるのではなく、一個ずつなど少しずつ食べるようにしよう」と話をしておくとよいと思います。道具の使い方についても、寒いなと思った時は、防災用のアルミシートで体をくるむと暖かくなる、といったことも伝えておくといいですね。

お子さんの危機管理能力を高め、一緒に考える「防災教育」を日常生活の中でしておくことが重要です。
―――妊娠中の女性に必要な防災知識やおすすめの備蓄品などを教えてください。
万が一のときを考えて、出産に関する基本的な知識はあったほうがいいかと思います。病院が被災したり、お医者さんがいない場所で出産をしたりする場合を想定し、情報を集めておくことをおすすめします。

また、出産準備をすすめておくことも妊婦さんの安心材料になると思います。災害時は、精神的なストレスから母乳が止まってしまうこともあるので、ミルクの準備もしておいた方がいいですね。赤ちゃんは、初めて口にしたものを安心して食べたり飲んだりする傾向があるので、病院で使っているミルクについてはあらかじめ確認して同じものを用意しておくと良いと思います。おむつも手に入れることも難しくなるので、準備しておくことをおすすめします。場所をとってしまうおむつですが、圧縮袋に入れることで半分ほどになります。
 
食料やおむつなどの他に、余裕があれば、非常用電源などもあったほうがいいかと思います。万が一ライフラインが止まってしまったとき、地域や時期によっては、暑さや寒さ感じてしまうことがあるかと思います。そんなときに、一部屋だけでも過ごしやすい温度の部屋があったら、お母さんも赤ちゃんも安心して過ごせるのではないかと思います。

日常生活で子どもの防災意識を育むには

一般社団法人 日本防災共育協会 村山京子さん
―――災害は、子どもが一人の時に起こる場合もあります。普段の生活の中で、子どもと一緒に考えておくことはありますか。
日常生活のなかで、お子さんの危機管理能力を高めておくのがいいと思います。モノが倒れたり落ちてきたりした時に「危ない」と察知できるか、どこに逃げたら助かるのか、などを日常的に会話しておくといいですね。家の中では落下や転倒する家具について話し、家の外であれば崩れて倒れたり、飛んできたりしそうなもの、例えば、ブロック塀や大きな看板などについて確認しておきましょう。

お子さんの防災教育の中でおすすめなのは、「防災ゲーム」です。遊びながら、防災感覚を自然に身につけることができます。砂場遊びで、山を作って水をかけて遊んだりしますよね。視点を変えればそれは小さな土砂災害です。水や砂は下に流れていきますので「逃げるのは下ではなく高い建物など上」ということを遊びながら学ぶことができます。

子どもたちが身を守るためには何をしたらいいのかをイメージして、自ら行動できるような教育が大切だと思います。
―――災害時に、親と連絡が取れないときにどうするのか、子どもとしておくべき準備はありますか。
親子間のルールは決めておいた方がいいですね。避難所については、普段の通学や買い物、散歩などをしているときに、災害時に集まる場所であることをお子さんと確認しておきましょう。その際、お子さんには「仕事中で会社にいると、すぐには避難所に行けないかもしれないけれど、必ず迎えに行く」ことも伝えておいてください。

さらに避難所のどこにいるのかも、具体的に決めておくといいと思います。そして、そこから移動するときは、ガムテープに名前と移動先を書き、壁などにはがれてしまわないように貼って残しておく。そのためにも非常用袋の中には、ガムテープと油性マジックを入れておきましょう。文字をかけない小さなお子さんであれば、事前にお子さんの名前を書いてはがしやすい台紙に貼っておいてあげてもいいと思います。

家庭での防災準備と備蓄のポイント

防災準備と備蓄品
―――まず、家の中で普段からやっておくべき災害対策について教えてください。
家具や家電の固定は、やっている方は比較的多いのかなという印象があります。
最近は、家具や家電の下に敷くジェル状のクッション材もあり、そういったものを利用することで、突然の地震で飛んでしまうことを防ぐことができます。

家具や家電の固定と共に確認しておきたいのが、災害時の避難経路の確保です。足元にハサミなど刃物が落ちないよう、普段から引き出しや棚にしまう習慣をつけておくといいですね。
夜間に災害が起きた時の対策として、電池式の人感センサー付ライトや携帯用のソーラーパネルなどがあるといいと思います。
―――次に、備蓄品について教えてください。
備蓄のポイントですが、実は、一戸建てに住んでいるか、マンションなどの集合住宅に住んでいるかで備蓄しておくものが異なります。

集合住宅の備蓄のポイントは、水です。一戸建てと比較して、圧倒的に確保するのが大変になります。給水車が来ても、水をくむために並ばなければいけないですし、その水をもって階段を上がらなければいけません。ベッドの下などの空間に、可能な限り備蓄しておくのをおすすめします。

次に、食料についてです。これは、一戸建ても集合住宅も共通ですが、賞味期限が長めの食品を購入し、普段の食事の時に少しずつ食べ、食べた分はまた追加しておくといった『ローリングストック』のような形で準備しておくとよいでしょう。

また冷凍食品も、防災用の備蓄としても有効です。災害時に停電してしまったとき、あらかじめ冷凍室に食品を入れておけば、冷凍室が低温のまま保持することが可能です。
また、被災時は野菜が手に入りにくい可能性が高いので、普段から余ったりまとめ買いしたりした野菜をカットし冷凍室にいれておくと、日常では料理の時短にも繋がりますし、非常時にも有効活用できます。

あと、お米は耐熱のポリ袋に水をいれて炊くことができるので、カセットコンロと一緒に準備しておくといいと思います。

また、備蓄する食品を「避難所で食べる」ことを想定して、選ぶのもポイントの一つです。
例えば、カレーなどの匂いの強いものは、食べるときに周囲の目が気になってしまうと思うので、避けたほうがいいですね。匂いの少ないお菓子などの個包装になっているもののほうがお子さんでも口に入れやすく、周囲を気にせずに食べやすいと思います。
―――水や食品以外では、どんなものを準備しておくとよいのでしょうか。
まずは、携帯用のトイレは必ず準備しておいてほしいですね。臭い対策のためにも防臭袋をセットで準備しておくようにしましょう。

あとは、既存の災害備蓄品の情報にとらわれずに、準備しておくと良いと思います。
例えば新聞紙は、最近は新聞を購読していない家庭も増えているので、手に入らないという方も多いかと思います。使用用途から考え、レジャーシートや携帯スリッパなどを準備しておくと、避難所で活用できます。
一般社団法人 日本防災共育協会 村山京子さん
―――村山さんはコープユーザーとのことですが、備蓄におすすめのコープ商品はありますか。
災害時に不足しがちなビタミンなどの栄養素を補える商品や、乳酸菌入りのもを購入をしています。100~200ml程度の小分けになっているものを選んでいるのですが、普段から孫と飲んでいて少なくなったらまた購入するようにしています。特別なものを用意するのではなく、普段使いの商品を工夫しながら備蓄するのがおすすめです。

コープを活用して防災対策をしよう!

みやぎ生協・コープふくしまでは、過去の震災の際に生協宅配登録者へ飲料水や缶詰、カップ麺などのお見舞い品のお届けなどをしております。また、震災から約2週間で生協宅配の営業も再開しております。震災後、初めてのカタログは商品写真などは印刷されておらず、数量限定となりましたがひとり平均10点以上の企画を実現することができました。
防災用だけではなく生協では、普段からの備蓄に便利なレトルトやフリーズドライ商品を数多くとりそろえています。賢く買ってストックしておくことで、万が一の災害にも備えることができます。生協で防災準備をはじめてみませんか。
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