INDEX
- 離乳食完了期の進め方
- 離乳食完了期に進むタイミング
- 1日の食事の回数
- 1食あたりの量
- 離乳食完了期の献立のポイントや注意すべき食材
- 1日で3つの食品群を取り入れる
- 不足しがちな栄養を取り入れる
- アレルギーを引き起こしやすい食材に注意する
- 消化に悪い食材や誤飲の恐れがある食材は避ける
- 離乳食完了期の調理や食事支援のポイント
- 取り分けメニューで調理時間を短縮する
- 食材は歯ぐきでかめる固さでひと口大にする
- ひとりで食べやすい環境に整える
- 赤ちゃんの食べる意欲を引き出す
- 母乳やミルクを与えても良い
- 離乳食完了期によくある悩み
- 食事に集中できない
- ごはんをぐちゃぐちゃにしてしまう
- スプーンやフォークで遊んでしまう
- 好き嫌いが多くて食べてくれない
- 離乳食完了期は赤ちゃんの食べる意欲を引き出していこう
監修者:管理栄養士 高岡 由貴
離乳食完了期の進め方
最初に離乳食完了期の進め方について紹介します。12~18ヵ月頃となる赤ちゃんは、小さいものをつまめるようになり、手づかみやフォーク、スプーンを使って自分で食べる練習をする時期。必要な栄養素の多くは食事から摂れるようになります。
離乳食完了期に進むタイミング
離乳食完了期に進むタイミングは、生後12~18ヵ月頃。完了期の目標は、ほとんど大人と同じものを食べられるようになり、必要な栄養を食事から摂れるようにしていくことです。
<離乳食後期から完了期へ進む目安>
- 食べ物を前歯でかじって食べられるようになった
- 手づかみ食べが上手になった
- スプーンに興味を示し、自分で食べたがるようになった
1日の食事の回数
離乳食完了期には、大人と同じ食事時間で1日3食にします。1度にたくさんは食べられないので、食事だけでは不足しがちな栄養を補うために、おやつ(補食)を1日1~2回与えましょう。おやつには、おにぎりやパン、さつまいもや果物など、お菓子以外が良いです。
1食あたりの量
赤ちゃんが食べられる量には個人差があるため、発達に合わせて量を調節してください。おやつを与える場合は、食事の1/3~1/2程度が目安です。
<1食の目安>
種類 | 量 |
穀類 | 軟飯90グラムまたはごはん80グラム うどん・イモ類なら80~90グラム
上記のいずれか
または複数の食材を組み合わせても可
|
野菜や果物 | 合せて40~50グラム |
たんぱく質源 | 肉や魚15~20グラム 豆腐50~55グラム
卵全卵1/2~2/3個
乳製品80グラム
のいずれか1つ
または量が同等になるように複数の食材を組み合わせても可
|
離乳食完了期の献立のポイントや注意すべき食材
続いては、離乳食完了期の献立のポイントや注意すべき食材を紹介します。離乳食完了期はほとんどの食材を食べられますが、味付けが濃いものや刺激が強いものは避けましょう。またアレルギーを引き起こしやすい食材にも注意が必要です。
1日で3つの食品群を取り入れる
献立を立てる際には、3つの食品群(たんぱく質、ビタミン・ミネラル類、炭水化物)の食材を取り入れるようにしましょう。1回の食事に3つの食品群をいれるのが理想ですが、無理な場合は1日3食の中で3つの食品群を摂れるような献立に。食材の種類は1週間単位で考え、1週間でいろいろなものが摂れるようにしてください。また、献立を考える時は、1食のメニューにこだわりすぎないのがポイントです。
不足しがちな栄養を取り入れる
離乳食後期以降は鉄分が不足しやすいので、離乳食で鉄分を摂るようにしましょう。また母乳の割合が多い場合は、鉄分以外にもカルシウムやビタミンDなども不足しがちに。肉や魚、レバー、大豆、乳製品、きのこ類などを料理に取り入れたり、フォローアップミルクを調理に活用したりして、食事から摂れる栄養の割合を増やしていきましょう。
アレルギーを引き起こしやすい食材に注意する
アレルギーを引き起こしやすい「特定原材料」を与える際には特に注意してください。
特定原材料:えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生の7品目
特に、3大アレルゲン(卵・乳・小麦)はアレルギー症状が重症化しやすい食材です。赤ちゃんが食べている時や食後の様子に注意し、いつもと違う様子があれば受診をしましょう。
※初めて与える食材があるときは平日の午前中にして、何かればすぐに小児科に受診ができるようにしておくと安心です。
消化に悪い食材や誤飲の恐れがある食材は避ける
食材 | 避けたほうが良い理由 |
生魚 | 消化が悪く、細菌感染による食中毒の心配がある |
ピーナッツ 枝豆
ブドウ
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誤飲の危険がある(細かく切ってもNG、3歳ごろまでは避ける) |
もち | のどに詰まりやすい 咀嚼(そしゃく)力が発達する3歳ごろまでは与えない
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はちみつ はちみつを使ったお菓子など
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ボツリヌス菌による食中毒のリスクがある 1歳ごろまでは与えない
(それ以降もすぐには与えなくてもよい)
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コーンシロップ 黒糖
