【管理栄養士監修】離乳食のしらすはいつから食べられる?注意点やおすすめレシピも
監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

監修:管理栄養士 鳥内雅子先生

病院・特別養護老人ホーム・精神障害者生活訓練施設にて勤務。 現在はフリーの管理栄養士として活動。 コロナ禍に息子を出産し、離乳食の難しさに直面。同じように悩むお母さんの役に立ちたいとインスタグラムで発信を始めた。 現在フォロワー数7.3万人。 偏食改善アドバイザーの資格を取得し、離乳食や偏食に悩むお母さんたちに向けてカウンセリングや講座を行っている。
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しらすは離乳食にいつから取り入れられる?

ざるに盛られたしらす
しらすは生後5〜6ヵ月頃の離乳食初期から取り入れられます。イワシ類の稚魚であるしらすは、手軽に食べられる白身魚です。骨を丈夫にするのに役立つカルシウムやビタミンDなど、赤ちゃんの成長には欠かせない栄養が豊富に含まれています。離乳食がはじまり赤ちゃんがお粥や野菜に慣れてきたら、動物性たんぱく質の食材として取り入れるのがおすすめです。

離乳食でしらすを使う時の下ごしらえ

しらすをすり鉢ですりつぶす様子
離乳食でしらすを取り入れる際は、しっかり塩抜きをした後、赤ちゃんが食べやすい大きさに調理しておきましょう。離乳食でのしらすの下ごしらえの方法を紹介します。

1. 塩抜きする

しらすは塩分が多いので、離乳食の間はどの時期であっても塩抜きが必要です。しっかり塩抜きできる熱湯で茹でる方法がおすすめですが、時間がない時はレンジで加熱する方法もあります。
<基本の塩抜きの仕方>
1. 鍋に水をはって加熱し、沸騰したらしらすを入れる
2. 1分ほど茹で、ざるなどでしらすをすくって水気を切る
お湯をそそいで3分ほど置いておくだけでもある程度塩が抜けます。後期頃には、調味料の代わりに残ったお湯を程よい塩分として使うこともできます。
<電子レンジで塩抜きする方法>
1. 耐熱容器に水としらすを入れ、ラップをして1分ほど加熱する
2. 粗熱がとれたらざるにあげて水気を切る

2. 月齢に合った大きさにする

塩抜きが終わったら、しらすを赤ちゃんの月齢に合わせた形状・大きさにします。
<離乳食初期:生後6ヵ月頃>
離乳食初期は食材をペースト状にするのが基本です。塩抜きしたしらすを裏ごししたりすりつぶしたりした後、お湯を加えてヨーグルトくらいの固さになるまでのばします。
<離乳食中期:生後7〜8ヵ月頃>
食材を舌でつぶせるようになってくる離乳食中期は、しらすも食べやすいみじん切りにします。
<離乳食後期:生後9〜11ヵ月頃>
歯ぐきでかめるくらいになってくる離乳食後期は、やわらかく小さいしらすならそのまま与えても構いません。大きいものがあったり、食べにくそうにしていたりしたら小さく切ってあげましょう。

離乳食でしらすを使う場合の注意点

赤ちゃんに離乳食を与えるママ
赤ちゃんにしらすを与える際は、塩分や量、アレルギーに注意が必要です。注意点を押さえ、安全に取り入れましょう。

必ず塩抜きをする

しらすは製造過程で塩茹でされているため塩分が多く、赤ちゃんに与える場合は塩抜きが必須です。塩分が多いまま与えると赤ちゃんの内臓に負担をかけてしまいます。また、赤ちゃんが濃い味に慣れてしまうと、薄い味の食べ物を食べなくなる可能性もあります。特に離乳食初期は味付けを必要としないので、塩抜きは入念にして素材の味を楽しんでもらうことが大切です。離乳食が完了して大人と同じ食事に移行する1歳〜1歳半ごろまでは、必ず塩抜きを行いましょう。
離乳食に使用するしらすは、釜揚げしらすやしらす干しを選ぶのがおすすめです。乾燥のちりめんじゃこは硬く塩分も多いので離乳食には向きません。

胃に負担がかからないよう少量から始める

赤ちゃんの内臓は未熟なので、栄養価の高いしらすを一度にたくさん与えると消化不良を起こすおそれがあります。離乳食初期の頃はスプーン1さじくらいの少量にとどめて様子見しましょう。その後、赤ちゃんの成長や離乳食の進み具合に合わせて、少しずつ量を増やしていきます。

