子どもが野菜を嫌いな理由
子どもが野菜を嫌うのは、野菜の苦みや特有のにおいが苦手だったり、食経験が少なかったりするからです。まずは、子どもが野菜嫌いな理由について見ていきましょう。
野菜の苦みや特有のにおいが苦手だから
子どもは野菜の苦味や酸味、青臭さといった特有のにおいに苦手意識を持ちやすいです。人が舌で感じる味の基本要素は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つ。5つのうち苦味や酸味は腐敗物や毒物などの味として、子どもは本能的に避けてしまうとも言われています。また、子どもは大人よりも味覚が敏感で、苦味や酸味などをより感じやすく野菜を嫌う傾向にあります。
食経験が少ないから
子どもは食の経験が少ないことで、食べず嫌いになっている場合もあります。人間は食べたことがない食材に対して本能的に警戒するので、子どもにとって初めて食べるものは「嫌い」だと思い込んでいる場合もあります。
特に色の濃い緑黄色野菜は目を引くために、子どもは警戒して避けがちです。また、食の経験が少ないがゆえに、一度ストレスを感じると原因となった食べ物を避ける傾向に。野菜を無理やり食べさせられたら、野菜自体に対して嫌悪感を持ってしまいます。
子どもが嫌いな代表的な野菜
嫌いな野菜 |
・トマト ・ピーマン
・ネギ
・春菊
・ゴーヤ
・セロリ
・ナス
・ニンジン
|
ネギやゴーヤなど苦みのあるもの、春菊やセロリのようににおいが強いものは嫌われる傾向にあります。他にも、トマトのように色の濃い緑黄色野菜は警戒されやすく、ナスは食感で嫌われがちな野菜です。
野菜嫌いは子どものうちに克服した方が良い?
子どもが野菜を食べないと栄養が偏るのではないかと気になるもの。野菜を含めたバランスの良い食事は大切ですが、無理に食べさせても野菜嫌いに拍車がかかる可能性もあります。野菜嫌いは子どものうちに克服するべきなのか見ていきましょう。
成長とともに食べられるようになるので焦らない
多くの場合、子どもは成長するとともに味覚が変わり、野菜を食べられるようになるので、焦る必要はありません。無理に嫌いな野菜を食べさせると、それがトラウマとなってもっと野菜嫌いになってしまう可能性も。子どものうちに、野菜の嫌な思い出を作らないことが大切です。
他の野菜から栄養素を補う
特定の野菜が嫌いでも、野菜全体の必要な量が摂れていれば、それほど問題にはなりません。年齢に合わせて食べられる野菜を摂りましょう。
【子どもが1日に摂りたい野菜の量】(目安)
年齢 | 摂取量(目安) |
3~5歳 | 240g |
6~7歳 | 270g |
8~9歳 | 300g |
10歳以上 | 350g |
子どもが嫌いな野菜に含まれる栄養素は、他の野菜で補うこともできます。
【子どもが嫌いな野菜の栄養素と代替え野菜】
嫌いな野菜 | 栄養素 | 代替え野菜 |
ピーマン | ビタミンC | ブロッコリー、カリフラワー |
春菊 | β-カロテン | ニンジン、ほうれん草 |
嫌いな野菜をおいしく食べられるレシピ
みじん切りにしたり、香辛料でにおいを抑えたりといった工夫をすることで、苦手な野菜もおいしく食べられるようになることも。子どもでも嫌いな野菜がおいしく食べられるレシピを紹介します。
苦みを抑えた「ピーマンとジャガイモのきんぴら」
苦みを抑えるコツは、ピーマンを縦にカットすること。ピーマンは縦に繊維が入っているので、繊維に沿ってカットすれば苦みが出にくくなります。冷めてもおいしいのでお弁当のおかずにもぴったりの一品です。
■材料(2人分)
- ピーマン 2個
- ジャガイモ 中1個
- 魚肉ソーセージ 1本
- サラダ油 適量
- ごま油 適量
<A>
- 酒 大さじ1
- 塩 少々
<B>
- みりん 大さじ1と1/2
- 砂糖 大さじ1/2
- しょう油 大さじ1/2~1
■作り方
- ピーマン、ジャガイモ、魚肉ソーセージの長さをそろえて細切りにする。ジャガイモを水にさらしてから水気を切る