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はちみつと同じくボツリヌス菌の危険性があると言われることもある 正式な根拠はまだ出ていないが、念の為注意
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他にも、かまぼこやちくわのように保存料や塩分が強いもの、刺激が強いものも控えるようにしましょう。
離乳食完了期の調理や食事支援のポイント
ここからは、離乳食完了期での調理ポイントと食事支援のポイントを紹介します。ポイントを押さえて赤ちゃんと楽しく食事をしましょう。
取り分けメニューで調理時間を短縮する
離乳食完了期になると、大人と同じメニューを取り分けできるため調理時間を短縮できます。取り分けて離乳食を作る時のポイントは以下の3つです。
- 味付けをする前に取り出す。味付け目安は大人の1/3程度が目安。
- やわらかくなるまで煮る。歯ぐきでつぶせる固さが目安。
- 油類は控えめにする。
食材は歯ぐきでかめる固さでひと口大にする
離乳食完了期は、歯ぐきで食べものをすりつぶしたり、前歯でひと口分の量を噛み切ったりといった練習をする時期です。手づかみ食べがメインとなるため、手に持ってかじりやすい大きさの食べ物を与えるのが良いでしょう。肉団子くらいの歯ぐきでつぶせる固さで、手づかみしやすいひと口大が目安です。
ひとりで食べやすい環境に整える
赤ちゃんが手づかみやスプーン、フォークを使いながら、ひとりで食べやすい体制に整えてあげましょう。
■環境の目安
- 足の裏が床や補助板につき、背筋を伸ばして座れる
- 腕を伸ばした時にひじの関節がテーブルに付く
赤ちゃんの食べる意欲を引き出す
自我が芽生えてくる頃なので、家族と一緒に食事をする、食べることに興味を持てるような声掛けをするなど、赤ちゃんの食べる意欲を引き出してあげましょう。自分から食べようという意欲を引き出すためにも、十分に手づかみ食べをさせることが大切です。自然と興味を持つようにフォークやスプーンを出しておくのもおすすめです。
母乳やミルクを与えても良い
離乳食完了期でも、母乳や育児用ミルクをすぐにやめる必要はありません。離乳食完了期は、食事から必要なエネルギーや栄養を摂れるようになったということ。赤ちゃんの様子を見ながら、必要に応じて母乳や育児用ミルクを与えても良いです。母乳は欲しがるだけ与え、育児用ミルクなら食欲があるおやつの時間や、就寝前に与えるようにしましょう。
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離乳食完了期によくある悩み
離乳食を進めてきた完了期でも、その時ならではの悩みがあります。ここでは、離乳食完了期にある悩みと対処法について紹介します。
食事に集中できない
食事をする時に立ち上がったり、歩き回ったりして食べることに集中できない場合、環境を見直すことも必要です。テーブル周りにおもちゃが置かれていないか、足が床や補助板にきちんと着いているか、イスは食べやすい高さになっているかなど、気を取られずに安定した姿勢で食事ができるかどうかを確認してください。また、家族と一緒に楽しく食事ができるような声掛けも忘れずに。
食事の時間は長くても30分程度を目安に切り上げ、メリハリをつけると良いでしょう。食べないときはおなかが空いていない可能性もあるので、おやつの量や食事の時間を見直してみましょう。
ごはんをぐちゃぐちゃにしてしまう
手でこはんをぐちゃぐちゃにして口に持って行くのは、赤ちゃんが自分で食べたいという意思表示です。食べ物はおもちゃではないことを教えながら、手づかみしやすいメニューを与えてみましょう。
スプーンやフォークで遊んでしまう
最初は遊び道具として赤ちゃんが満足するまで持たせながら、おにぎりなどで手づかみ食べに慣れさせていきます。赤ちゃんがスプーンを持ったら口に運んであげたり、大人がスプーンやフォークを使って食べる手本を見せたりして、次第に興味を持つようにしていくと良いでしょう。
好き嫌いが多くて食べてくれない
好き嫌いには、味が嫌いな場合と食べ慣れていないために食べない場合があります。食べ慣れない場合は、見た目や調理方法を変える、食べ慣れた料理に混ぜるなど、味付けや調理方法を工夫しながら根気よく慣らしていきましょう。
また、小さな子は野菜に含まれる苦味に反応しやすく、野菜が苦手になることも多いようです。野菜を食べない時は、小さく刻んでカレーや肉団子に混ぜるなどのメニューを試してみるのもおすすめです。
離乳食完了期は赤ちゃんの食べる意欲を引き出していこう
パクパク期と呼ばれる離乳食完了期は、赤ちゃんが前歯でかじりながらいろいろな食材を食べられるようになる時期です。赤ちゃんが食べやすい固さや大きさの食事を与えて、家族と一緒に楽しみながら食べる意欲を引き出していきましょう。
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また食品メーカーでは食育推進事業を担当し、講師業を勤める。
現在はフリーの管理栄養士として活動し、レシピ開発•食事カウンセリング•商品開発•記事監修・執筆等を行う。
日本抗加齢医学会に所属し、日本化粧品検定1級・コスメコンシェルジュ・薬膳アドバイザー・ローフードマイスター・ダイエット検定1級・薬事法管理者など様々な資格を保有。乳幼児から成人までを対象に幅広い層に対しての栄養指導を得意とする。