思わぬアレルギーにも注意が必要

しらす自体はアレルギーの少ない食材ですが、いくつかのアレルギーを引き起こす可能性があるので赤ちゃんに与える際は要注意です。
  • 魚卵アレルギー:しらすに卵巣があるため
  • 甲殻アレルギー:市販のパックの中にエビやカニが混ざっていることがあるため
また、お腹が赤いしらすはエビなどを食べていることがあります。そういったものを見つけたら取り除きましょう。
アレルギーのリスクを減らすために、初めて赤ちゃんに与える時は離乳食スプーン1さじくらいのごく少量だけにします。その後、24時間はアレルギー症状が出ないか注意深く見守りましょう。万一の場合にすぐに病院に連れて行けるよう、平日の午前中などかかりつけの病院が空いている時間帯に食べさせると安心です。

【時期別】しらすを使ったおすすめ離乳食レシピ

ここからは離乳食初期〜後期の時期別に、しらすを使った離乳食のおすすめレシピを紹介します。あわせて赤ちゃんに食べてもらいやすくするポイントも説明します。

離乳食初期:しらすの10倍粥

10倍粥としらすペースト
赤ちゃんが10倍粥に食べ慣れてきたら、しらすペーストを加えてアレンジしてみるのもおすすめ。しらすをペースト状にした後、苦味がないか味見をするのがたくさん食べてもらうコツです。
■材料
  • 10倍粥 30g
  • ペーストにしたしらす スプーン2〜3杯
■作り方
1. 塩抜きしたしらすをすり鉢などですりつぶしてペースト状にする
2. しらすと10倍粥を混ぜる
お粥が硬く感じたらお湯で調整を。普段食べているお粥の量と同じくらいを与えてあげるといいでしょう。

離乳食中期:しらすとほうれん草のうどん

しらすが入った離乳食のうどん
主食のバラエティを増やしたい中期には、うどんにしらすとほうれん草を加えていつもと違ったアレンジを。うどんは赤ちゃんが食べやすいようにやわらかめに茹でるのがポイントです。小麦アレルギーがある子もいるので慎重に進めましょう。
■材料
  • しらす 5g
  • ほうれん草 10g
  • うどん 50g
  • だし汁 100cc
※うどんはなるべく無塩のものがおすすめ
■作り方
1. しらすとうどんは塩抜き、ほうれん草は茹でた後、それぞれ細かく刻む
2. 鍋にうどんと水(分量外)を入れ、表示の時間より長めに茹でる
3. うどんを鍋からあげて1㎝ほどに切る
4. 鍋にだし汁、うどん、しらす、ほうれん草を入れてひと煮立ちさせる
キャベツやにんじんなどを加えて野菜たっぷりにするのもおすすめです。赤ちゃんが飲み込みづらそうであれば、片栗粉でとろみをつけると食べやすくなります。

離乳食後期:しらすとにんじんのおやき

プレートに盛られた離乳食のおやき
赤ちゃんが手掴みをはじめる後期には、手に取ってぱくぱく食べられるおやきならたくさん食べてくれるかもしれません。豆腐を混ぜることで、やわらかくもっちりとした食感になります。
■材料
  • しらす 5g
  • にんじん 10g
  • 絹ごし豆腐 50g
  • 小麦粉 大さじ2
  • だし汁もしくは水 大さじ2
  • 油 適量
■作り方
1. しらすは塩抜き、にんじんはすりおろし、豆腐は水気をしっかり切っておく
2. ボウルに材料をすべて入れ、しっかり混ぜてなめらかにする
3. フライパンに油をひき弱火にかける
4. 混ぜた材料をスプーンですくってフライパンに落とし、両面3分ずつ程度焼く
あまったら1枚ずつラップに包んで冷凍保存も可能です。解凍する際は電子レンジで様子を見ながら両面10秒ずつほど温めます。

赤ちゃんが離乳食のしらすを食べない場合は?

赤ちゃんに離乳食を食べさせる様子
しらすはすりつぶすと苦味が出る場合があります。赤ちゃんがしらすを嫌がるようであれば、しらすの下ごしらえをした後、パパやママが味見をして苦味がないかをチェックしましょう。苦味を感じる時は、お粥や野菜、豆腐などと混ぜて調理するのがおすすめです。他の食材と混ぜることで苦味が緩和されて食べやすくなります。お湯やだし汁で薄めるだけでは苦味はなかなか消えません。

赤ちゃんの成長に合わせてしらすを離乳食に取り入れよう

離乳食を与えるママ
栄養価が高く離乳食にもおすすめのしらす。離乳食の初期から取り入れられますが、赤ちゃんの体に負担にならないよう必ず塩抜きをし、月齢に合わせた大きさにしてあげましょう。他の食材と組み合わせることで、赤ちゃんも食べやすく、離乳食のレパートリーも増えるので、赤ちゃんの好みに合わせていろんなレシピを試してみてくださいね。
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