- フライパンにサラダ油を熱し、中火でピーマン、ジャガイモを炒める
- 全体に油が回ったらAを加えて混ぜ、フタをして2~3分蒸し焼きにする
- ジャガイモがしんなりしたら魚肉ソーセージを入れてさっと混ぜ、Bを加えて全体に味が馴染むように炒める
- 火を止め、好みで全体にごま油を回しかける
みじん切りやすりおろしで野菜感なし「ハンバーグ」
子どもが大好きなハンバーグに、野菜のみじん切りやすりおろしを加えることで食べやすく。チーズをのせたり、ソースで煮込んだりすると、さらにおいしく食べられます。
■材料(2人分)
<ハンバーグのタネ>
- 合いびき肉 100g
- タマネギ 30g
- ピーマン 1/4個
- ニンジン 10g
- パン粉 大さじ1
- 牛乳 大さじ1/2
- 溶き卵 20g
- 塩・コショウ 少々
- サラダ油 小さじ1
- 水 50ml
■作り方
- タマネギとピーマンをみじん切りにし、耐熱容器に入れて電子レンジ600Wで1分加熱して粗熱をとる
- 皮をむいたニンジンはすりおろす。パン粉と牛乳を混ぜ合わせる
- ボウルにハンバーグのタネをすべて入れてよく練る。4等分にして形を整える
- フライパンにサラダ油をひき中火にかけ、3の両面をこんがり焼く
- 水50mlを注ぎ、フタをして5分ほど蒸し焼き
- 竹ぐしを刺して、赤い汁が出なければ完成
煮込まず短時間でできあがる「キーマカレー」
野菜をすべてみじん切りにするので、苦手な野菜も食べやすいです。キーマカレーは煮込まないので、短時間で作れるのも嬉しいポイント。お好みでゆで卵をトッピングしてもおいしいです。
■材料(4人分)
- 合挽き肉 250g
- タマネギ 1個
- ニンジン 1/2本
- エリンギ 1本
- ショウガ、ニンニク 各5cm(チューブ)
- 油 大さじ1
<A>
- 水 1/2カップ
- 市販のカレールー 2かけ
- 醤油 大さじ1
- ウスターソース 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
■作り方
- タマネギ、ニンジン、エリンギは皮をむいてみじん切りにする
- フライパンに油をひき、ニンニク、ショウガ、タマネギ、ニンジンを炒める
- タマネギが透き通ったら、ひき肉を加え炒める
- 肉に半分ほど火が通ってからエリンギを加え炒める
- 全体に火が通ったらAを加え、全体的に混ぜ合わせながらルーを溶かす
ニンジン丸ごと「キャロットケーキ」
ニンジン嫌いの子どももパクパク食べられます。軽食にもおすすめです。
■材料(6号型用)
- ニンジン(すりおろし) 1本(150g)
- 卵 2個
- 砂糖 100g
- 薄力粉 150g
- ベーキングパウダー 小さじ1
- シナモン(お好みで) 小さじ1/2
- クルミ(お好みで) 30g
- 植物油 70g
■作り方
- 薄力粉をふるい、ベーキングパウダーとあわせる
- ボウルに卵と砂糖を入れ、油を少しずつ入れながら混ぜる
- 2にニンジンを入れて混ぜる
- さらに1を入れ、ゴムベラでざっくり混ぜる
- (お好みで)クルミを細かく砕いて加えて混ぜる
- 5を型に入れ、180℃に予熱したオーブンに入れて30~40分程度焼く
野菜嫌いの子どもにもおすすめのキャロットジュース
野菜ジュースで野菜を摂取するのもおすすめです。国産にんじんに果汁(りんご、オレンジ、バナナ、パインアップル、ぶどう、みかん、レモン)をブレンドしているため、「野菜嫌いの人でも飲めた!」という声も多いキャロットジュースです。
野菜嫌いは成長過程のひとつ!長い目で見守ろう
子どもが野菜を食べないと栄養面で心配になりますが、無理やりに食べさせると野菜嫌いに拍車がかかってしまうことも。大人になるにつれ、嫌いな野菜も食べられるようになる人も多いです。野菜嫌いは成長過程のひとつと考え、おいしく食べられる工夫をしながら、長い目で子どもの成長を見守りましょう。
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